東部ドネツク州を始め各地で激戦が続くウクライナ戦争。プーチン大統領は3月末までの東部完全制圧を軍部に命じていましたが、敢え無く失敗と終わりました。その原因を取り上げているのは、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。北野さんは無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で今回、ロシア軍の東部制圧を阻んだ「情けない理由」を紹介するとともに、当紛争のこれまでの戦況と今後の注目点を解説しています。
ロシア―ウクライナ戦争現在の戦局は?????
今回は、久しぶりに「ロシア―ウクライナ戦争の戦局」について書いていきます。
今年に入ってからの流れを。
1月11日、プーチンは、ロシア軍のトップ・ゲラシモフ参謀総長を、ウクライナ特別軍事作戦の総司令官に任命しました。ゲラシモフは、ロシアのハイブリッド戦略を考案した、世界的に有名な戦略家です。
プーチンは、「3月中に、ルガンスク州、ドネツク州を完全制圧するように」と、ゲラシモフに指示しました。ロシア軍は、攻勢をかけますが、ドネツク州の要所バフムトを落とすことができませんでした。ゲラシモフは、ミッションを完遂できなかったのです。
なぜ、世界的戦略家ゲラシモフは、大攻勢に失敗したのでしょうか?
「なさけない理由」だったようです。
「BBC NEWS JAPAN」3月6日を見てみましょう。
イギリス国防省は5日、ウクライナ侵攻を続けるロシアの予備役が、弾薬不足のために「シャベル」を使って「接近戦」を行っている可能性が高いとの見方を示した。
英国防省の最新のアップデートによると、ロシアの予備役が2月下旬、「『銃器とシャベル』のみで武装して」ウクライナの陣地を攻撃するよう命じられたと述べたという
冷酷だった習近平
ロシアは、武器弾薬が足りない。ゲラシモフがいくら優秀でも、どうしようもありません。
そこでプーチンは、どうしたか?
3月20日から22日まで、習近平がモスクワにいました。プーチン、たった一つの願いは、「習近平、武器をくれ~~~~~!!!!!!!!」ということだったのです。
ところが習近平。武器をロシアに供与したら、欧米から制裁を科されるでしょう。それで、プーチンの願いを拒否したのです。









