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なぜ流出したのか。韓鶴子統一教会総裁「岸田を呼べ」発言の真意

旧統一教会の韓鶴子総裁が、一国の首相を「岸田」と呼び捨てにした音声が流出し、大きな話題となっています。なぜこのタイミングで総裁の発言が表に出てきたのでしょうか。。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、本来は教団内部でのみ共有されるべき内容が流出「された」理由を考察。さらに総裁の言葉を耳にした日本の信者たちの、今後の行動に対する率直な感情を記しています。

なぜ、韓鶴子総裁によって今「賠償すべき」「滅びるしかない」「岸田をここに呼びつけて」の発言がなされたのか

安倍元首相銃撃事件から2023年7月8日で1年を迎えました。

今月のトピックスはなんといっても、旧統一教会のトップである韓鶴子総裁が幹部らに向けて話したあの言葉です。なぜ、安倍元首相が亡くなって一周忌を迎えようとするこの時期に、この発言をしたのか。波紋は大きくなるばかりです。

1.「賠償すべき」「滅びるしかない」「岸田をここに呼びつけて」の韓鶴子総裁の発言は、大きな波紋に

6月末の幹部信者らの前で韓鶴子総裁は「日本は第二次世界大戦の戦犯国。ならば賠償すべきでしょう」「岸田をここに呼びつけて、教育を受けさせなさい」と話して、日本国内でも報道されました。

教義では、この世の中はサタン(悪魔)に奪われてしまった、サタン人間が住む世界と教えられています。今、このメルマガを読んでいる皆さんも、彼らの目からは、サタン(悪魔)にみえています。

それゆえに、信者らは教団の思想によって、私たちを救わなければならないと本気で思っています。

元信者の立場からいえば、韓鶴子総裁の発言は、自分たち(神の側)の意向に沿わない者たちを下にみてのごく自然な発言ともいえます。

では、何が問題なのでしょうか。

本来、こうした言葉は、内部の信者向けだけに語られて、門外不出なもののはずです。

近年、文鮮明教祖の御言(みことば)選集がネット上に出てきて、文鮮明教祖の指示通りに信者らが関連団体を通じて、政治を動かそうとしていた実態が知られるようになりましたが、本来は、内部でのみで共有されるべき内容なのです。

それが、韓鶴子総裁を通じて、一気に表に出てきました。旧統一教会の問題が注目されているから、ということもありますが、ここには日本の信者の退路を断たせる狙いもあるとみています。

教団トップが日本政府をサタン視して、日本の全信者及び教団の関連団体に、徹底的に抗(あらが)いなさいと命じているように聞こえてきてならないのです。

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2.発破(はっぱ)をかけざるをえない状況になったのか。

それは教団が日本の政府、そして世論にかなり追い詰められて、発破をかけざるをえない状況になったともみることもできます。

「私を“独生女”(救世主)だと理解できない罪は許されないといったのに、その道に向かっている日本の政治はどうなると思う」と尋ねられて、信者らは「滅びます」と答えています。そして韓鶴子総裁も「滅びるしかないわね」と語ったとされる発言は、国対ヒアリングのなかでも取り上げられて「解散命令請求の加速につがるものではないか」との質問も文化庁にありました。

その際、鈴木エイト氏は「『滅びます』といっている幹部信者の中に田中富廣会長も入っています」と合いの手を入れてくれましたが、会長を中心とする国内信者らがこの言葉を受けて、今後どう行動するかに注目が集まっています。

独生女(救世主)である韓鶴子総裁の言葉は、神様の言葉です。これを国内信者らが否定することはできません。その言葉通りに行動することになると思われます。

そうしなければ、サタン世界に迎合した、不信仰者のレッテルを貼られるからです。

「岸田をここに呼びつけて、教育を受けさせなさい」「賠償すべき」という、神様の代身者として、地上にこられているメシヤの言葉を実行に移すために、政治家への積極的なアプローチや、日本のお金を韓国に送る動きなどが、加速しないかを非常に心配しています。

3.人と金をタダで出しくれるところがあれば、怪しいと思え

これまで自民党をはじめとする多くの国会議員は、教団の本質を見抜けずに、信者らで構成された教団の関連団体と付き合い、選挙応援を受けていました。

この旧統一教会問題が取り上げられはじめた頃に「何が問題かわからない」と発言した政治家もいましたが、今では、その問題性がよくわかると思います。

先日、自民党のある市議会議員と話す機会がありましたが「(選挙の時に)人と金をタダで出しくれるところがあれば、怪しいと思わなければいけない!」と教団との関係をもっていた某国会議員について話をするなかで、厳しく指摘していましたが、まさにその通りです。こうした見識を持つ方がいることを知り、安堵しました。

悪質商法でも、タダでモノをあげて、相手の心をつかんだところで、高額契約をさせようとするのは常とう手段です。教団も似たような手を使います。

過去に、この手口にひかかってしまった国会議員は、教団による二次被害に遭わないためにも、しっかりと詐欺や悪質商法の手口を学ぶ必要があるかもしれません――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2023年7月14日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Unification Church Hungary, CC0 1.0, via Wikimedia Commons

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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【著者】 多田文明 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 14日・28日

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