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山本五十六、徳川家康、稲盛和夫…タイプの違う3人が遺した「リーダーシップのヒント」

山本五十六、徳川家康、稲盛和夫。日本人のビジネスマンなら知らない人はいないと思われるほどの有名人ですが、彼らはリーダーとしてどんな言葉を遺したのでしょうか? 今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、経営コンサルタントの梅本泰則さんが、彼らが遺した言葉の中からリーダーシップに必要なヒントを拾い上げています。

山本五十六、徳川家康、稲盛和夫。3人のリーダーが遺した言葉

1.山本五十六の言葉

リーダーシップに必要なことは何でしょう。

世間には、いろいろなタイプのリーダーがいます。厳しいリーダー、やさしいリーダー、面倒見のいいリーダー、口やかましいリーダー、背中で引っ張るリーダー。いろいろですね。

あなたは、どんなタイプのリーダーでしょう。そして、どんなリーダーが結果を出せるのでしょうか。

そこで、3人のリーダーの言葉を拾ってみます。

最初は第二次世界大戦の海軍大将、山本五十六元帥の言葉です。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ

有名な言葉ですね。

リーダーは、率先垂範が大事だと言っています。そして、部下を「動かす」ためには、「ほめる」行為が必要だということです。ただ命令指示するだけでは、組織は動いてくれません。そのためには、リーダー自らが動く必要があると言っているのでしょう。

軍隊という厳しい組織の中でさえ、部下を動かすのは難しいのですから、そうでない組織ではなおさらです。そして、この言葉の続きがあります。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず

さすがですね。

山本元帥は、リーダーとして人を動かすことだけを意識していたわけではありません。「人を育てる」ことが、リーダーの役目だと思っていました。そのためには、部下とよく話したり、部下の意見もよく聞き、認めてやりながら仕事を任せれば、人は育つと言っています。

どれも簡単なことではありません。部下を育てることに思いを向けていたというのは、実に立派なリーダーです。さらに、「人を実らす」こともリーダーの仕事だと言っています。そのキーワードは、「感謝」と「信頼」。部下に対して、ここまでの思いを持って接しているリーダーはどれくらいいるのでしょうか。

2.徳川家康の言葉

次に紹介するのは、徳川家康の言葉です。NHK大河ドラマにもなっていることで、取り上げてみました。

徳川家康は、リーダーについて、こんなことを言っています。

大将というものはな、家臣から敬われているようで、たえず落ち度を探されており、恐れられているようで侮られ、親しまれているようで疎んじられ、好かれているようで憎まれているものよ

面白い言葉ですね。

リーダーは、部下から尊敬されたいのが本音でしょう。嫌われたくもないでしょう。しかし、家康は、リーダーはそんな気持ちを持ってはいけないと言っています。

尊敬されたいとか、好かれたいという気持ちが、リーダーとしての隙を作ると考えていたのかもしれません。

確かに、部下に嫌われることを気にしないで引っ張っていくリーダーの方が、うまく行っている気がします。ましてや、部下から尊敬を集めるには、周りから大きな評価を貰ったり、部下に認められるような行為が必要かもしれません。

そのことが、かえって軽蔑されることにつながることだってあります。ですから、部下から敬われることなんぞに気をつかってはいけないと家康は諭しているのでしょう。いやあ、さすがに家康の言葉は真理をついています。

そして、この言葉の続きです。

だから大将というのは勉強しなければならないし礼儀をわきまえなければならない。家来を禄でつないでも、機嫌をとっても、遠ざけても近づけても、怒らせても油断させてもならず

家康は、実にバランス感覚に優れたリーダーです。しかも、「勉強せよ」と言っています。「礼儀正しくせよ」とも。この言葉からだけでも、天下を治めることのできるリーダーであったことが分かります。

3.稲盛和夫氏の言葉

最後にご紹介するのは、京セラ創業者稲盛和夫氏の言葉です。稲盛氏は、多くの言葉を残されています。今回は、『心を高める、経営を伸ばす』(PHP文庫)からリーダーシップに関する言葉を4つ選んでみました。

1つ目の言葉です。

無私の心を持っているリーダーならば、部下はついていく

リーダーは私利私欲に動いてはならない、ということですね。そして、「自分の集団のためにというような大義に、自らの座標軸を置くべきである」と言います。いかにも稲盛氏らしい言葉です。

2つ目の言葉をご紹介します。

物的な条件は不十分でも、リーダーの夢を部下に一生懸命話し、自分と同じくらいのレベルまで部下の士気を高めることができれば、仕事は成功する。これはリーダーが持っている情熱、エネルギーを部下に注入することだ

リーダーには、ほとばしる情熱とエネルギーが必要だということですね。それでこそリーダーの役目が果たせるし、部下も成長し、仕事の結果も付いてきます。

3つ目の言葉です。

リーダーが判断をするということは、問題を自分の中の“ものさし”と照らし合せて決めるということだ。そのためには、ものさしとなるべき哲学をもたねばならない。哲学とは、公正、正義、誠実といった、人間としての道理に基づいた考え方のことである

哲学を持ったリーダーには、なかなかお目にかかれません。優れたリーダーになるのは、難しいものですね、

4つ目の言葉を紹介します。

部下を登用するには、人物評価が出来なければならない。しかし、何よりもリーダー自身に部下を評価するだけの素晴らしい人間性と、それに裏打ちされた卓越した能力が備わっていなければならない

リーダーには、哲学だけでなく、素晴らしい人間性が必要だということです。うーん、ますますハードルが高くなりました。

いかがでしょうか。ご紹介した3人の言葉。リーダーシップを高めるのは、本当に大変です。それでも、あなたはリーダーです。精一杯、頑張りましょう。

■今日のツボ■

・部下を育て、実らすのがリーダーの役目である
・リーダーは、部下から尊敬されたいと思わないことである
・リーダーには、情熱、哲学、高い人間性が求められる

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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