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防犯カメラ導入のために高経年マンションがアンケートに使った「意外なモノ」

ひったくりや侵入窃盗事件を事前に防止できる策を講じるマンションも多いかと思います。しかし、今まで何もしていなかった高経年マンションへの導入などはスムーズにいくのでしょうか? 今回のメルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さんが、とある事例を紹介し、驚きのアンケート方法も使えることを証明しています。

高経年マンション防犯カメラの設置とQRコードアンケート

こんにちは! 廣田信子です。

機械整備(ホームセキュリティ等)の普及に伴い、侵入窃盗被害がものすごく減少しています。

数字を見てこんなに減少しているのかとちょっとびっくり。私の予想を超えていました。

2002年、33万8千件だった被害が、2019年は、5万8千件と1/6になっているのです。

全国のひったくりの認知件数も減っています。2010年には、1万5千件だった被害件数が、2019年には、1千500件まで減少し、1/10になっているのです。

これらは、警察庁の資料にも基づいています。

泥棒が犯行を思いとどまった理由で一番多いのは…

「近所の人に声を掛けられたり、ジロジロ見られたから」が、63%と、断トツで、1位です。

「ドアや窓に補助錠がついていたから」が343%と2位「機械警備システムがついていたから」が31%と3位]でした。

相変わらず、マンション住民の目が届いていることが一番の防止策だということは変わりませんが、

機械警備システムの設置の意義もあり高経年マンションでも防犯カメラの設置が進んでいます。

ある築年数が46年の大型団地型マンションでも、大々的に防犯カメラの設置をしました。

ところが、防犯カメラには盲点もあります。

理事長がエレベーターに乗ろうとしたところをひったくりにあったといいます。

自分のマンションのエレベーター前でひったくりに合うとは予想外です。

時間は夜10時ごろ、一番、油断するときだったでしょう。

あっという間にバックをとられ、追いかけようもなく、犯人は自転車で逃げてしまいした。

すぐ防犯カメラをチェックしましたが映像は残っていなかったと言います。

しっかり防犯カメラをつけたのに、いざというとき、犯人が映っていないのですから、防犯カメラの設置もたいへんです。

そういった話も踏まえ、今、防犯カメラの設置を検討している団地型マンションがあります。

近所で事件があって、まだ犯人がつかまっていないことを住人が心配してのことです。

そのマンションでは早速アンケート調査をしています。QRコードのアンケートで細かく内容を聞いて進めています。

高齢の担当者が進めていて、自由な書き込みもできるようになっているよくできたアンケートです。

今は、その結果をすぐにデータ処理することが可能なのです。

そのアンケート調査と集計の早さに感心しました。

その結果を見ると防犯カメラの設置方向に進みそうです。

ここは、周囲にも開けていて、中の住民の目が届く位置に駐車場があり、街づくりの視点で造られている心地のいいマンションです。

築35年とは思えない美しい外見です。

スマホで、QRコードですぐに、きめ細かいアンケートを行って進めるなんて、今は進んでいますね。

でも、どこまでつけるかは、思案のしどころです。

オープンな造りが魅力のマンションで、何かあったときに犯人がしっかり映るようにと思うと、それはなかなかたいへんです。

私は、QRコードでアンケ─トをとり、概要をまとめて、さらに、回答がない人のことも考慮して、全体のために何がいいかを考えている理事の方々に感心しました。

ちなみに、QRコードアンケートの回答率は36%でした。

QRコードアンケートが新しいマンションだけでなく築35年のマンションでも可能なのです。これは目からうろこでした。

これから、マンション住民の意識をつかむことがこれまでとは別の方法ですぐに可能になるのだと思いました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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