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米の“オオカミ少年”国務長官「ロシアが来る」「中国も危険」にかき回される世界

かつてないほどの軍事的緊張の高まりを見せていると報じられる、ウクライナを巡る情勢。いつロシアがウクライナに侵攻してもおかしくないと伝えるメディアも多数ありますが、もはや軍事衝突は避けられないのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、現時点でのロシアによる全面軍事侵攻などありえないとし、その判断理由を解説。さらに2014年に自らが「ウクライナ騒乱」を詳細に分析した記事を再掲し、同国および周辺地域でアメリカが何をしてきたかを明らかにしています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年1月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

ブリンケンは「ロシアが来るぞ」「中国も危ない」と騒ぐだけのオオカミ少年/米国は落ち着いた外交を取り戻さないと

ブリンケン米国務長官は国際政治のイロハも知らない単なるガキで、ロシアが明日にでもウクライナに侵攻を始めるかもしれないとか、ベラルーシ経由だと侵入しやすいだろうとか、何の根拠も示さずにペラペラと口先介入して、ご本人としてはそれがロシアに対する牽制になっていると思っているのかもしれないが、いざ本当にロシア軍が侵攻したら米国が本格的に軍隊を投入してウクライナを防衛するつもりなどないことは分かりきっているので、これは馬鹿げた一人芝居である。

このブリンケンに言動に誰よりも迷惑しているのは、当のウクライナで、同国のゼレンスキー大統領は28日、キエフで記者会見し、

▼報道機関そのものがパニックを作り出しており、尊敬される複数の国家指導者でさえ、明日にも戦争になると言ってくる。これはパニックだ。そのせいで我々の国家にどれほどの犠牲を払えというのか。

▼ロシアはウクライナを攻撃する計画はないと主張している。28日には、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相が同国は戦争を望んでいないと発言した。ロシアはウクライナ国境付近に約10万人規模の部隊を動員しているが、昨春に同様の部隊が集結した時以上の脅威ではない様子だ。国内情勢の不安定化こそがウクライナにとって最大の脅威だ。

▼米国や英国などが一部の大使館職員を退避させているが、外交官は船長のようなもので、沈んでいく船から最後に離れるべきだ。ウクライナはタイタニック号ではないが。

と語った(1月29日付BBCニュース)。その通りで、私もゼレンスキー大統領やラブロフ露外相と同様、ロシアが全面軍事侵攻してウクライナ全土が戦場と化す現実的な危険など、現時点で存在しないと判断する。なのになぜロシアがウクライナとの国境に軍隊を集結させているかと言えば、それはロシアが公言している通り、

  1. ウクライナをNATOに加盟させないこと
  2. NATOは東欧での軍事活動を終了し、ポーランドとバルト3国のエストニア、ラトヴィア、リトアニアから部隊を撤退させること
  3. NATOはロシアに近い国やロシアと国境を接する国にミサイルを配備しないこと

について外交交渉を求めるためである。

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元々存続してはならなかったNATO

米国や日本の報道では、ロシアがこのようなことを求めること自体が生意気であるかの論調が支配的である。たぶんブリンケンごときはその歴史的経緯そのものを知らないのだと思うが、冷戦体制が崩壊して米露が真っ先に取り組まなければならなかったのは、その体制の実体的な中心機構であった米欧のNATOと旧ソ連中心のワルシャワ条約機構(WTO)を解消することで、ゴルバチョフは1991年3月にWTOを解体したが、米国はそれに対応してNATOを解体することを拒んだ。理由は単純で、当時の米大統領ブッシュ父は、冷戦が終わったということはNATOにせよWTOにせよ、予め仮想敵を設定してそれに向かって味方が結束して立ち向かうという国際政治の基本的な姿が終わったのだということを理解せず、「冷戦で米国は勝利しロシアを敗北させた。これからは米国が“唯一超大国”であり、遮る者もいないやりたい放題の時代だ」と錯覚した。この米国の“唯一超大国”幻想こそが、その後の世界に混乱に次ぐ混乱を呼び起こしてきたのである。

最初のうちこそロシアに遠慮して、ロシアとの協議機構を設けるなどしたNATOも、次第にそのゆとりを失って、旧東欧のみならずバルト3国など旧ソ連邦の国々まで加盟させ、ついに旧ソ連邦の中核であるウクライナとベラルーシにまで手を伸ばした。2014年春の段階では、もしウクライナがNATOに加盟を強行すればクリミア半島の先端にあるロシア黒海艦隊の大拠点港セバストーポリがNATOの手に落ちることになり、それはさすがに国家安保上の重大危機ということでプーチンは術策を駆使してこれを守りきった。ところがその後も、米国=NATOは、ウクライナの黒海やアゾフ海に面して新しい軍港を建設する計画をキエフ政府に出させ、それを支援することを表明するなど、あからさまなウクライナを主舞台にしたあからさまな「ロシア包囲網」を形成しようとしている。

そのようなそもそもの経緯から振り返ることもなく、ブリンケン少年の騒ぎ立てに調子を合わせた報道しかしていない日本のメディアは本当に酷い。

ちなみに、この少年を操っている米国務省の“魔女”はビクトリア・ヌランド国務次官である。彼女は夫のロバート・ケーガンと共にネオコンの中心活動家で、2014年のウクライナ政変の時には中心的な挑発者として働いた(以下の参考資料参照)。この構図でウクライナをめぐる米国策が動いていることを、認知バイアス気味のバイデン大統領は正しく認識していない可能性があり、このワシントンの有様こそが危機の大元である。

以下に、以前の本誌でウクライナを論じた稿を再掲する。

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プーチン=悪者論で済ませていいのか?──ウクライナ/クリミア争乱の深層

※ INSIDER No.725 2014/03/31

東京新聞3月26日付に東京の79歳男性の「一方的ロシア非難でいいのか」と題し
た投書が載っている。

▼「クリミア併合」を巡り、欧米諸国はロシアのプーチン大統領への非難を強め、日本のメディアも一斉に非難している。「クリミア住民投票はウクライナ憲法違反」という主張はもっともだろう。ただ、ロシアを擁護するわけではないが、今回の事態に至る発端が何だったのか、冷静に振り返る必要もあるだろう。

▼今年2月、EU当局者らの仲介により、ヤヌコビッチ大統領(当時)と野党代表との間で……政治危機回避でいったん合意した。にもかかわらず、野党勢力は武力衝突の末に政権を倒し、矢継ぎ早に新政権を発足させた。

▼いかに腐敗にまみれた政権といえども……暴力的に合法政権を転覆させたのは「ウクライナ憲法違反」ではなかったか。日欧米でウクライナ暫定政権の正統性がほとんど問われずにきたのは、不思議だ。……

その通りで、確かにプーチンのとった行動は賢明とは言えないし、国際法違反であることも明白だが、ヤヌコビッチとそれを支持したロシアが悪者で、民主化勢力=暫定政権側とそれを後押しした米欧は善良とする単純な二元論ではこの事態を理解することはできない。日本のマスコミは、2月22日のヤヌコビッチ政権崩壊と大統領逃亡以降、27日のヤツェニク暫定政権発足と同時のロシア武装部隊のクリミア侵攻から3月16日のクリミア住民投票へという直近1カ月余りの事態の急展開にばかり照準を合わせているので、なおさら「悪いのはプーチンだ」という論に傾きやすい。こういう時こそ、長短いろいろな物差しを当てて考えてみる必要がある。

4カ月前まで遡ると

まず、4カ月前の反政府デモ勃発のところまで遡ろう。発端は、ヤヌコビッチ大統領がEU加盟の前提条件となるものとして仮調印までしていたウクライナEU貿易協定を見送ると決定したことである。その日の午後にキエフの著名なジャーナリストが自身のフェイスブックで「22時30分に独立広場に集まろう。暖かい格好で、コーヒーと紅茶も忘れずに」と呼びかけ、実際に数百人が集まって大統領の親露反欧姿勢に抗議した。このささやかなデモが、たちまちのうちに数万人に膨れあがり、12月に入ると毎週日曜日に10万人を超えるデモ隊が出て政府の治安部隊と衝突を繰り返すようになり、1月19日には角材や火焔瓶で“武装”した集団が暴徒化して警察車両などに放火、それから4日間に一部では銃撃戦まで行われて死者6人、負傷者1,000人を出す惨事にまで発展した。

この間、政権側は、1月16日にデモ規制の新法を出してますます弾圧を強める一方、欧米首脳からの強い要請に応えて、ヤヌコビッチが1月25日、最大野党「祖国」幹部で元国会議長のヤツェニクを首相に、第2野党「ウダル(パンチの意味)」党首で元世界ヘビー級王者のクリチコを副首相にするとの妥協案を示したが、2人はあくまでヤヌコビッチの大統領辞任を求めて拒否した。このため政局は行き詰まり、アザロフ首相率いる内閣は1月28日、総辞職した。2月に入ると衝突は内戦と呼べるほどに激化し、18日には市民と治安部隊双方に銃撃による7人ずつの死者が出た。その日バイデン米副大統領がヤヌコビッチに電話で、治安部隊の撤収と野党との対話を要求したのを受けて、翌20日、ヤヌコビッチがクリチコと会談したが不調に終わる一方、この日街頭では94人が死亡し900人が負傷する最悪事態が現出、これでヤヌコビッチはついに持ちこたえられなくなった。

他方ロシアは、2月7日開幕のソチ冬季五輪を国際社会から人質に取られた格好で身動きが出来ず、12月17日にプーチンがウクライナ政府に日本円で1兆5,400億円の巨額財政支援を行い、同国向けの天然ガスの価格を30%引き下げることなどを発表、経済面でウクライナ国民をなだめようとしたが、焼け石に水で終わった。五輪開幕式では日本を除く主要国の首脳が揃ってボイコットしてプーチンに屈辱を味わわせ、「ウクライナに手を出したら承知しないぞ!」という脅迫的なメッセージを叩きつけた。

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市民デモが変質した訳

昨年11月21日以来の経過を振り返って異様に感じることの第1は、たかだかEUとの貿易協定の調印見送り程度の話で始まった穏やかなデモが、わずか2カ月のうちに死者が出るような衝突にまで発展し、さらにその1カ月後には政権が引っ繰り返るところまで行き着くというそのスピードである。

もちろん、貿易協定問題がきっかけとなって、長年のロシアへの政治的・経済的・文化的従属とその下での経済破綻の進行への不満の鬱積に一気に火が着いたということもあるだろうし、それに対する政権側の過剰な弾圧姿勢がさらに油を注いだということもあるだろう。

それにしても、現地からの初期の報道では、デモ参加者の中心は組織されない一般市民で、会社員、医師、アーティスト、農民、ユダヤ人やタタール人などのマイノリティ、宗教者など多種多様な人々の自発的な参加が目立っていて、政党指導者やナショナリスト集団などはほとんど表に出ていないという報告がなされていた。ところがそれが12月中旬あたりを境にして一変し、上述「祖国」や「ウダル」など親欧的な野党だけではなく、ウダルに次ぐ第3野党の「スヴォボダ(自由)」を中心とする右翼民族派やネオナチ集団が次第に主導権を握り、市民の怒りを利用して政権打倒の暴力革命へとリードしていったように見える。

スヴォボダの党首は歴としたネオナチのチャグニボクで、そのスヴォボダを中心に「ウクライナ愛国者」「ウクライナ民族会議─ウクライナ自衛(UNA-UNSO)」「トリズブ(ウクライナ紋章の三叉の意味)」などの右翼団体から構成される「右派セクター」という横断的な右翼政治組織を作っている。彼らが共通して崇拝するのは、1941年にナチス・ドイツが対ソ開戦してウクライナに侵攻した際、進んでナチ同盟者となってユダヤ人やポーランド人の虐殺しソ連と戦ったことで知られる「ウクライナ民族主義者組織」の指導者ステパン・バンデラで、チャグニボクらはウクライナの独立後、彼を名誉回復して“愛国者”と位置づけるよう運動を繰り広げてきた。

1月19日以降、銃撃による死者がデモ側と治安部隊の双方に出始めたのは、このネオナチ集団が市民に狙撃手を紛れ込ませて混乱を拡大しようとした挑発行為ではないかとの疑惑が出ている。3月5日にYouTubeに公開された、ウマス・パエト=エストニア外相がキエフ現地視察の後2月22日にキャサリン・アシュトンEU外相に電話をした通話録音によると、同外相は「警察と市民の双方を殺した狙撃手は抗議運動側の挑発者の雇ったもの」と言い、遺体を検分した女性医師が写真を示しながら「双方の死者ともが同じ弾丸で撃たれている」と証言したことを伝えている。

Breaking: Estonian Foreign Minister Urmas Paet and Catherine Ashton discuss Ukraine over the phone

これはロシアの情報機関が盗聴して流したものに違いないが、同外相はこの通話が本物であることを認め、「ただし新政権が雇った狙撃手と断定したわけではない」と付言した。

これを受けてロシアのラブロフ外相は8日、2月に起きた反政府デモと警官隊の衝突時、市民と警官多数を射殺した狙撃手の正体を全欧安保協力機構(OSCE)が調査するよう要請した。欧米では、狙撃したのは政府側の治安部隊に決まっているという調子で報道されてきた。

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米国による裏工作

第2に、この反体制デモを米国が積極的に支援してきたことに注意を向ける必要がある。それが公然かつ本格的になったのは昨年12月中旬で、米国務省のビクトリア・ヌランド国務次官補(欧州・ユーラシア担当)が10日キエフ入りし、野党指導者たちと会談し、また独立広場に行ってデモ参加者にお菓子を配った。続いて14日にはジョン・マケイン上院議員がキエフに姿を現し、ヤツェニク、クリチコ、チャグニボクの3人と会談し、翌日にはやはり独立広場にそのチャグニボクを伴ってデモ隊を激励に行った。

ヌランドとマケインに共通するのは、親イスラエルのネオコンの生き残りということで、彼らが反ユダヤのチャグニボクと会談して記念写真まで撮らせているのはどういうことなのか、理解に苦しむが、まあ当時は市民デモに乗じて政権打倒まで持っていくのに、利用できる者は誰でも利用しようということだったのだろう。これ以降、野党指導者の下には米国のUSAIDなど政府機関や民間財団から豊富な資金が注ぎ込まれることになった。

マケインは「共産主義の撲滅」「全世界に民主主義を」といった冷戦時代そのままのイデオロギーの持ち主で、これまでも昨年5月にはシリアを訪れて反政府軍の幹部と面談し支援を表明、8月には米国がシリアを空爆してアサド政権を崩壊させるべきだと強く主張した。他方、ヌランドの夫はネオコンの代表的論客である歴史家のロバート・ケーガン=米ブルッキングス研究所上席研究員である。1997年にネオコンの巣窟と言われたシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト」を立ち上げ(マケインもメンバー)、01年の9.11の1年前には米国が地球的責任を果たすための軍備大増強を提唱する米防衛再編計画を発表、その際にそれを短期間に実現するには「新たな真珠湾攻撃のような破滅的な出来事」が起きることが必要であるかのごとき一句を盛り込んだので、後々「ネオコンによる9.11自作自演」説の論拠にされたりもした。

オバマ政権になってもヌランドのようなネオコンそのものが国務省の政策を牛耳っているというのは驚きだが、彼らこそがロシアにとって死活的なウクライナの欧州化を強引に推進しようとする張本人なのであって、彼らの発想からすれば、ネオナチに資金を提供して親露政権を崩壊に導くなど当然ということになる。

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ヌランドの秘密シナリオ

そのヌランドが12月のウクライナ訪問から帰国後に駐ウクライナ米大使のジェフ・パイエトと交わした通話の録音も2月7日にYouTubeに公開されて、世界中で大きな話題となったが、日本のメディアでは扱いは小さかった。これを核心的事実として据えてウクライナ情勢を分析すれば、冒頭に述べたような単純二元論に陥ることは避けられそうに思うのだが、米国に遠慮しているのかロシア憎しで凝り固まっているのか、そういう論調はほとんど現れなかった。


Ukraine crisis: Transcript of leaked Nuland-Pyatt call(BBCによる文字起こしと解説)

米国務省も本物と渋々ながら事実と認めたこの会話で、2人は次の政権の人事問題まで突っ込んで議論しており、実際に2月には彼らが言うとおりの暫定政権が成立した。一部を仮訳要約する。

ヌーランド(N) 「あなたはどう思う?

 

ハイアット(P) 「我々のゲームはもう始まっていると思う。クリチコの存在が厄介で、彼が副首相になると[上記、1月25日のヤヌコビッチ妥協案のことか?]まとまるものもまとまらないから、早く彼の収まり所を判断しないと。ヤツェニュクに電話して、彼をこのシナリオの中で適切な位置に据えることを言ったほうがい」

 

N 「そうね。私はクリチコは政権に入るべきでないと思う。それは不必要なことだ」

 

P 「彼には政権の外にいて政治のお勉強をしてもらうのがいい。このプロセスを前進させるには、穏健民主派をまとめていくことが大事だ。問題はチャグニボクとその一党になるだろう。ヤヌコビッチはそのことも計算に入れているだろうと思う」

 

N 「ヤツェニクは経済の経験があり、統治の経験もある。彼にとってはクリチコとチャグニボクは外に置くことが必要だ。クリチコがヤツェニュクのために働いても、あの程度ではうまくいかない。……彼ら4人が会談した席でヤツェニクがなぜ彼がクリチコを入れたくないかを説明する前に、我々が裏でやらないと」

N 「国連の潘基文事務総長がロバート・セリー[ウクライナ担当国連特使]をウクライナに派遣することに合意した。この件をまとめるのに国連が手助けしてくれるのはありがたい。EUなんてクソ食らえだ[このひと言を後に彼女はEUに謝罪することになった]。

 

P 「全くです。だから我々は指導者たちをくっつけるために何とかしなければとやってきた。EUが動き出してもロシアが裏から潰すでしょう。……もう1つの問題は、ヤヌコビッチに何らかの接触をすることだ」

 

N 「それについては、サリバン[副大統領安保補佐官]が来てバイデン[副大統領]が手助けしてくれると言うの。たぶん明日、彼に会って接着の詳細を話すわ。バイデンがそれを望んでいるので[これが2月18日のバイデンの電話に繋がる?]」

これについてBBCのジョナサン・マーカスは解説文で、米国は表向き「ウクライナの将来を最終的に決めるのは国民だ」というようなことを言っているが、この記録を見れば、米国が極めてはっきりしたアイディアを持ってその目標達成のために奮闘していることが分かる、と指摘している。また、米国は(いつものことだが)EUの努力にフラストレーションを抱いていて、EUのようにゲームを長引かせるのではなく、遥かに実践的な役割を果たすことをはっきりと決断している、とも指摘してい
る。

実際、この通話の時点では大衆的に人気No.1で、5月大統領選に出馬するのが確実と見られていたクリチコも、政権打倒には役立つけれども中に入れたら危険なチャグニボクも、新政権の外に置いて親欧米派のヤツェニクがやりやすいように事を運んで米国の言うことを聞くウクライナにしようというネオコン戦略は見事に奏功して、そのとおりの政権が出来た。

クリチコは29日のウダル党大会で、親欧米派の大統領候補として急浮上しつつある企業家出身のポロシェンコ議員を「民主勢力の統一候補」として支持し、自らはキエフ市長選に立候補することを発表した。ヤツェニク首相の「祖国」は、かつてのオレンジ革命の寵児で今も党首であるチモシェンコ元首相を立てることを決めたが、彼女も汚職疑惑で投獄されて昔の輝きはない。30日の立候補締め切りの数日前の世論調査では、ポロシェンコがだんとつ1位で25%、クリチコが8.9%、チモシェンコが8.2%だった。

ただ、元々民族派であって親欧米路線とは相容れないチャグニボクらがこのままおとなしくしているわけがなく、すでに新政権と「右派セクター」との軋轢も始まっている中で、そこがヌランド・シナリオの思わぬ落し穴にならないか、不気味である。

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NATO東方拡大の終点

さて、冷戦終結から25年、ブレジンスキー元補佐官の進言で米クリントン政権がNATOの東方拡大政策に乗りだしてから20年という物差しの当て方についても、付け加えておく必要がある。

冷戦終結によって、東西欧州を覆っていたNATOとワルシャワ条約機構という巨大な軍事同盟機構の対決構図は無用のものとなり、理論的には双方ともそれを解消して、欧州のすべての国々が加盟する「全欧安保協力機構(OSCE)」による集団安全保障体制に置き換えられるはずで、ゴルバチョフのロシアはさっさとワ機構を解散した。が、米国はそうは考えず、今後とも欧州での覇権を維持しようとNATOの存続を強く主張したばかりでなく、それを旧ソ連邦崩壊の津波に怯える中・東欧に拡大していく方針をとった。独仏はじめ大陸欧州は当初、それには懐疑的で、共通の敵がいなくなったのに何のための軍事同盟なのかと米国に問うた。米国は、確かに欧州で大規模戦争が起きる可能性は基本的に消滅したが混乱が続く中・東欧で何が起きるか分からないし、その東のイスラム圏でも米欧が結束して当たらなければならない出来事があるかもしれないではないかと説得した。欧州は東方拡大にはなおさらためらいがあったが、米国はロシアが弱り切っている今こそチャンスだと押し切り、94年1月のNATO首脳会議で拡大方針を決め、その後、周知のように、99年に第1陣としてポーランド、チェコ、ハンガリーの3カ国、04年に第2陣としてバルト3国、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ルーマニアの7カ国、そして09年にアルバニア、クロアチアの2カ国を加盟させてきた。

その間、94年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争介入、99年のコソボ空爆、01年の9.11を受けたアフガニスタン戦争への有志参加など、NATOの域外共同作戦も活発になった。が、欧州は一貫してNATOの拡大がロシアを刺激して冷戦に逆戻りしないかと心配して慎重姿勢をとり、「平和のためのパートナーシップ」の呼びかけ(94年)とか「NATOロシア理事会」創設によるロシアの準加盟国扱い(02年)とかの枠組みを作ってロシアをなだめようとしてきた。だがブッシュ政権に巣くったネオコンは粗暴で、04年にルーマニアが加盟するとすぐに黒海に面したコンスタンツァ軍港を米地中海艦隊の拠点とし、またその近くのコガルニセアヌ空港の共同使用権も得てそこをアフガン戦争向けの物資輸送基地としたばかりか、ミサイル基地の建設にも乗り出した。また隣のブルガリアにも基地や演習場を設けた。ポーランドとルーマニアはウクライナと国境を接しているし、バルト3国のうちエストニアとラトビアはロシアと直接国境を隔てていて、プーチンが「NATO防衛線が果てしもなくロシア国境に迫ってくる。次はウクライナか?」と危機感を抱いたのも当然だった。

米政府がそんなことを公言するはずもないが、ネオコンのターゲットは明らかにその他の旧ソ連邦傘下の国々をも次々に“民主化”して、ロシアを素っ裸にさせることにあった。03年のグルジア「バラ革命」でシュワルナゼ政権を崩壊させたのも、04年のウクライナ「オレンジ革命」でティモシェンコ政権を作ったのも、05年のキルギス「チュリップ革命」で独裁者アカエフを追放したのも、みなネオコンの介入・支援によるもので、彼らの“世界革命”路線の一環だったと言える。

正面からはNATOの東方拡大で圧力を強め、裏では各国の親欧米派を援助して共産主義の残党による独裁政権の転覆を仕掛けるというこの壮大な計画が、ついに20年がかりでウクライナにまで到達したというのが、今日の事態の一面である。

繰り返すが、だからプーチンは悪くないということを言いたいのではない。ロシア側から見れば20年がかりで米国によって作り出されたこの事態はどう見えているだろうかという想像力を働かせないと、この難局の打開策は見えてこないということを指摘しただけである。

ウクライナを語るには、本当は、さらに長い長い物差しも必要である。東スラブ人の最初の国家キエフ・ルーシから1,100年、モンゴル支配から770年、コサック国家建設から530年、ロシア帝国の支配から360年、旧ソ連から100年、ナチス占領から70年、フルシチョフによるクリミアのウクライナへの譲渡から60年、旧ソ連邦崩壊でようやく独立を遂げて22年、等々がすべて今に繋がっている。それをすべて語り尽くすゆとりもないので、私が独立直後のウクライナを取材に訪れて本誌に書いた記事を次に再録する。お暇な方は読んで頂きたい。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年1月31日号より一部抜粋・文中敬称略。全文はメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』1月のバックナンバーを購読するとお読みいただけます)

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  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.512]アフガン戦争を上手に終わらせることもできない米国のお粗末(8/23)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.511]米バイデン政権の“命取り”になるか? アフガニスタン撤退(8/16)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.510]さあどうなる? 8月の内閣支持率(8/9)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.509]世界が注目した「シモーネ・バイルズ途中棄権」事件(8/2)

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2021年7月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.508]「呪われた五輪」に無理やり突入した管義偉政権の一か八かの大博打(7/26)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.507]今更ですが「マスク」についてもう一度/西村秀一医師の話に耳を傾けよう!(7/19)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.506]中国の台湾軍事侵攻が切迫しているというのは本当か?(7/12)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.505]生き物である大地を虐殺するリニア新幹線計画(7/5)

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2021年6月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.504]21~22年の沖縄は一大政治決戦の時(6/28)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.503]「ワクチン万能」論を少しだけ修正した菅義偉首相(6/21)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.502]バイデン大統領の「中国恐怖症」の結末(6/14)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.501]枝野幸男『枝野ビジョン』への違和感(その2)(6/7)

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2021年5月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.500]「飲食店苛め」を止めろと声を上げた「獺祭」社長の見識(5/31)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.499]枝野幸男『枝野ビジョン』への違和感(5/24)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.498]米軍がアフガンから撤退しても戦争は終わらない?(5/17)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.497]米バイデン政権は本当に中国と戦争をするつもりなのか?(5/10)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.496]感染爆発で五輪中止の最悪シナリオも(5/3)

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2021年4月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.495]日韓関係修復のきっかけとなるかソウル地裁の新判決(4/26)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.494]『NYタイムズ』も言い出した東京五輪延期・中止論(4/19)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.493]トリチウム汚染水はまず東京湾に放出すべき(4/12)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.492]4月リバウンド、5月緊急事態、7月感染ピークか?(4/5)

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2021年3月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.491]土こそいのちのみなもとーー高田宏臣『土中環境』に学ぶ(3/29)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.490]早くも半壊状態に陥った菅義偉政権(3/22)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.489]日朝平壌宣言から来年で20年ーー安倍晋三がすべてをブチ壊した!(3/15)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.488]何一つ変えられないまま衰弱していく残念な日本(3/8)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.487]すでに破綻している日本の「ワクチン供給」確保(3/1)

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2021年2月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.486]コロナ禍の国際政治学(2/22)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.485]森会長辞任でますます加速する菅政権の崩壊(2/15)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.484]コロナ後の世界に向けての「資本主義」の乗り越え方(2/8)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.483]「4月頓死」説が強まる菅義偉政権のヨレヨレ(2/1)

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2021年1月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.482]バイデン政権で米中関係はどうなる?(1/25)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.481]トランプ流ポピュリズムの無残な末期(1/18)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.480]米中はゼロサム関係ではないーー米国はなぜ対中ヒステリーに走るのか(1/11)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.479]2021年はどんな年になるのかーー3月に最初の山場が?(1/4)

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2020年12月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.478]2021年の日本と世界──コロナ禍の収まり具合が決める天国と地獄(12/28)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.477]右翼の尖閣紛争挑発に惑わされてはならない!(12/21)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.476]3カ月で早くも下り坂を迎えた菅義偉政権(12/14)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.475]Go Toトラベルを6月まで延長する菅義偉首相の執念(12/7)

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2020年11月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.474]東アジア不戦を誓う「22222222222宣言」運動(11/30)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.473]「インド太平洋」は中国を含めた軍縮の枠組み?(11/23)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.472]バイデンで米国は正気を取り戻せるのか?(11/16)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.471]菅政権の「米中バランス外交」を警戒する右寄り陣営(11/9)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.470]トランプがパックス・アメリカーナを壊した?(11/2)

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2020年10月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.469]学術会議問題で嘘を撒き散らす菅義偉首相とその仲間たち(10/26)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.468]学術会議人事介入の裏にあるもの(10/19)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.467]何もかも出任せの言いっ放しという安倍政権の無責任(10/12)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.466]年内総選挙はなくなり、年明け早々もできるのかどうか?(10/5)

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2020年9月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.465]玉城デニー沖縄県政2年目の折り返し点ーー菅政権と戦って再選を果たすには?(9/28)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.464]「中国脅威論」を煽って南西諸島進駐を果たした自衛隊(9/21)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.463]10月解散・総選挙はいくら何でも無理筋では?(9/14)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.462]安倍の何が何でも石破が嫌だという個人感情が生んだ菅政権(9/7)

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2020年8月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.460]長ければいいってもんじゃない安倍政権“悪夢”の7年8カ月(8/31)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.460]立憲・国民が合流して新党ができることへの私なりの感慨(8/24)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.459]世界最低レベルの日本のコロナ禍対策(8/17)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.458]「食料自給率」の主語は国、都道府県、地域、それとも個人?(8/10)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.457]コロナ禍から半年余、そろそろ中間総括をしないと(8/3)

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2020年7月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.456]自然免疫力を高める食事こそが「新しい生活様式」(7/27)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.455]コロナ禍を機に起こるべき価値観の転換《その2》(7/20)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.454]コロナ禍を機に起こるべき価値観の転換《その1》(7/13)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.453]コロナ対策の大失敗を隠したい一心の安倍とその側近たち(7/6)

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2020年6月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.452]ほぼ確定的となったトランプ敗退(6/29)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.451]イージス・アショアを止めたのは結構なことだけれども(6/22)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.450]ほとんど半狂乱状態のトランプ米大統領ーー米国の命運を決める黒人票の動向(6/15)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.449]「拉致の安倍」が何も出来ずに終わる舌先三寸の18年間(6/8)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.448]安倍政権はいよいよ危険水域に突入した!(6/1)

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2020年5月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.447]「10月」という壁を乗り越えられそうにない東京五輪(5/25)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.446]何もかも「中国のせい」にして責任を逃れようとするトランプ(5/18)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.445]ポスト安倍の日本のアジア連帯戦略(5/11)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.444]結局は「中止」となるしかなくなってきた東京五輪(5/4)

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2020年4月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.443]こういう時だからこそ問われる指導者の能力と品格(4/27)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.442]「6月首相退陣」という予測まで飛び出した!(4/20)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.441]何事も中途半端で「虻蜂取らず」に陥る日本(4/13)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.440]米国でも物笑いの種となった「アベノマスク」(4/6)

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2020年3月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.439]1年延期でますます開催意義が問われる五輪(3/30)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.438]もはや「中止」するしかなくない東京五輪――安倍政権の命運もそこまでか?(3/23)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.437]改めてそもそもから考え直したいヒトと微生物の関係(3/16)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.436]後手後手をカバーしようと前につんのめる安倍の醜態(3/9)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.435]安倍独断で「全国一斉休校」に突き進んだ政権末期症状(3/2)

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image by: Twitter(@Secretary Antony Blinken

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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