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一部の「勝ち組」が眩しすぎる。コロナで増えた“孤独”な20代

先進7カ国で20代の死因の1位が自殺なのは日本だけ。警察庁の資料によれば2020年には20代の自殺率が大きく上昇し、昨年は年代別で50代に次ぐ2番目になってしまいました。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で健康社会学者の河合薫さんは、20代の4割以上の人が孤独感に苛まれているとの調査結果を紹介。コロナ禍により人との触れ合いが減るなかで、大人たちはほんの少しでも関わった若者に対して伝えるべきメッセージがあると訴えています。

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「光」なき国の若者たち

NPO法人「あなたのいばしょ」が、早稲田大学の上田路子准教授と共同で行った調査で、20代の4割が「孤独感」に苛まれているという、看過できない実態が明らかになりました(2022年2月、全国の男女約3000人対象)。

具体的には、

…といったことがわかりました。

本来、20代といえば「友達一番!」のゴールデンエイジです。学生時代の仲間に職場の同僚が加わり、彼氏、彼女など、友情と愛情に悩み、傷つき、至極の幸福感を経験し、他者と関わる中で「自己」を磨いていくことができる貴重なお年頃です。

なのに、その20代が「孤独」だと。若者の孤独問題は、数年前から関心が高まっていましたが、コロナ禍が追いうちをかけてしまったのでしょう。

なにせ、頑張って勉強して、志望大学に入ったのに、コロナで2年間台無しになってしまったのです。頑張って就職活動して、やっと内定をもらっていたのに、入社式もなければ、同期で飲みにいくこともなくなってしまいました。

仕事でわからないことがあって、「どうした?」と声をかけてくれる上司もいなければ、「ありがとう」と微笑んでくれるお客さんと接する機会も制限され…。挙げ句の果てに、SNSでは一部の「勝ち組20代」たちが、積極的に活動し、意見を発信し、「今の若い人たちはすごいね~」と世間から持ち上げられている。

大人でさえ、リモート越しのつながりでは心が温まらず人恋しいのに、「人間関係が全て」の若者には、あまりに酷。友人関係に悩んだり、友達とぶつかったり、恋をしたり、恋に破れたりすることで、心の動きの機微を学び、共感する感情や自立する心が育まれるのに。その全てが、コロナに“妨害”されてしまったのです。

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不安が強まれば強まるほど、スマホの世界に没頭し、“電波”を介したつながりに躍起になるため、「私」は何のために生きているのか?「私」が存在する意味なんてあるのか?と、アイデンティティ喪失の危機に遭遇してしまうのです。

日本の若者の自殺率が、先進国の中でも際立って高いのは、ご承知のとおりです。なぜ、日本の若者は孤独感を抱きやすいのか?なぜ、日本の若者は死に急いでしまうのか?これまでもさまざま調査が行われてきました。若者を追いつめるものは、「何か?」と。

その中で明かされてきたのが、経済的要因であり、性役割社会であり、他者への信頼感の欠如などです。詳細は長くなりますので、ここでは書きません。またの機会に取り上げます。

しかし、一言でいえば「私の未来」に光を見出せないのです。文学的には「孤独の美学」なるものを肯定することがあります。しかし、今、若者たちを追い詰めているのは「望まない孤独」、ロンリネスです。

もし、あなたの半径3メートルに若者がいたら、声をかけてください。何か素敵なことをしていたら、「ありがとう!」と言ってください。一つひとつの行いは、小さなものかもしれません。そんなことで「社会が変わるわけないじゃん」と否定する人もいるかもしれません。

それでも「あなたは大切な人だ」というメッセージを、“大人”たちは送り続けることを忘れてはならないのです。みなさまのご意見、お聞かせください。

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image by: Shutterstock.com

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
「自信はあるが、外からはどう見られているのか?」「自分の価値を上げたい」「心も体もコントロールしたい」「自己分析したい」「ニューストッピクスに反応できるスキルが欲しい」「とにかくモテたい」という方の参考になればと考えています。

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