ほらを吹いたら厳重処罰。北朝鮮「ほら吹き防止法」の中身とは?

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法条項には守らなければならないことと禁止されるべき内容がかなり具体的に明示されている。産業全般において比重をもって推進される再資源(資源リサイクル)化に関しては「製品の質を無視したり検査を受けていない製品・不合格品・保管期日が過ぎた製品・偽商品または不良商品を生産・供給・販売・奉仕し国の経済発展に支障をきたす行為」は禁止される。また、許可されていない計量計測手段を使用したり、計測器具の目盛りや量を直したり、間違っていることを知りながら使用することも処罰の対象となる。

検病と検診、消毒薬の生産と消毒事業、国境と地上・海上・公衆封鎖など非常防疫規定と秩序を厳格に遵守し、非常防疫計画の実行形態を虚偽で報告する行為も厳格に禁止される。

民事軍事訓練を形式的に執行したり賄賂を受け取って訓練対象を訓練から除外したりする場合、かつ生産文化や生活文化を確立するための事業を「付け焼き刃式」・「目隠し式」でやったりするような虚偽行為も全面禁止される。

ほら吹き(虚偽)行為の他にもこれを「暗示、黙認、助長」する行為まで法的制裁を加えられるようにした。また、同法に違反した場合、資格停止、資格降級および剥奪、没収、無報酬労働、労働教育、解任、撤職(職を解任される)などの処罰を受ける。

韓国の国家情報院は9月28日、国会情報委員会全体会議で「北朝鮮が農作業を進行する過程で虚偽報告が多かったと見られる」とし「『ほら吹き防止法』を通じて収穫量虚偽報告を根絶するという強い立場を最近明らかにしたもの」と明らかにしていた。

また、国情院発表と同じ日、北朝鮮労働党機関紙労働新聞も「ほら吹き防止法」の制定を示唆し、「国民は皆、ほら吹きが党と人民をだまして党政策執行に挑戦する行為になるということを深く肝に銘じなければならない」とし、強力な法適用を示唆した。

ただ、同法は社会の全般的な分野を扱っているにもかかわらず、住民を取り締まるよりは党と内閣の幹部を取り締まるために制定されたものと見られる。これは金正恩が、特に幹部の「業務においての態度の変化」に神経を尖らせ懸命に取り締まっていることと関連がある模様だ。

 

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