新型コロナウイルスの影響で危機に陥った多くの企業が利用してきた「コロナ融資」ですが、それを返済できずに困っているケースが見られるようになりました。今回は、メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんが、借りすぎによる不安を抱える事業主さんに対して安心の「救済策」を提案しています。
この記事の著者・吉田猫次郎さんのメルマガ
「コロナ融資が返せない…」でも大丈夫!
まあ誰もが予想していた事だと思いますが、この3年間、売上がいくら落ちてもコロナ融資を受けることができたので、その結果として「借り過ぎ」に陥っている会社がものすごく沢山あります。
「コロナ前は年間売上高8,000万円に対して、借入金が4,000万円でした。しかし現在は、コロナで売上が4,000万円に落ちて、借入金は8,000万円に。年商の半分だった借入金が、年商の2倍になってしまいました…」
と、こんなケースも珍しくありません。
そして最近は、返済の据え置き期間もそろそろ終わりに近づき、ちゃんとした返済をしなければなりません。「もうダメだ。とても返せない。破産するしかない…」と思い詰めている経営者さんも、非常に増えていると感じます。
でも大丈夫です。心配いりません。明日には明日の風が吹く。5年先、10年先まで固定的に考えてはいけません。変動的に、そして多少、楽観的に(ゆるく)考えるべきです。
目の前に迫っている返済については、さしあたって、救済策があります。
例えば、
1.据置期間の延長
これは2021年から既に存在していました。融資の種類によっては現在も延長可能なものがありますので、借入先金融機関に相談してみましょう。据置延長の扱いならば、リスケとは違い、面倒な交渉や手続きは必要なく、信用にも傷つきません。
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2.ゼロゼロ融資の借換保証制度
最近発表されたものです。1月10日から運用開始。
● 民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)を開始します(中小企業庁)
3.リスケ
いわゆる返済猶予とか条件変更とか呼ばれる、昔からあるものです。このメルマガの読者さんならお馴染みでしょう。据置延長もゼロゼロ借換もダメなら、次の手段はやはりリスケでしょう。
一例としては、1年間、元金の返済をSTOPさせてもらい、その間、利息の支払いのみを行う。これならば事故扱いになりません。かろうじて信用は保たれ、リスケを卒業すればすぐに信用回復します。1年後も資金繰りがきつければ、リスケをもう1年延長することも可能です。こうして何年も延長し続けて「延命」している会社も沢山あります。良いかどうかは別として。
他にもまだまだあります。リスケでも追いつかなければ代位弁済。プロパー借入なら債権譲渡。担保つきなら任意売却。これらを駆使して、毎月の返済を減らしたり、場合によっては元金を減らしたり、担保不動産をあの手この手で守ったりすることも可能です。これらもまた、私たちはコロナよりずっと前からやってきました。
だから大丈夫です。「コロナ融資」や「借り過ぎ」を、あまり特別な事だと思わないようにしましょう。同じような境遇の人は実にたくさんいます。それでも皆さん、しぶとく生き残っているのですから。
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