韓国を代表する企業として名が知れ渡るサムソンとLG。それぞれ元は「三星」「金星」と称していましたが、なぜ両社ともに社名に「星」が入っているのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、現地紙に掲載された大学教授の寄稿文を翻訳する形で紹介。そこに記されていたのは、「なるほど納得」なその理由でした。
社名に「星」が入った会社
全国的に大雨が降った7月14日午前4時にソウルから車を走らせた。ナビゲーションで「湖岩イ・ビョンチョル生家」を訪れた。南江(ナムガン)釜岩(ソッパウィ=釜のような形になっている岩)20里の中に大韓民国の国富(国を代表する金持ち)が出てきた名堂(運勢の強い場所)があるという噂を聞いて久しい。高速道路の雨水が水しぶきを上げるたびに車が揺れた。緊張して6時間運転したのは初めてだった。到着予定時間をはるかに超えて午前10時にイ・ビョンチョルの生家に到着した。管理人が門を開けてくれた。イ・ビョンチョルは言わずと知れた三星の創業者である。湖岩(ホアム)はイ・ビョンチョルの号である。
雨が降ったせいか、庭と生家の周辺がさらに青くきれいに見えた。この日、三星(サムソン)から金星(クムソン、LGとGSの前身)、暁星(ヒョソン)創業者の生家を見学した。踏査はイビョンチョルの生家~南江釜岩~チョ・ホンジェ生家~九人会=ホ・マンジョン生家~ジス小学校(九人会とイ・ビョンチョルが通った学校)の順にすれば効果的だ。この日、創業者らの生家踏査の中心には南江釜岩があった。「半径20里以内に国富を排出する」という伝説の岩だ。
出発前から抱いた疑問があった。「ここの創業者たちは初期の会社名になぜ皆な「星」の字を入れたのか」。サムソン・ヒョソン・金星(クムソン)などは偶然だろうか?釜岩とは何の関係があるのだろうか?
人間の福禄(幸いとか幸福の義)は天の星が主管する。人間と星は運命の双子。中国古代思想家の王充(ワンチュン)の言葉だ。「生きて死ぬことと貧富の貴賤はいずれも運命だ。空の星に百の等級がある。人は星の気を受ける時に貴賤が決まる。星座の等級によるものだ」
社名に「星」が入った理由だ。三星は三台星のこと。北斗七星の下にある3つの軍団の星の名前だ。風水古典「甘龍経」は「三台星は祖父の山になる」と言った。多くの「孫企業」を輩出するという意味だ。暁星は創業者チョ・ホンジェが好んで書いた「東方明星」、すなわち東の夜明けを照らす(暁)星に由来する。LG・GSの金星は私たちが知っている金星だ。同時に「黄金をもたらす星」という意味で付けられた。
星と釜岩とはどんな関係があるのだろうか?大金持ちは天が出す。人が天から貴重な命を受ければ、その吉兆が地に現れる。空では星で、地では山だ。地に降りてきた天の気運によって、その地に住む人の吉凶禍福が変わる。山より強くて貴重なのは珍しい岩だ。
南江の水の中で釜岩に足が3つある。天の紫微垣(しびえん)・太微垣(たいびえん)・天市垣(てんしえん)など星軍団を象徴する。これらは帝王の気を司るが、天の星が釜岩に舞い降りた。
では、なぜ平地ではなく水の真ん中なのだろうか?「山は人物を育て水は財物を増やす」というのが風水説だ。水の中に岩があって財物の流れを制御する役割をしなければならない。そのような岩を「羅星」という。中国の黄河・長江もこのような岩があるところに金持ちの町ができた。釜岩もそれと同じ道理だ。
読者が風水的に創業者の生家を観覧する道をご紹介しよう。良い気運をもらう方法でもあるだろう。
イ・ビョンチョルの生家は慶尚南道宜寧郡正谷面湖岩道にある。門に入るとサランチェ(応接間)が見える。サランチェの前に井戸がある。続いて母屋が現れる。母屋の前にも井戸がある。観光客はほとんど目を向けない。
このように家の前の正面にある井戸を風水で真応水という。水の味が甘く澄んだ香りがする。この水を飲み続けると大きな富貴を享受する。金持ちになりたいならここで祈るのもいいだろう。
イ・ビョンチョル生家の風水を読み解く上で見るべき2番目の対象は母屋を包む堆積岩絶壁だ。まるで蒸し餅や本を積み重ねたような感じ。このような岩は権力の気運を増幅させる。昇進・合格・当選を望むなら、ここに背を向けないよう気をつけるべしだ。
イ・ビョンチョル生家を見る3番目の方法は、町内の遠くから生家を眺めることだ。半月形の裏山が包んでいることが簡単に分かる。百済扶余半月城、新羅慶州半月城、高句麗平壌半月城も半月のような形になっている場所を象徴した名前だ。半月のような形には力が宿るのだろう。
良い場所を持ったとしても、時代と呼応する知恵がなければ今の世界的企業は不可能だっただろう。「山川を作るのは天だが、その山川を活用するのは人にある」(「発尾論」)という言葉のように人の仕事である。(朝鮮日報ベース ウソク大学教養学部・金斗圭(キム・ドゥギュ)教授の投稿文より。一部変更)
(無料メルマガ『キムチパワー』2023年7月27日号)
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