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カルト問題で斬る。今井絵理子ら自民女性局おフランス研修は何が大問題なのか?

多数の議員が観光旅行としか思えぬ「記念写真」をSNSにアップし、国民の大顰蹙を買った自民党女性局のフランス研修。かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんは、フランスで運用されている「反セクト法」の実情を聞き取り日本の宗教被害者を思えば、あのような写真などアップできないはずだと言います。多田さんは自身のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』で今回、その反セクト法を詳しく紹介するとともに、旧統一教会が同法の定める10の「セクトの基準」のほぼ全てに当てはまっているという事実を指摘。もし仮に女性局の面々がこの法律の実態も聞かずに観光を行なっていたとすれば、日本の将来を考えていない議員として問題視すべきとの見解を記しています。

統一教会問題は忘却か。自民女性局がパリで受けるべきだった研修

1.今井絵理子氏ら自民党女性局の人間は「反セクト法」の研修を受けたのか

7月末に今井絵理子議員ら自民党女性局らのフランス研修のなかで、エッフェル塔の前でポーズを取ったり、集合写真を撮った写真をSNS上に載せて、多くの批判の声が寄せられています。

しかし今井絵理子議員らは、同国の少子化対策や子育て支援などの視察も行って「無駄な外遊ではない」などの反論をしています。

もし「無駄な外遊でない」ならば、フランス研修の成果をしっかりと国民の前に明らかにしてほしいと思います。

カルト問題から斬ってみれば、今、日本では、旧統一教会が文化庁における解散命令の請求に向けて進み、教団トップ・韓鶴子総裁の「岸田を呼びつけて、教育させなさい」などという、日本を敵対視するような発言や、信者の親からの信仰の強制を受ける宗教2世への虐待が問題になっています。

フランスでは、いち早くカルト思想などにより違法な活動を行うなど、社会と軋轢を生じる傾向のある団体を規制する法律の制定しています。

この「反セクト法」により、救われた宗教2世もいるということです。

自民党は「旧統一教会との関係を絶つ」としており、当然、この法律の運用実態について、聞き取りや意見交換しているはずだと思いますが、いかがでしょうか。

日本はそもそもカルト思想が生まれたり、思想が輸入された場合、強烈な指導者のもとで集団化、組織化しやすいお国柄だと考えていますので、今後、日本でも反セクト法の議論は必要です。

何より、宗教2世問題の解決に向けた子供政策においても、反セクト法案から参考にすべき部分も多くあると思います。その件に向けてのどのような研修をしたのかをしっかりと聞きたいところです。

よもやとは思いますが、反セクト法の実態も聞かずに、エッフェル塔などの観光だけに行っていたら、日本の将来を何も考えていない議員として問題視すべき行動と思います。

議員はピース写真を投稿しましたが、反セクト法の運用の実情を聞き、被害を受けている宗教2世や元信者、被害者家族を思えば、ピースをする写真をアップする心境にはならないはずだと思いますが、さてその辺りはどうなのでしょうか。

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2.反セクト法のほぼすべての基準に当てはまる旧統一教会

フランスには「反セクト法」(カルト思想をもち、違法活動を行う団体などを規制する法律)があります。

この法律はほんとうによくできたもので、10個の基準が定められています。

その一つにでも当てはまれば、その団体はセクト(社会に軋轢を与える、警戒すべき団体)として取り扱われます。

今、問題になっている旧統一教会に関して、あてはまらないものを見つける方が非常に難しい状況です。

  1. 精神的な不安定化をさせる
  2. (献金などを通じて)法外な金銭要求をする
  3. 元の生活からの意図的な引き離しをさせようとする
  4. 身体に対する危害を与える
  5. 児童に対しての入信の強要
  6. 反社会的な言質(説教)を行う
  7. 公共の秩序を侵害する
  8. 多大な司法的闘争を行う
  9. 通常の経済流通経路からの逸脱する行為
  10. 公権力への浸透の企てを行う

旧統一教会は、昨年の紀藤正樹弁護士と読売テレビ、有田芳生さんと日本テレビなど、マスコミ、弁護士、ジャーナリストらに起こしたスラップ訴訟を起こしており、今月も旧統一教会の関連団体「富山県平和大使協議会」が富山市長と富山市議会に対して、2,200万円の損害賠償を求める訴えを起こしており、8番目にあげられている、司法的闘争を次々に行っています。

セクト(社会に軋轢を与える、警戒すべき団体)といえます。

6月末には、幹部向けに「岸田を、ここに呼びつけて、教育を受けさせなさい。分かってるわね」「(日本政治は)滅びるしかない」など、6番目の「反社会的な言質(説教)を行う」にあたると考えます。

2番目の「法外な金銭要求をする」や5番目の「児童に対しての入信の強要」10番目の「公権力への浸透の企てを行う」などはいうにあたわず。

一つでさえセクトとして取り扱われるのに、旧統一教会はほぼすべてが当てはまっています。

それが公益法人である宗教法人として長年、存在してきたことで、どれだけの被害を日本社会にもたらしてきたのかがわかるというものです。

毎日新聞の全国世論調査では、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)について、旧統一教会への解散命令を裁判所に請求すべきかについて「請求すべき」の回答は82%になっているということです。世間の関心は極めて高いといえます。

3.旧統一教会側は販売会社による物品被害を認めるのか

全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団が、旧統一教会に対して起こした損害請求の――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2023年8月14日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Twitter(@今井絵理子

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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【著者】 多田文明 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 14日・28日

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