膨大な建設費の問題や人手不足など、さまざまな問題が指摘されている2025年開催予定の大阪万博。その万博を進める維新・吉村知事が、国際会議の後のレセプションで英語でスピーチをしたことが先月話題になりました。メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』の著者で、現役の精神科医・作家の和田さんは、この英語スピーチが「維新のアメリカ隷属路線を世界中に知らせた」と指摘。さらに、沖縄でたびたび問題となっている米兵の「性犯罪」を県に報告しない警察の体質についても厳しく批判しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:虐待と性犯罪に甘すぎる国
「虐待」と「性犯罪」に甘すぎる国ニッポン
ちょっと古い話になるが(6月25日)、大阪府の吉村知事が大阪万博の参加国を集めた国際会議の後のレセプションで英語であいさつをしていた。
自分が英語を話せるところを見せたかったのだろうが、いろいろな国が集まる万博なのだから、日本語で堂々と話して、今のAI技術を使って、すべての参加国のことばに同時翻訳がされるくらいのことをしてこそ、未来志向の万博に対するあり方なのではないか?
維新はアメリカ隷属路線をやめないことを世界中に知らせたように思えてならない。
維新やウヨクは国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指しているのだろうが、余計な金を使って戦争に巻き込まれるより、昔ほどではないが、かなりの金を国連に払っているのだから、日本語を国連公用語にする努力をしたほうがよほどましだ。
ドイツの人たちは、国連の総会をみるたびに、自国語が使われないので、やはりunited nations(連合国)の敗戦国なのだと思い知らされるそうだが、日本人はこういう奴隷根性だから、英語を使って喜んでいるし、英語が使えることを自慢したがる。
国に誇りをもてない奴がウヨクと名乗るのがぞっとする。
孫正義の周囲に“ぶっ飛んだ人間”がいない問題
そういえば、ソフトバンクのトップの孫さんが、自分の経営理念や未来予測などを語った。その中で、AIの進化について「4年間で1000倍になったんです。能力が」と断言して、「チップの数が10倍に、チップあたりの能力が10倍、それを扱うモデルソフト、これも10倍」と説明していた。さらに「すごいのは、ここから4年間でもう1回、1000倍になる」と予告して、12年で10億倍になると語っていた。
ただ、それによって、医療を変えるとかいいながら、アイディアとしては、「米国の全がん患者の半数にあたる770万人の医療データを2000の病院から提供を受け、また国内13病院とも提携し、AIで医療データを解析してがん治療に役立てる計画」の話をしていた程度だ。
本人も取り巻きも、既存の研究の延長線上でしかものを考えられないのだろう。
今の10億倍の処理能力になれば、医療はもっと個人差や心理状態にまで対応できるような新たなモデルになるはずだ。
AIがものすごい進歩をした際には、AIが考え付かないようなぶっ飛んだことをAIに命じる人間がAIを進歩させるのだろう。
もちろん、AIもすごい思考力が生まれるのかもしれないが、無から有を生むとは思えないので、既存の(もちろん世界中のありとあらゆる)データをもとに考えるのだろう。
実は隠しているのかもしれないが、孫氏の周囲にものすごくぶっ飛んだ人間はいない印象を受けた。
人間の名経営者でもAIを越えるのは難しいのだろうか?
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米兵の「性犯罪」に甘すぎるニッポンの警察
さて、アメリカ隷属というと、沖縄で、またまた性犯罪が起こり、それを県警が逮捕しながら、県に報告を挙げていなかったことが明らかになった。
性質が悪いことに、沖縄の県議会議員の選挙中、それを隠していたようだ。
それにしても、県警というのは、職員はみんな県の職員だし、県から給料をもらっている。それを東京からきた県警本部長が支配している。
警察が東京に支配されているから、地方自治ができない。
昔は県によって売春にゆるいところもあったし、ポルノにもゆるいところがあった。
県の観光のために、県警も県の事情に合わせた取り締まりをしていた。
夜中に人が歩いていないのに、東京と同じような飲酒運転の取り締まりをしているために、地方の飲食店がバタバタとつぶれた。
おかげで地方は魅力がないようで、インバウンドの金の7割は、首都圏、京阪神、名古屋に落ちているとのことだ。
警察の田舎いじめをやめさせない限り、東京の一極集中は解消しないだろう。
私が言いたいのは、ここまでひどいことをされたのなら、沖縄の県知事が、県警本部長を更迭して、沖縄県警の生え抜きの優秀な人をトップに据えるくらいのことができないのかということだ。
警察が見て見ぬふりをするなら、沖縄だけ欧米並みになることだってできる。
沖縄だけ大麻が実質合法とか、沖縄だけポルノが実質合法なら、観光でも人気になるだろう。
これだけ負担だけ押し付けられているのだから、そのくらいの特権があってもいい。
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日本の警察が「性犯罪にゆるい」のは米兵だけでない
ただ、性犯罪にゆるいのは米兵だけでない。
金持ちがレイプをしても、100万円払って示談にすると起訴されない。
検察が働くのが嫌いだからだろう。
かくして日本は性犯罪天国となった。
レイプが少ないようにみえるのも、被害者の3%しか被害届を出していないからだ。いや、おそらくは1割くらいは出しているのだろうが、警察が被害届を受けないからだろう。
そして、一生心の傷に苦しむ人は大勢いる。
今度、女性が検事総長になることが決まったが、男性からみて使いやすいからだろう。
ちゃんとレイプを起訴するかは見ものだ。
女性は出世のためには平気で女性を裏切るーーー(本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2024年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。7月分のすべてのメルマガが届きます)
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image by: Noukei314, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons