中国や北朝鮮ではない。日本に経済資源リスクをもたらす「真犯人」

 

さて、その「経済」ですが、それは安泰なのでしょうか。

そこで日本のリスクのうちで経済に関するリスクを考えてみましょう。

まず、日本は、約150年前まで(本当はもう少し前に開国していますが)鎖国をしていました。

江戸時代の鎖国は、完全な鎖国ではなく、オランダと韓国と中国(清)とのみ貿易はしていましたし、またその海の部分を長崎に限るというようなことをしていました。

今から考えれば、後に林子平が「海国兵談」で語りますが、海はどの国ともつながっているので、そのようなことを行っても意味がないのですが、しかし、江戸幕府はそのようなことを決めていたのです。

当然、そのようなことで海を守れるはずがありません。

そのことからペリーが来て、開国することになります。

鎖国の利点は、外国の文化などが入らないので、独自の文化の醸成ができることと、外国と組んで政権を転覆することや余計な思想が入らないことであると思います。

もちろんそのこと以外にも様々なことがあるのですが、しかし、それ以外の事といっても、鎖国を決める人々の感覚はそのようになるのではないかと思います。

それに対して鎖国のデメリットは、もちろん情報や文化の寸断ということでしょう。

当然、そのことによって文化が遅れ、後進国になってしまうということになるのです。

日本は、そのことから「文明開化」をおこない、そしてかなり急速に発展を遂げたのですが、そのことから資源戦争に敗れ、最終的には植民地戦争に巻き込まれるということになります。

さて、日本は資源のない国なのでしょうか。

実際に石油は新潟の一部で産出されるだけであるとされています。

しかし、「銅」「石炭」などは、基本的には日本の様々なところで採れますし、また天然ガスも非常に多く採取されます。

温泉があるということは、当然、温泉と思に天然ガス(メタンガス)が出てきますので、そのガスを有効利用をすればよいということになるのです。

実際に、以前千葉県や東京の渋谷で、天然ガスが施設に充満し、ガスの爆発事件が起きています。

東京の渋谷の真ん中でそのような事故が起きたということが、意外のように思うかもしれませんが、関東ローム層の下には植物腐食泉があり、渋谷は古くから「鉱泉」が出ることで有名でしたから、当然にそのようなガスなども出てきたと思います。

沖縄などの一部ではそのガスを集めて、資源化しているのですが、残念ながら、日本全体にはそれができているという状況ではないのです。

これは「コストが合わない」ということからであり、資源化が難しいということよりも「商用になりにくい」ということが大きな問題になっているということになります。

つまり「国家の資源」ということを全く考えない、「経済の身勝手」が大きな問題のひとつ目になっています。

そのうえで「資源は買えば入ってくる」という認識でしょう。

つまり、「相手国との関係」「シーレーンの防衛」など全く考えていないということが、もう一つの問題になります。

日本において「シーレーン防衛」などといって、本来であれば、経済界が最も真剣に考えなければならない状況であるはずなのに、日本の経済界は自分の事ではないと思っているというのが最も違和感を感じるところです。

日本の場合、多くが中東、それもアラビア半島周辺から石油の90%近くが輸入されています。

まずはこのことをすぐに答えられる人がどれくらいいるのでしょうか。

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