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無類の安倍好き大嘘つき「元NHK 岩田明子」の大罪。虚報の数々を振り返って分かった「これが本物のフェイクニュースだ」

自民党のパーティー券裏金問題で、安倍派幹部が不起訴となることが伝わり、国民から怒りの声が上がっています。大手新聞が「安倍元総理は生前、会計責任者を叱責し、パーティー収入のキックバック中止を指示していた」との嘘八百を垂れ流したかと思えば、特捜部は「立証困難」と釈明する――このような茶番と“フェイクニュース”の発信源とも言えるのが、「安倍晋三に最も食い込んだ記者」と呼ばれる元NHKの御用記者、岩田明子氏です。小林よしのり氏主宰「ゴー宣道場」の寄稿者で作家の泉美木蘭氏が、今日もなお日本を騙し続ける“岩田明子の大ウソ”を断罪します。(メルマガ『小林よしのりライジング』より)

自民党の政治資金パーティーに潜入

10年ほど前、友人に「自民党のパー券が大量にあるんだけど、見学しない?」と誘われて、政治資金パーティーの会場に入ったことがある。

自民党が民主党から政権を奪還した翌年、2013年のことだ。2012年にニコニコ生放送『よしりんに、きいてみよっ!』という番組がはじまり、友人が「話のネタになるかもしれないし」と声をかけてくれたのだ。

父親が経営している会社で、地元議員から頼まれて毎回2万円のパーティー券を20枚ほど購入するそうだが、カネを払うだけで、いつも誰も参加しないという。もったいないし、自民党は政権を奪還して大盛り上がりらしいので、どんな様子か見てみたいと言っていた。

ホテルニューオータニの「鳳凰の間」という大宴会場と、それに隣接する宴会場など2~3のスペースがパーティー会場になっていたと記憶している。

壇上に「平成研究会」という横断幕があった。その時はわけがわかっていなかったが、当時の額賀派(現・茂木派)のパーティーだったようだ。

「髭の隊長」こと佐藤正久が、「中国大陸から見ればいかに日本列島が邪魔で、食糧難を見据えて敵視されているのか」という内容の公演をやっていたのを覚えている。

貪り食うブタ。世界一卑しい会食

会場に入る前に、友人から「立食形式だけど、とにかく食べ物が少なくて、争奪戦になるから、会場に入ったらまず食べ物を確保したほうがいい」と言われていた。本当にその通りで、料理を提供するコーナーには黒山の人だかりができており、肘や尻で押し合って陣取りしながら、我先にと料理を奪い合っていた。

会場内のそこかしこに点在する円卓には、『千と千尋の神隠し』に登場する食い意地の張ったブタの集団みたいな人々がたむろしていて、男も女もガハガハと大笑いしながら料理を貪り食い、瓶ビールを注ぎ合っている。

ホテルの従業員がたくさん走り回っているが、片付けが間に合わず、飲み干されたビール瓶や、食器、汚れた割り箸の束などが、白いテーブルクロスの上に次々と積み上げられてゆく。

干からびたビールの泡やオレンジジュースの汁で汚れたコップが、参加者たちによってみだりに積み重ねられていき、しまいにタワー状になって弓なりに反って、倒壊し、ガラスの割れる音が響いたりもした。だが、それもすぐかき消されるほどの乱雑で猥雑なエネルギーが会場に充満していた。

貪り食うブタたちの姿の間には、平身低頭して誰かをヨイショしたり、握手を交わしてニヤニヤしたりしているスーツ姿のギラギラついたおじさんたちがうろついていた。新宿歌舞伎町なんかより、千代田区永田町のニューオータニのほうがよっぽど「欲望渦巻く」という言葉がぴったりじゃないかと思い、唖然とした。

いろんな飲み会の現場を見て来てはいるが、後にも先にも、あんなにみっともない飲み食いの場は他にない。酒や料理でなく、権力を手中におさめたこと、その栄華の場に居合わせていることに酔いしれている人間たちの姿があった。

あのパーティーではいくら儲かって、いくら裏金を作っていたのだろう。

“立証困難”で安倍派不起訴の茶番劇

自民党・安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーをめぐる裏金作りの問題で、現職議員の池田佳隆・元文部科学副大臣が逮捕され、自民党はぐらぐらだ。

池田は、安倍派からキックバックされたパーティー券収入のうち、5000万円を政治資金収支報告書に記載しておらず、秘書に証拠隠滅も指示していたらしい。ほかにも、安倍派の大野泰正参院議員と谷川弥一衆院議員が、不記載や虚偽記載などの容疑で立件される見通しだという。

時効にかからない2018年からの5年間で、総額6億円を裏金化していたらしいが、東京地検特捜部は、肝心の安倍派幹部については「立証が困難」とのことで、断念するらしい。

2018年以降に安倍派で派閥を取り仕切ったのは、下村博文、松野博一、西村康稔、高木毅の4人だ。いずれも特捜部には、「(裏金の還流は)会長案件だった」と説明しているらしい。当時の会長と言えば、細田博之前衆院議長と安倍晋三元首相だ。2人ともすでに死去している。

幹部の人間がカネの成り行きについて何の関知もしていなかったわけがないから、4人とも「死人に口なし」の要領で、自身の立件を逃れるために供述したのだろうとも思うが、「会長案件」というのも、そりゃそうだろうなと思う。

選挙や総裁選、議決で優位に立ちまわるために、ボスを筆頭にした集団が形作られているのに、そのボスが、カネの流れを把握して、下の人間を握っておかなければ、なんのための派閥なんだかわからない。

元NHKの御用記者、岩田明子を断罪せよ

ところが、「安倍晋三LOVE」だった人々の、安倍を美談に持ち上げようとする執念はすさまじい。なかでも、なりふり構わないのが、「安倍晋三に最も食い込んだ記者」と呼ばれた元NHKの岩田明子だ。

2002年に当時官房副長官だった安倍の番記者となり、以来20年以上にわたって安倍に寄り添うようにして取材していた岩田は、やがて自宅に上がることも許されるようになり、安倍の母親から全幅の信頼を得ていたという。

NHKでは、2013年から政治担当の解説委員と記者職とを兼務しており、ニュース番組内で何度となく安倍政権の広報官のような報道を繰り返す姿が放送された。

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岩田明子の作り話を垂れ流す大手新聞の異常性

その岩田が、安倍派裏金問題について、こう論じている。

いわく、細田博之前衆院議長がトップだった時代(2014~21年)から、派閥内では問題になっていたということだが──

安倍元首相が21年11月に初めて派閥会長となった後、翌年2月にその状況を知り、「このような方法は問題だ。ただちに直せ」と会計責任者を叱責、2カ月後に改めて事務総長らにクギを刺したという。22年5月のパーティーではその方針が反映されたものの、2カ月後、安倍氏は凶弾に倒れ、改善されないまま現在に至ったようだ。
(夕刊フジ「岩田明子 さくらリポート」2023.12.12)

派閥の会長に就任して初めてキックバックの存在を知った安倍が、会計責任者を叱責してやめさせようとしていたという「物語」である。

さらに、ネット番組Abema Primeに出演した岩田は、こう話している。

(安倍が派閥会長になった2021年11月ごろは)目の前のことに追われていて、そして、はたと翌年の2月に「そう言えばカネはどうなってるんだ」ということで会計責任者を呼んで報告を受けて、初めてこのキックバックというものを知ったようなんですね。
その時に、叱責して「ただちにやめろ」という風に言ったんですけれども、ちゃんとやめたかどうか心配になって、また4月に改めて、西村(康稔・前経産相)さんなど事務総長を呼んで、「あの件はやめたんだろうな」とクギを刺し、翌月のパーティーの時にはキックバックはなくなっていたということなんですが、2か月後に銃撃されましたので、そこでこの話もうやむやになってしまった、と。
(ABEMA Prime 2023.12.14)

安倍ってどこまで清廉潔白だったのか。すごい。1行も信じられない。まったくの作り話としか思えない。

だが、岩田のこの話は、新聞各紙に浸透している。

例えば、毎日新聞は、安倍派幹部4人の供述を紹介したあと、立件を断念するらしいと報じる記事のなかで、こう書いている。

安倍氏は生前の同年春に還流中止を提案し、いったんは中止が決まった。しかし、継続を求める議員から反発があり、安倍氏の死去後に当時の事務総長だった西村氏や、下村氏、世耕弘成前党参院幹事長ら派閥幹部と会計責任者が対応を複数回協議。同8月に還流継続が決まったとされる。
(毎日新聞 2024.1.13)

朝日新聞も、安倍派では長年にわたり裏金が還流されてきたと書いたあと、こう伝えている。

一方、同派では、安倍晋三元首相が首相辞任後の21年11月に派閥に復帰し、新会長に就任。安倍氏は22年の派閥パーティーを5月に控えた同年4月、還流の取りやめを提案した。派閥の実務を取り仕切る事務総長だった西村康稔・前経済産業相らが協議して還流なしの方針が決まり、各議員に周知されたという。
(朝日新聞 2023.12.23)

安倍批判の急先鋒だったはずの2紙が、岩田明子の言い分をそのまま転用しているのだが、これは真実なのか?

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岩田明子は嘘吐きか節穴か?「虚報」の歴史

そもそも岩田は、安倍政権時代、政権ヨイショのための虚報をNHKから垂れ流してきた。一部を紹介しよう。

《岩田明子虚報の一例》

●2018年5月
朝鮮半島問題に関する6か国協議に関して、安倍が、ロシア・中国・北朝鮮・韓国・アメリカの「橋渡し役」を担っているなどと伝えた。実際には、安倍は従米の態度でしかなく、蚊帳の外であった。

●2019年6月
イランの最高指導者ハメネイ師との会談について、「安倍総理はトランプ大統領の真意をイランに伝え、イランは安倍総理の助言を重視」と伝えた。実際には、ハメネイ師は、「トランプとメッセージを交換する価値はない。今も今後も返答することは何もない」と述べており、米国の召使いのような安倍に不満を見せていた。しかも、米国は、安倍のイラン訪問中にイランへの新たな制裁措置を発表している。

●2019年7月
韓国を舞台にした電撃的な米朝会談が行われた際、さも安倍が、米朝会談の実現に向けて、裏側で尽力していたかのようなペテン解説を広めた。NHKのほかのニュースでは「日本政府は、米国側から事前に知らされておらず、全く把握していなかった」と配信されていた。

●2019年9月
日露首脳会談について、「そこに居合わせた日本政府の関係者も『まるで日本への島の引き渡しを示唆しているように見えた』と話していました」などと発言し、さも「安倍の尽力で北方領土が戻ってくるかもしれない」というペテン解説を広めた。

岩田明子=国民を騙す売国の徒

決定的に、岩田明子の信頼を崩壊させたのは、安倍銃撃の1年後、『ウェークアップ』(日本テレビ系)に出演した際のことだ。

さんざん「安倍政権に最も食い込んだ記者」として安倍家との蜜月ぶりを隠すこともせず、安倍の飲んでいる薬の名前まで発表していた岩田が、統一協会との関係について「記者時代、私はまったく把握していなかった」「関係性を知ったのは銃撃事件の前夜の最後の電話」などと発言したのだ。

本当に知らなかったのなら、記者として節穴すぎて失格である。

数々の虚報と同じく「事実を知っていたが、黙っていた。国民をだまし、都合の悪い部分を隠す手伝いをしていた」というのが真実だろう。

こんな人間の語る「安倍は裏金を初めて知って、叱責し、やめさせようとしていた」なんて物語は、ウソに決まっている。

この件について、1月15日配信の「NEWSポストセブン」から面白い記事が出ていた。

週刊ポストの記者が、安倍の政治活動を支えてきた元事務所関係者を取材したところ、「安倍事務所では、昔からキックバックの裏金を『もどし』とか、『還付金』と呼んでいました。安倍先生が派閥の会長になるまで知らなかったなんてあり得ません」という証言を得ているのだ。

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安倍の総括なくして日本の再生なし

元安倍事務所関係者によると、ノルマ以上のパーティー券を売れば、カネをそのまま手元に置いていいというのは、安倍の父・晋太郎の時代から続いていたことで、議員も秘書もそれが当たり前の政治資金の集め方だと思っていたという。

また、安倍はカネには几帳面で、事務所の資金も安倍本人が管理しており、「だから事務所のパーティーの収支は全部把握していたし、派閥のキックバックの仕組みについても代議士(安倍)が知らないわけがなかった」という。

そもそも安倍の疑惑を振り返ると、「桜を見る会」における政治資金収支報告書への不記載問題が思い出される。

首相在任中は「すべての費用は参加者の自己負担」と押し切っていたが、結局、退任後の2020年末に、安倍の公設第一秘書が政治資金規正法違反で略式起訴された。安倍は不起訴となったが、特捜部に事情聴取されている。

父親の代からずっと続いていた「当たり前の裏金の作り方」があったのならば、「桜を見る会」問題が決着した後、派閥のボスに復帰した安倍は、「また裏金問題がバレて、俺が困らないようにしておいてくれよ!」という意味で会計担当者を叱責したのでは?

叱責が事実だとすれば、同じ「叱責」でも意味がまるで違う。

新聞各紙、岩田明子の安倍美化に影響されて、中途半端な報道をしているから、さも安倍が無謬の政治家であったかのような印象を広めてしまっているが、報道機関としてもっと真剣に検証してほしい。甘すぎると言うしかない――(メルマガ『小林よしのりライジング』2024年1月16日号より一部抜粋・敬称略。小林よしのり氏のゴーマニズム宣言・第521回「日本のサブカルとメインカルチャー」や読者Q&Aコーナーなど、メルマガ全文はご登録の上お楽しみください)

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image by: ホリプロ オフィシャルサイト

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