転職することが当たり前となった昨今ですが、転職後に「前のほうがよかった」と考える人も少なくないようです。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者、石川和男さんが紹介するのは、後悔しない転職をするための「2つの基準」について。一体どのような基準なのでしょうか?
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
良い転職と悪い転職。後悔しないために絶対に気をつけたい「2つの基準」
新年を迎え、仕事モードに身体がなかなか切り替わらず、メールチェックや挨拶回り、実務に身が入っていない方はいませんか?
そんなとき、考えるのが「このままここの会社にいていいのかな?」ということ。
統計では、求人サイトの応募数が増えるのは、2、3月がもっとも多く、転職を考えはじめるのは1月からなのだそうです。
いまは、転職が当たり前の時代。
20代後半から40代では、むしろ一度も転職をしたことがない人のほうが少ないのではないでしょうか。私自身もこれまで4回転職をしています。
しかし、良い転職と悪い転職があります。
場合によっては、転職してから「結局最初に入った会社が、1番良かった」と、後悔する人も少なくありません。実際、転職を繰り返している人へのアンケートでは、大多数の方が「最初に入社した会社が1番良かった」と答えたという結果が出ています。
そこで、まずは、「どういう基準で転職をすべきか」を考える必要があります。
覚えておいてほしいのは、心身を壊しかねない職場からはすぐに逃げようということです。残念ながら、パワハラ、モラハラ、セクハラが根付いている会社が、まだあります。そういった会社で働いていると、心身が疲弊し、うつ病になったり、体を壊したりします。
そうなってからでは遅いのです。今は、どんな会社でも安心はできません。
心や身体を壊す会社なら、即退職と心に刻んでから、以下をお読みください。
ちょっとした理不尽や人間関係の不安ならどうか。私は、そのような場合、安易に転職するのも考えものだと思っています。
会社には多かれ少なかれ、理不尽なことがあり、不満を抱えざる得ないことがあるものです。
そうした不満を解消しようと、転職を繰り返しても、次の会社でも不満が生まれ、いつまでも理想の会社を追い求めることになってしまいます。
では、どのくらい理不尽や不満を我慢すべきか。この許容範囲は個人差があります。ストレス耐性も人によって違うので、一言では言えません。
多少きつくてもいいから、給料が高いところがいい人もいれば、給料が安くてもいいから、とにかく人間関係が良いところで働きたいと思う人もいます。この判断基準は、年齢によっても変わります。
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転職すべきかどうかを決める2つの基準
1.労働時間以外も拘束されるか
会社員であれば、勤務時間が定められています。極端なことを言えば、その時間内がハードワークでも、仕事の一環だと思えば問題ありません。ただし、
・夜中にも上司から連絡が来る
・土日に仕事のスケジュールを入れられる
・有給休暇が取得できない
など、明らかにプライベートの時間まで仕事に侵食してくる場合は、やめることを検討するほうが良いでしょう。
2.人格を否定されているか
会社であれば、仕事の進め方や判断について、あれこれ言われるものです。ミスをしたり、不手際があったりすれば、注意されたり怒 られたりするのも当然です。そのとき人格否定をしてくる人がいる環境であれば、止める判断を下してもいいでしょう。
・「お前は頭が悪い」「馬鹿だ」などの能力否定
・「親の教育が悪い」「育ちが悪い」など家庭環境の否定
・「〇〇出身だから」「〇〇人だから」など出自についての否定
・「女だから」「ゆとり世代だから」など性別や年齢で否定される
といったものが、該当します。
私もかつて上司から「お前の頭は鳥以下か」「何も考えてないから太っているんだ」などと言われ、辞める決心をしたことがあります。
一方、「その行動は責任感にかけている」「それは見積もりが甘い」「もっとこまめに報告しなさい」など、その人の行動を注意するものであれば、適切な指摘です。仕事に必要なことができていなければ、転職しても、同じように指導されます。この場合は、自分の成長のために叱られていると考え、会社に残るべきです。
転職は、今の会社の何に不満を感じているのかを自分自身で深掘りし、ポジティブな転職なのかネガティブな転職なのかを理解して進めていきましょう。
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