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すべての食堂のお手本。沖縄のとある大衆食堂が地元に愛されるワケ

沖縄県民で知らない人はいないと言われるほどの大衆食堂があります。創業は昭和49年ですが、いまだに多くの人から愛され続けている名店だそうです。今回は、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中でそのお店をピックアップ。その人気の秘密を語っています。

チキンナゲット定食? 観光客をも引き寄せる、沖縄大衆食堂の魅力

沖縄県那覇市に、昭和49年創業の大衆食堂があります。沖縄県民で知らない人はいないと言われるほどの人気店。

9:30~23:00の長時間営業の間には、お店の前にある沖縄大学の学生や周辺のサラリーマンがたくさんやって来ます。

地元のおばあたちが作るメニューは、約80種類。毎日来る人が多いので、飽きさせないように、メニューが多くなったのです。

メニューには、沖縄の郷土料理が並ぶので、県外(内地)の人から見れば、驚きとワクワク感があります。地元の人が食べる日常食を体験できるので、観光客も多くなっているのです。

「ヘチマ定食」「中味いりちゃー定食」「麩ちゃんぷる定食」「ゆし豆腐定食」「やんばるそば定食」など。

その中でも、ちょっと異質なものが目に留まります。

「チキンナゲット定食」。

チキンナゲットとマカロニサラダ、山盛りポテトフライ、ソーセージ、沖縄そば(小)、ご飯がセットになっています。

これは、沖縄県民でさえ、驚くものです。ナゲットでご飯を食べることが想像し難いからです。

しかし、これは沖縄県民の食の好みを知っているからこそ、生まれたものです。

沖縄県民は、鶏肉好きです。フライドチキンやチキンナゲットをイベントの度に食べます。生活に欠かせない料理になっているのです。

このお店では、ふと食べたくなった時に、そこにあるメニューなのです。

長年に渡る営業で、地元の食を知り尽くし、お客さまが欲する料理を揃えていった結果が、80種類のメニューとなったのです。

このお店の一番人気は、ランチセット。「Aランチ」「Bランチ」「Cランチ」があります。

たとえばAランチは、トンカツ、ポーク(ランチョンミート)、玉子焼き、ウインナー、ハム&チーズ、ポテトフライ、ハンバーグ、マカロニサラダ、クリームスープ、ご飯。

とにかくボリュームがあり、1,000円以下。お腹一杯になる満足感が、人気の理由です。他のメニューも、価格、味、ボリュームで驚かされます。

また、初めて来たお客さまは、戸惑うかもしれません。たとえば、「豆腐ちゃんぷる」というメニューを注文すると、豆腐ちゃんぷるだけではなく、沖縄そば(小)とご飯がついてくるのです。すでに定食です。

しかし、「豆腐ちゃんぷる定食」というメニューが別にあり、こちらは、沖縄そば(小)とご飯に加えて、まぐろの刺身がついてきます。すべて、サービス精神なのです。

なので、料理を単品で頼むことは、ほぼ不可能なのです。

お腹一杯になることを覚悟しなければなりません。嬉しいサービスではありますが。

最後にひとつ。

このお店は、飲み物がセルフサービスになっているのですが、水と麦茶の他に、レモンティーが用意されています。つまり、飲み放題なのです。これは嬉しいですよね。

このレモンティーは美味しいと評判になり、紙パック飲料として、製品化されています。一個人の大衆食堂の飲み物が市販されるのは珍しく、それだけ地元民に愛されている証拠だと言えます。

本当に素晴らしいお店です。食堂のお手本のようです。お客さまを飽きさせず、お客さまのお腹を一杯にする。これが、このお店の心なのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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