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そろそろ変わろう。日本が“強い人間”を作らねばいけない6つの理由

今の世界情勢は聞けば聞くほどに不安を煽られるものが多いですよね。そんな時だからこそ、人類を幸せにするにはどうすべきかを考えるのが大切だと語るのは、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さん。今回のメルマガ『j-fashion journal』で坂口さんは、 今の世界、地球の環境や政治などを踏まえて日本が変わらなければいけない部分を指摘しています。

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お金持ちの利権が優先される?人類を幸せにする政治とは何か

1.不安を煽って支配を強めている?

疫病も戦争も通貨危機もバブル崩壊も大変なことです。大変なことがあると、他のことは考えなくなります。たとえば、「人類を幸せにするにはどうすればいいのか」という問題。

そんなぬるいことを考えるより、今はコロナ禍について考えるべきだろう。あるいは、ウクライナの人々が苦しんでいるのに、何をお花畑なことを言っているんだと批判されます。

しかし、疫病がなくなること、戦争がなくなること、通貨や経済が安定すること。それは幸せなことではなく、普通のことです。疫病も戦争も人類を不幸にするマイナスのイベントです。

人は不安になると、思考停止となり、誰かに依存しようとします。「強いリーダーに従おう」「長いものに巻かれよう」と考えます。だから、支配する側の人間は、不安を煽り立てるのです。政治家が自分の選挙のために、不安を煽るのは珍しくありません。

戦争は自然に起きるのではなく、誰かが戦争を仕掛けるから起きるのです。疫病が生物兵器だと言うと陰謀論になりますが、そういう説を主張する専門家も存在します。

人類の幸せとは何か、という問いかけを防止するために、不安を煽る。そうだとすれば、今こそ、人類の幸せとは何かを考えなければいけないのではないか。そこから何かが見えるのではないか、と思うのです。

2.お金と欲望が環境破壊を生み出す

環境問題、食料問題は、人類にとって解決しなければならない重要な課題です。

そもそもどうして環境問題は発生したのでしょうか。現在では、二酸化炭素の排出が最大の課題とされていますが、その他にも、大気汚染、水質汚染、砂漠化、海洋ゴミ等の問題が山積しています。

二酸化炭素の排出が増えたのは、化石燃料の使用が増えたからです。(あるいは、二酸化炭素を吸収する植物が減少しているのかもしれません)

化石燃料が増えたのは、産業革命以降の大量生産大量販売による爆発的な経済発展によるものです。産業革命以前は地域ごとに自給自足的な経済活動で完結していたのですから、必要以上に大量生産する必要はなかったはずです。

過剰な生産、過剰な消費をリードしたのは、お金です。自給自足的な農村や漁村の生活には多くのお金は必要ありません。

しかし、家電製品が大量生産されると、家電製品が欲しくなります。お金を稼ぐには、都会で会社勤めをするのが最も効率が良い。そのためには、教育も必要になります。そこにもお金が掛かる。

都会の生活には、欲望をかき立てるモノやコトであふれています。ファッションやエンターテイメントも欲望ビジネスです。

農業も自給自足のための食料生産ではなく、お金に変わる商品作物の生産が主体になりました。その動きは、グローバリズムにより世界に拡大しました。綿花やコーヒー、小麦、とうもろこし等の商品作物の大規模農場が増えるにつれ,森林は伐採され、焼き払われました。自給自足経済はお金の力で破壊され、環境破壊を招いたのです。

自然が持つ土地の力以上の農産物を収穫しようとすれば、大量の化学肥料や農薬が必要になります。それらもお金がなければ買えませんし、土壌汚染、環境破壊にもつながります。

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商品作物ではなく、自給自足型の作物栽培に転換すれば、多分世界から飢餓はなくなるでしょう。世界の人口を支える食料生産は可能です。しかし、適正に配分する仕組みがないのです。

 

3.計画経済で幸せになれるか?

環境問題、食料問題を解決するには、全体の需要と供給をコントロールする必要があります。

それを独裁的に行おうとしたのが共産主義です。もう一方で、市場原理によって自動的に需給バランスをコントロールしようとしたのが資本主義です。

もし、共産主義国家が特権階級を作らず、真の平等を達成できるのなら、人類は幸せになるかもしれません。しかし、現実は、資本主義以上に特権階級が富を独占し、経済格差を生み出し、国民の自由を奪い、戦争や侵略を行っています。

全体を人為的にコントロールするには、権力が必要です。そして、権力を得ると、更なる支配欲、独占欲等の欲望が発生します。

全く競争がない社会は、創意工夫や向上心がなくなり、停滞します。適度な欲望、適度な競争は社会に活力をもたらします。

資本主義も問題を抱えています。お金を追求する余り、モノの流通で使う実体経済より、株や先物商品や債権等の市場に流れる資産経済が肥大してしまいました。そして、市場が大量の貨幣を必要とするようになり、金本位制が崩れ、お金の供給に制約がなくなりました。そのため、あらゆる金融市場は必ずバブル化してしまいます。そして、膨らみすぎたバブルは必ず破裂します。バブル崩壊の度に、人々の不幸は拡散されるのです。

4.独裁政治と民主政治

独裁政治の反対が民主政治です。米国大統領リンカーンはゲティスバーグ演説で民主政治の原則として「人民の人民による人民のための政治」と言いました。

そのための仕組みが選挙です。人民が選挙で議員を選ぶ。でも、その議員が悪者だったらどうでしょう。それを防ぐために、マスコミやジャーナリストが存在しています。

選挙で不正があったり、マスコミが情報を隠蔽したり、フェイクニュースを流したのでは公正な選挙ができません。

また、企業や組合が候補者を選ぶ場合も、民主的な方法で行うことが必要です。ここで独裁的な運営がなされたのでは、民主主義の中に独裁主義が潜むことになってしまいます。

人類が幸せになるには、貧富の差を拡大しないことです。日本国憲法にも「全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。

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昭和の時代は「一億総中流社会」と言われましたが、グローバル経営が提唱され、株主優遇の経営となり、企業の利益は株主の配当に優先的に支払われ、社員の給料は上がらなくなりました。そして、非正規雇用も増えたのです。そのための法律を整備したのは、日本政府ですから、日本政府は結果的に国民生活より外国人投資家の利益を優遇したことになります。

5.お金持ちの利権が優先される?

なぜ、政府やマスコミは日本国民の利益より、外国の利益、外国投資家の利益、外国企業の利益を優先するのでしょうか。

その理由の一つが「利権」です。外国政府、外国企業には秘密の工作資金があり、そこから報酬を得たり、名誉が得られたり、天下り先が確保されたりすることがあるらしい。国家として一千億の利益を得られるなら、個人に一億支払っても安いものです。意志決定権を持っている偉い人を買収すればいいのですから。

残念ながら、国民生活の向上のために政治家や官僚が働いても給料は増えません。そもそもそれが正規の仕事ですから。

勿論、政治家や官僚が悪いことをするはずがない。日本人のために働いているに違いない。企業も同様です。日本企業の経営者が自社の利益だけを追求して、日本経済に打撃を与えるようなことをするはずがない。企業秘密を海外に漏洩するはずがない。そう信じたいのです。

しかし、米国のワクチンや治療薬はすぐに認可されるのに、日本製の治療薬は認可に時間がかかります。あるいは、効果があるとされている治療薬も認可されずに塩漬けにされていることもあります。その理由は不明です。

なぜ、グローバルな製薬会社が優遇されるのか。例え、グローバル製薬会社が大学の研究機関に多大な寄付をしたとしても、あるいは担当の官僚に天下り先の国際機関を紹介したとしても、そんなことに関係なく国益を優先すべきでしょう。

国連に中国が多大な資金援助をしたとしても、国連は正義を守らなければなりません。しかし、新型コロナウイルスの発生に関する調査は進んでいないのです。

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正義は金に負けたのでしょうか。そうだとすれば、お金持ちだけの幸せが優先され、人類の幸せは後回しにされているということになります。

6.人類を幸せにする政治とは?

もし、人類の幸せにする政治家がいたとしたら、その人はお金より正義を優先する人です。政治は自分の利益のための仕事ではなく、人類の幸せのための仕事であることを理解している人です。つまり、お金を第一に考えない人です。

世界はそれほど紳士的ではありません。強い者が領土を拡大するのは当たり前、強者が弱者の所有物を奪うのが当たり前という指導者もいます。そういう力が全てと考える人は、人類を不幸にします。

無法者と対峙するには、国家も国民も強くなければなりません。国家を防衛するためにはある程度の戦力が必要だし、自分の身を守るには精神的な強さと護身術のような身体的な強さを身に付けておいた方が良いでしょう。

なぜ、教育機関は強い人間を育てないのか。それは、戦後の進駐軍の政策だと思います。日本が二度と戦争を起こさないように、精神的にも肉体的にも弱体化しようとしました。むしろ、それが教育の目的となったのです。でも、戦後77年も経ったのですから、そろそろ方針転換しても良いでしょう。

人類の幸せのためには、各個人が強くなることです。そして、利己主義より利他主義が尊いという信念を持つことです。

個人が幸せを追求するなら、グローバルよりもローカルを大切にすべきでしょう。自分の住んでいる地域を愛し、地域の経済を自立させる。それこそ持続可能社会です。

グローバリズムを推進する政治や制度は、人類を幸せにしないことが次第に明らかになってきました。グローバル社会が成立するには、公正なルールが共有されなければなりません。他国をいきなり侵略するような国とグローバルな関係は築けないのです。

幸せとは心のありようです。国家のアイデンティティ、個人のアイデンティティを確立し、強い心と持ち、誇りを失わないこと。必要以上の欲望を持たないこと。利己的な幸せを追求するだけでなく、人類全体の幸せを考えること。そして家族を愛することは勿論、愛する人を見つけて家族を育むことも大切です。愛は循環し、構成に伝えていかなければなりません。

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さて、ここで現在の政治や制度について考えてみましょう。根本のところで、とても重要なことが無視されてはいないでしょうか。

■編集後記「締めの都々逸」

「金もいらなきゃ 名誉もいらぬ 幸せだけが 欲しいのさ」

日本人は真面目なので、仕事がうまくいかないと、自分の努力が足りないと考える人が多い。でも、努力しても、会社は潰れます。適当に仕事を流しているだけでも、儲かることもあります。

たとえば、プラザ合意により、突然ドル安円高になったことがありました。米国はルールを変えたのです。

日本のスキージャンプがメダルを独占していたら、いきなりルールが変わったことがありました。

日本人はルールを変えようとは思わない。与えられたルールで勝負しようとする。でも、世界にはルールを変えることを選ぶ人もいるのです。国際ルールを変えたいなら、国際機関をコントロールすればいい。支援金を出したり、幹部を買収して、ルールを変えてもらう。

なぜ、中国は国連を資金を提供し、主要なポストを押えているのか。それは自国に都合に合わせてルールを変えるためです。

昔の日本代表サッカーチームは反則をしなかった。でも、トルシェ監督が教えてくれたンですね。見えないところなら反則してもいい。皆そうしているんだから。そこから、日本チームは強くなりました。

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そろそろルールを変えることを考えましょう。リーダーシップとはそういうことです。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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