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チェリーピッキングには陥らぬ。ネット時代にこそラジオを聴くべき理由

ネット全盛期の現代にあっても根強い人気を誇るAMラジオ。人気ブロガーのきっこさんも熱心な「AMラジオリスナー」だと言います。そんなきっこさんは今回『きっこのメルマガ』で、自身のラジオライフを披露。さらにネット時代だからこそラジオを聴くべき納得の理由を綴っています。

有楽町から浜松町にUターンの意味は?人気ブロガーが熱く語るラジオ愛

テレビのない生活も13年が過ぎ、今年で14年目を迎えるあたしは、今や完全な「ラジオっ子」となった。家で仕事をしてる時は朝から晩までラジオを流してるし、徹夜で原稿書きしてる時もラジオをBGM代わりにしてる。そんな「ラジオっ子」のあたしにとっての大ニュース、文化放送の平日の帯番組の4月の改編が発表された。

ラジオはテレビと同じく毎年4月と10月が改編期なので、基本的には各番組が半年ごとに見直しされる。そして、人気のある番組はそのまま継続、聴取率がイマイチな番組は何らかのテコ入れをしてリニューアル、聴取率が低空飛行の番組は打ち切りになり、新番組が始まる。

文化放送の平日の昼の帯番組は、現在は朝5時から8時が寺島尚正アナの『おはよう寺ちゃん』、8時から11時がアシスタントをつとめる坂口愛美(あみ)アナと曜日替わりパーソナリティーとの『おとなりさん』、11時から13時が野村邦丸アナの『くにまる食堂』、13時から15時30分が大竹まことさんと曜日替わりパートナーとの『ゴールデンラジオ』、13時30分から17時45分が西川あやのアナと曜日替わりスタジオ部員との『おいでよ!クリエイティ部』となってる。

ちなみに、今、この中であたしが欠かさずに聴いてるのは『ゴールデンラジオ』だけだ。仕事や用事で出かけてた日は、帰って来てからラジコのタイムフリーで聴いてる。後は、ゲストが興味のある人だった時と、看板娘のアンジェリーナ1/3が出る時だけ『くにまる食堂』を聴いてる。それくらいだ。

もともとあたしは文化放送のヘビーリスナーで、朝から夕方までずっと文化放送を聴いてた。月額350円でラジコプレミアムに加入したのも、エリアフリー機能で全国のラジオが聴きたいと言うより、あたしが仕事で全国どこへ行っても、東京の文化放送が聴きたかったからだ。だけど、2年前の2022年4月の改編で、上記のタイムテーブルに変わってしまったため、あたしのラジオライフは大きく変化した。

それまでのあたしは、朝9時から13時まで文化放送『くにまるジャパン極(きわみ)』を聴き、そのまま文化放送で13時から15時30分『ゴールデンラジオ』を聴き、大竹まことさんの番組終わりの「さよなら!」を聴いたらTBSラジオへ替えて、荻上チキさんと南部弘美さんの『Session』を聴いてた。だから、少なくとも毎日6時間30分は文化放送を聴いてたわけだ。

だけど、2022年4月の改編で、朝5時から9時まで4時間だった『おはよう寺ちゃん』は8時までの3時間に縮小され、9時から13時まで4時間だった『くにまるジャパン極』は11時から13時までの『くにまる食堂』へと2時間も縮小された。そして、こうして無理やりに作った8時から11時という枠に、鳴り物入りで始まった新番組が『おとなりさん』だった。でも、野村邦丸さんと局アナとの安定の放送に馴染んでたあたしにとって、お笑い芸人や歌手などが曜日替わりパーソナリティーをつとめるという新番組は、とても聴く気にはなれなかった。

それで仕方なく、あたしはこの時間帯だけTBSラジオ『伊集院光とらじおと』に引っ越そうと思った。そしたら『伊集院光とらじおと』も同じ時期に終了し、4月から『パンサー向井のふらっと』が始まると言う。それであたしは、さらに仕方なく、ニッポン放送『あなたとハッピー!』に引っ越した。

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他にも、NHKラジオを聴くとかFMを聴くとかの選択肢もあったけど、あたしは、平日のこの時間帯には、基本はバラエティー番組でも、リベラルな立ち位置のコメンテーターが政治や社会問題などを取り上げるコーナーのあるAMラジオが聴きたかったので、ニッポン放送に引っ越すしかなかったのだ。

…そんなわけで、東京エリアのAMラジオ好きの間では、文化放送のことを「QR(JOQR)」、ニッポン放送のことを「LF(JOLF)」、TBSラジオのことを「KR(JOQR)」と、それぞれの局のコールサインの略称で呼ぶことが多い。でも、それじゃダイレクトに放送局名を言ってるのと同じなので、もうちょっと濁したい時は、文化放送のことを「浜松町」、ニッポン放送のことを「有楽町」、TBSラジオのことを「赤坂」と、それぞれ局のある地名で呼ぶ。

で、何が起こったのかと言うと、あたしが2年前の4月からニッポン放送『あなたとハッピー!』を聴き始めたら、それから1週間、2週間と過ぎて行くうちに、メインパーソナリティーの垣花正さんが読み上げるメールの中に、同じような挨拶から始まるものが散見されるようになって来たのだ。あ、この場合は「散見」じゃなくて「散聴(さんちょう)」かな?(笑)。

それで、どんな挨拶かと言うと、「垣花さん、初めまして。浜松町から引っ越して来た何々と申します」「垣花さん、初めまして。赤坂から引っ越して来た何々と申します」というものだ。つまり、3月までは文化放送を聴いていた、TBSラジオを聴いていた、だけど4月からはニッポン放送に引っ越して来ました、という意味の挨拶だ。

そして、この「浜松町から引っ越して来た何々と申します」の「何々」の部分には、それまで『くにまるジャパン極』で頻繁にメールが読まれてた文化放送のヘビーリスナーたちのラジオネームが読み上げられた。あたしは『伊集院光とらじおと』は聴いてなかったけど、「赤坂から引っ越して来た何々と申します」の「何々」の部分も、TBSラジオの月曜深夜の伊集院光さんの『JUNK 深夜の馬鹿力』で良く耳にするラジオネームが何人もいた。

こういう平日の朝の帯番組って、特に4月の改編後のメールを重要視する。それは、進学や就職などで4月から新生活が始まり、それまでラジオを聴いてなかった人たちが、この春から聴くようになり、どの局を聴こうかあちこちの番組を「試し聴き」してる時期だからだ。そして「初めまして」のメールが読まれると、そのリスナーはリピーターになるため、メールの採用率が高くなる。

その結果、浜松町や赤坂から引っ越して来たリスナーたちの「初めまして」のメールも、次々と採用されたんだと思う。そしてあたしは、『くにまるジャパン極』が終わったことで仕方なく有楽町に引っ越して来たのが、あたしだけじゃなかったと知ったわけだし、それは『伊集院光とらじおと』のリスナーたちも同じだった。

…そんなわけで、TBSラジオ『伊集院光とらじおと』は2022年まで6年間続いたけど、その前の『大沢悠里のゆうゆうワイド』は、28年間も続いた長寿番組で、多くの固定ファンを持ってた。だけど、平日の帯を終了する代わりに、土曜の午後に週イチの枠を設けるという、死語で表現すると「窓際族」的な異動でそれなりの配慮をしたことと、新番組を担当する伊集院光さんも多くの固定ファンを持つラジオのベテランだったことで、この時の改編はギリギリで事なきを得た。

一方、文化放送『くにまるジャパン極』は、それまでの『くにまるジャパン』からのリニューアルだったので、局の方針で政治色が少し薄められたものの「お気楽!野村係長」などの人気コーナーは引き継がれ、特に問題なくリスナーに受け入れられた。

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だけど、2年前の4月の改編では、TBSラジオは『伊集院光とらじおと』から『パンサー向井のふらっと』へ、文化放送は『くにまるジャパン極』から日替わりパーソナリティーの『おとなりさん』へと、どちらもそれまでの固定ファンを完全に切り捨てる大改編だったため、赤坂や浜松町から有楽町へと「ゲルマン民族大移動」が起こってしまったのだ。

それまで、この時間帯の東京エリアのAMラジオの聴取率は、TBSラジオと文化放送が1位と2位を行ったり来たりしてて、2007年から15年間も続いてたニッポン放送『あなたとハッピー!』は、常に安定の最下位だった。それが、この年、2022年の夏の聴取率調査で、番組開始以来、初めて1位を獲得したのだ!

この時の放送は、あたしもリアルタイムで聴いてたけど、垣花正さんは大喜びだった。でも、垣花さん自身、これは自分の手柄じゃなくて、他局の改編の失敗が原因だと分かってたから、浜松町と赤坂から引っ越して来てくれた多くのリスナーたちに感謝してた。で、あたしはこんなツイートをした。


きっこ @kikko_no_blog
今年の春の改編でTBS「伊集院光とらじおと」と文化放送「くにまるジャパン極」が終わったことで、平日の午前中のラジオはニッポン放送「あなたとハッピー」が15年ぶりに聴取率1位になった。多くのリスナーが赤坂と浜松町から有楽町に引っ越したようだ。
午後3:40 2022年10月5日

このツイートで、あたしは「15年ぶりに聴取率1位になった」と書いてるけど、これはあたしの勘違いで、正しくは「番組開始から15年で初めて聴取率1位になった」だ。

…そんなわけで、冒頭で「あたしにとっての大ニュース」と書いた、文化放送の平日の帯番組の今年4月の改編だけど、昼間のタイムテーブルを見たら、現在は朝8時から11時までの『おとなりさん』が終了し、朝5時から8時までの『おはよう寺ちゃん』が9時までに1時間拡大し、11時から13時までの『くにまる食堂』が9時から13時までに2時間拡大することが分かった。つまり、まんま2年前に戻るわけだ。

それなら、番組名も『くにまるジャパン再び』とか『くにまるジャパン リターンズ』とかにすればいいのに…って思ったけど、そんなことしたら「2年前の改編は失敗でした」と局が自ら認めることになっちゃうから、あくまでも現在の『くにまる食堂』を拡大する…という体(てい)で行くんだろうね。でも、そのワリには、ジャパン時代の人気コーナー「お気楽!野村係長」が「部長」あたりになって戻って来たりして!(笑)

で、冗談はともかく、4月からのワイド版の『くにまる食堂』は、野村邦丸さんの曜日別パートナーとして、カンニング竹山さんと俳優の内藤剛志さんが出演すると言う。カンニング竹山さんは月曜日担当らしいけど、内藤剛志さんは何曜日なのか書かれてなかった。

ちなみにカンニング竹山さんは、文化放送の新番組発表会見で、ラジオに対する深い愛を語り、「ラジオはちゃんと本音でしゃべれるメディアです」と、ナニゲに講談師の神田伯山さんのようなことを言ってた。でも、その後の2月23日(金)のニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』のオープニングで、金曜レギュラーの松村邦洋さんが「カンニング竹山くんが『ビバリーの裏のラジオに出ることになった。これでビバリーに出られなくなったらどうしよう』とすごく悩んでいた」と、早くも本音をバラされてた(笑)。

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ま、それはそれとして、文化放送の看板番組、13時から15時30分の『大竹まこと ゴールデンラジオ』の後番組『西川あやの おいでよ!クリエイティ部』も3月いっぱいで終了するので、たぶん西川あやのアナが邦丸さんのアシスタントをつとめて、金曜とかに水谷加奈アナがアシスタントをつとめるという、『極』時代の形態がベースになるとあたしは予想してる。

そして、ロンブーの田村亮さんがスタジオ部員に抜擢されたとたんに終了しちゃう『おいでよ!クリエイティ部』の枠は、4月から新番組『長野智子 アップデート』がスタートする。硬軟どっちもOKの長野智子さんがメインパーソナリティーなら十分に期待できるし、15時30分からだったTBSラジオ『荻上チキ Session』が昨年10月の改編で18時からに変わっちゃったから、この枠に聴きたい番組ができてくれるのは嬉しい。

今んとこ、金曜だけはあたしの大好きな外山惠理アナと玉袋筋太郎さんがパーソナリティーをつとめるTBSラジオ『えんがわ』を聴いてるけど、月曜から木曜は聴きたい番組がなくて困ってた。『Session』が18時からに変わってからは、取りあえず『おいでよ!クリエイティ部』を聴いてみたけど、あたしの聴きたい硬質なテーマはほとんどなく、「人気のスイーツ」だの何だのと、あたしの大嫌いなテレビ番組『王様のブランチ』のラジオ版みたいなノリだったので、聴き続けるのはメンタル的に無理だった。

やっぱり、テレビのない生活をしてると、情報収集はネットが中心になるので「自分の興味のあるコトやモノしかチェックしない」という方向へ進んじゃう。ま、自分の趣味的な分野に関してはそれでいいんだけど、日々の報道に関しては、自分の興味のある報道だけをネットで拾って読んでると、知識が偏っちゃう。だから、ラジオの帯番組でそれなりに報道を広く扱ってくれると、あたしはすごく助かる。

そのため、夜22時からだった『Session-22』が2020年10月の改編で15時30分からに変わった時、あたしは喜んだ。朝9時から13時は文化放送『くにまるジャパン極』、13時から15時30分までは同じく文化放送『ゴールデンラジオ』、そして、大竹まことさんの「さよなら!」とともにTBSラジオに替えれば『Session』が始まる。完璧な流れだった。

…そんなわけで、4月には有楽町から浜松町にUターンする予定のあたしは、朝9時から13時は文化放送『くにまる食堂』、13時から15時30分までは『ゴールデンラジオ』、そして、そのまま文化放送を聴いてれば『長野智子 アップデート』が始まり、17時に終わったら、適当な局のニュースでも聴いてるうちに18時になり、TBSラジオで『Session』が始まる。もはや2年前以上に完璧な流れとなる。

もちろん『長野智子 アップデート』を聴き続けるかどうかは、番組が始まってみなきゃ分からない。番組内容の説明では「当日のニュースや出来事を振り返ると共に、最新情報を伝える番組」「50歳以上の大人のリスナーをターゲットとしている」とされてるから、あたしは期待してるんだけど、一点だけ不安なのは、局アナのアシスタントが発表されてないことだ。

普通に考えたら砂山圭大郎アナが適任だと思うけど、砂山アナは前番組『ゴールデンラジオ』の月曜から木曜までのアシスタントをつとめてるから、4時間ぶっ通しになってしまい『アップデート』の事前の打ち合わせができない。報道も扱う番組で「打ち合わせなし」は成り立たない。また、あたしだけでなく多くの文化放送リスナーの熱望としては、やっぱり太田英明アナだけど、太田アナはメンタル面の不調が原因で長期休養してて、しばらく前から番宣やCM、ニュースや深夜の音楽番組の進行などで徐々に復帰しつつあるけど、まだ無理はさせられない。

いったい誰が長野智子さんのアシスタントをつとめるのか?それだけがちょっと不安だけど、TBSラジオ『Session』での荻上チキさんと南部弘美さんのような絶妙のコンビが誕生してくれることを期待したいと思う。

(『きっこのメルマガ』2024年2月28日号より一部抜粋・文中敬称略)

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