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image by: Honcques Laus / CC0

“香港民主化の女神”周庭さんカナダ亡命で「あの彼氏はどこへ?」と話題。日本の“チー牛”イジりにご満悦だったアニメ好き好青年の行方は…

香港で起きた一連の大規模デモの中心的人物で「民主化の女神」と呼ばれていた周庭(アグネス・チョウ)さん(27)が、カナダに事実上「亡命」したと、自身のインスタグラムで公表した。周さんは、2020年に香港で違法な集会を煽動したとして禁錮10カ月の実刑判決を受け、翌21年に出所したあとも警察への定期的な出頭を求められるなど、政治的な活動を一切できないよう制限されていた。周さんは公表しない形で、カナダのトロントに留学の目的で出国していたが、香港に帰らない決意を固めたため公表に踏み切ったという。

デモ活動中の周庭さん(2015年)image by: Ohconfucius / CC BY-SA

公表文によると、周さんは「当初12月末に香港へ戻って警察へ出頭する予定をしていたが、香港の状況や自分の身の安全、健康などを慎重に考慮した結果、おそらく一生戻ることはないだろうと判断しました」と綴った。また「そのつもり(亡命するつもり)は最初なかった」とし、「誰か、私が国家安全保障を騙すことを考えていたと言いたいのだとしたら、それは絶対に間違った発言だ」と強調した。

image by: 周庭さんTwitter

公表文では最後に「この数年、私は恐怖からの解放がいかに貴重なものかを身をもって学んだ。 未来にはまだわからないことがたくさんあるが、わかっているのは、逮捕されるかどうかを心配する必要がなくなり、ようやく自分の言いたいこと、やりたいことができるようになるということだ」と、自由を謳歌できる喜びを語った。

image by: 周庭さんTwitter

image by: 周庭さんTwitter

そして、「自由は簡単には手に入らない。恐怖に怯える毎日の中で、私を忘れず、心配してくれ、さらに愛してくれるすべての人たちを大切にしたい。近い将来、私たちが再会し、しっかりと抱き合うことができますように」と公表文を結んだ。

image by: 周庭さんTwitter

今回の周庭さんの「亡命発表」は、日本の大手ニュースサイトや新聞各社で報じられ、香港の現状と「中国との関係」に大きな注目が集まっている。日本のネット上には「秘密警察に気をつけて」「亡命は正解だ」と、彼女を応援する声が多数あがっている。周さんは日本語が堪能で、日本のアニメや文化をリスペクトしていたこともあり、日本人の関心は非常に高いようだ。

そんな彼女とともに、日本のネットでは「そういえば、あの彼氏はどこにいった?」と話題になっている。たしかに、民主化デモで隣にいたあの“メガネの好青年”は今どうしているのだろうか?

香港デモの中心人物として活動していた香港民主化活動の元リーダー、黃之鋒(こう・しほう、ジョシュア・ウォン)さん(27)。そう、いつも周さんの隣にいた、メガネのあの好青年だ。

image by: VOA / Public domain(右:黃之鋒さん、左:周庭さん)

X(旧Twitter)の情報によると、香港の民主化運動を周さんとともに支えてきた黃さんは、現在も香港当局に拘留中だという。21年に再々逮捕された後も裁判が長引き、判決が出ていない状態だという。最悪の場合、有罪としては最高刑の「無期懲役」になる可能性も残されている。

黃さんは2020年、日本のネット上で「チー牛」(チーズ牛丼)というネットスラングで呼ばれ、そのことに周さんと黃さん本人が反応して大きな話題となった。

ここで言う「チーズ牛丼」とは、

の男性ことを指すネットスラングで、チーズ牛丼、略して「チー牛」と呼ばれることが多い。元々は某巨大ネット掲示板に投稿された、上のような特徴と、以下のようなイメージイラストが元ネタとなっている。このイラストを描いた作者のツイートを見ると、黃さんの顔によく似ていることがわかる。

MAG2 NEWSでは、黃さんが日本のネット上で「チー牛」認定されたことを以下の記事で報じた。そして、彼もまた日本文化をリスペクトしており、生粋のガノタ(ガンダムオタク)であることなども紹介。

【関連】日本から「チー牛」認定された香港民主化リーダー、器のデカさを見せつける

すると、この記事について周さんが自身のYouTubeチャンネルで、MAG2 NEWSの記事を画像つきで紹介し、黃さんが「チー牛」と呼ばれて話題になっていることを紹介したのである。

YouTube「周庭チャンネル」より。現在、この動画は「非公開」

そんな二人は2020年11月に収監。周さんは実刑判決を受けて収監されたのち出所し9月にカナダへ「亡命」、黃さんは当局に拘留中で現在も裁判が続いている。

この二人が香港の青空のもとで再び再開できる日は来るのだろうか。周さんのカナダ亡命が、その日への「新たな第一歩」となることを願うしかない。

※本記事内のツイートにつきましては、X(旧Twitter)のツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: Honcques Laus / CC0

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