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ドラマ『日本沈没』の政府対応が現実そっくり?麻生氏激似「マフィア帽子」副総理、専門家の警告を軽視&官僚の忖度も

10日からスタートした俳優の小栗旬が主演を務めるTBS日曜劇場『日本沈没—希望のひと—』(21:00-)の第二話が17日に放映され、ドラマ中で描かれている日本政府の対応が「現実にそっくり」だと話題だ。このドラマは、小松左京の同名SF小説を原作に、2021年現在の新バージョンとして「環境問題」をテーマにしながら、国家の危機に瀕する日本を救うために環境省のいち役人である天海啓示(小栗)が奔走するという、オリジナルキャラクター&ストーリーで展開される。

17日の第二話では、香川照之扮する田所博士が「関東沈没」の前兆として指摘していた「日之島」の水没が起き、関東沈没の危険性が現実となったことを目の当たりにして、天海(小栗)が日本未来推進会議で早急の防災対策を迫っていた。しかし、地球物理学の権威である世良教授(國村隼人)は沈没を否定。東山総理(仲村トオル)とともに会見をおこなって騒動の沈静化をはかったが、天海は納得がいかずデータの改ざんを疑う。その頃、環境ビジネス詐欺の容疑をかけられた「Dプランズ」という企業と環境省との癒着問題が週刊誌でスクープされ、その黒幕が天海だと掲載されてしまった。謹慎処分を受けた天海は、その裏で本当の海底プレートに関するデータ入手に奔走し……というストーリー展開だ。

17日の第二話の平均世帯視聴率は15.7%と、初回(同15.8%)からわずか0.1ポイントしか下がらない高数字をキープしている。それほど注目を集めているドラマなのだ。

黒い帽子の副総理は「麻生氏」がモデル?

そんな劇中にひときわ異様な存在感を示しているのが、怪優・石橋蓮司扮する里城副総理兼財務大臣だ。苦虫をつぶしたような表情で第二首都の制定に反対したり、関東沈没の噂を鎮めるよう指示したり、その圧力をかける時の言動や鋭い眼光は、どこかにモデルがいるのではないか?と思った視聴者も多いことだろう。そう、自民党の麻生太郎副総理である。

劇中、なじみの居酒屋で天海と同じ日本未来推進会議のメンバーである常盤(松山ケンイチ)と酒を飲みながら話すシーンで、店のテレビモニターに映った里城副総理(石橋)は、あの麻生氏のトレードマークである黒い帽子と似たような帽子をかぶり、車の中へ乗り込むシーンが映し出されていた。あのマフィアのボスのような出立ち、モデルは麻生氏以外にいないだろう。

官僚の「忖度」でデータ改ざん。はて、どこかで……

それだけではない、里城が副総理と財務大臣を兼務しているという設定自体、最近まで安倍・菅政権で副総理兼財務大臣を務めてきた麻生氏とピッタリ符号する。衆院選の始まる直前に、TBSもなかなか味な真似をするではないか。

他にも、潜水艇「わだつみ」による深海調査で、関東沈没の根拠となるスロースリップのデータ捏造に関わった官僚がすべてを告白するシーンなど、総理や政府に「忖度」する役人が「データ改ざん」に手を染めるシチュエーションは、どこかの国の中枢で起きているような光景ではないだろうか。

田所博士(香川)からの警告を軽視し、不都合なデータを改ざんするよう命じ、国民の命よりも自分たちの地位や利益のために動く。いまの日本政府が、この『日本沈没』で描かれているような私利私欲のカタマリではないことを信じるしかないが、こうした悪事はせめてドラマの中だけにしていただきたいと思うのは私だけだろうか。

奇しくも10月31日(日)は総選挙の投開票日。その前週にあたる24日の第三話で、日本政府や政治家はどのように描かれているのか、今から楽しみだ。

なおMAG2 NEWSでは2020年8月、実際に日本沈没の可能性を指摘していた地質学者への取材をまとめた記事を公開している。今回のドラマとともに、日本近海の地下で起きている現実と重ね合わせながらお読みいただけると幸いである。

【関連】地質学者が捉えた、東北沖と伊豆諸島周辺で大地震発生の「兆候」と「法則」

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image by: ETOPO1, Global Relief Model / public domain

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