優しい人は、どうして優しくいられるのでしょうか?無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが今回紹介するのは、精神科医の和田秀樹さんが書いた「優しい人になるために必要なこと」についてまとめた一冊です。
【「優しい人」になるには。】⇒『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』
和田秀樹・著 クロスメディア・パブリッシング
こんにちは、土井英司です。
以前お話ししたと思いますが、土井は昔、母親に「優しさの秘訣」を聞いたことがあります。
母の答えは、「余裕だべな」でした。
余裕を持てば、優しくできる。
シンプルですが、真理を突いた答えだったと思います。
本日ご紹介する一冊は、心に余裕を持ち、優しい人になるためのノウハウを述べた、自己啓発書。
著者は、数々のベストセラーを持つ、精神科医の和田秀樹さんです。
正直、「科学的」かと言われると、怪しい部分もありますが、優しい人になるための考え方、行動を体系化したという点で、役に立つ内容です。
発売1週間で重版が決定したらしいので、今、ニーズのあるテーマなのだと思います。
本書を読めば、なぜ私たちが人に優しくすることを躊躇してしまうのか、SNSで攻撃的になってしまうのか、相手の気持ちを理解できないのか、その理由がよくわかります。
なかでも、<「共感能力」を高めるための五つの注意点>について書かれた部分は、実践的で読むべき内容と思いました。
マネジメントをしていたり、お客様と接したりしていると、理不尽なことが多くあり、人に優しくできない精神状態になることが、多々あると思います。
本書には、そんな時でも優しい人でいられるノウハウが書かれています。
良い人間関係、良い精神状態を保つために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
人に優しくすることは、見返りを求めなければ「気分がいい」ものです
本当に優しい人は、相手を人として尊重して「敬意」を払っています
どんなに映画好きであっても、どんなにお金を持っていたとしても、初めての監督作品に大金を投じるのは、相当に勇気のいることですが、木村さんは、「私が死んでもお金は残らないが、映画は残る」という発想をして、資金を出したそうです(小栗康平監督に救いの手を差し伸べた木村元保さんのエピソード)
出光佐三の「四無主義」
・「タイムカード」なし
・「出勤簿」なし
・「クビ」なし
・「定年」なし
アメリカの自動車メーカー・フォードを創業したヘンリー・フォードは、見習いの機械工から始めて、会社を起こしたことで知られています。ライン生産方式によってクルマの大量生産を実現し、一般庶民の間にクルマを普及させたことばかりが注目されていますが、彼の一番の業績は給料を格段にアップさせて、社員や地域、世の中を豊かにしたことです。クルマの値段を安くするだけでなく、クルマが買える人を増やすことによって、産業構造と社会を変革したから「自動車王」と呼ばれているのです
「社会的弱者バッシング」が横行する四つの理由
1.自分よりダメな人を叩いて「溜飲」を下げている
2.弱者に対する「想像力」が欠けている
3.すべてが「他人事」で「自業自得」と考えている
4.自分の意見こそが「正論」だと思っている
「自分は運が良かっただけ」と思えれば、自然と人に優しくできる
優しい人は、相手の気持ちを想像する能力が高い
「共感能力」を高めるための五つの注意点
1.相手の話を「なぜ?」という視点で聞く
2.意見が違っても最後まで耳を傾ける
3.話の先を急がせない
4.好奇心を持ち、相手の立場で考える
5.疑問点は話が終わってからまとめて聞く
さらりと読める本のため、読書体験の豊かさ、という点では今ひとつですが、書かれている内容は、人間関係の改善、精神状態の安定に役立つと思います。
ぜひ、チェックしてみてください。
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