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大谷翔平を“裏切って”ドジャース解雇の水原通訳が「米国で再起」できる理由

大谷翔平選手の通訳、水原一平氏の「ギャンブル依存」騒動は、海外でも大きな注目を集めています。違法賭博により7億円近い負債を抱えた水原氏が、大谷選手の銀行口座から金を盗んで返済にあてたとされるこの事件。二転三転する関係者の証言など矛盾を具体的に指摘するのは『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者で、NY在住の人気ブロガー・りばてぃさんです。一方りばてぃさんは、「どんな大きな事件を起こしたとしても、再起のチャンスはあるのがアメリカ」と水原氏にエール。ただし、それには条件があると言います。

日本国内報道よりも根が深い「窃盗事件」の真相

日本はもちろんのことアメリカでも大きく報道されている「大谷翔平選手の通訳、水原一平さんが巨額賭博でドジャース解雇」の衝撃的ニュース。せっかくなので簡単にみておきましょう。後々、振り返ることになるかもですし。

日本でも大きなニュースになっていて、初動報道からさらに詳細を伝えるニュースも増えてきていますが、当初、日本のメディアで報じられた「大谷選手のお金を盗んで賭博をした……」というような内容に「通訳と雇用主という関係を超えた親友のような仲の良さだったのになんで?」という、悲しみと怒りと憤りとが混ざった気持ちになった人が多かったかと思います。私もそうでした。

でも、真っ先にこのニュースを報じたESPNの英語原文のニュースを読むとちょっと事情が違うようで、現在さらに捜査中とのこと。

簡潔にまとめると、FBIが違法賭け屋の疑いでMathew Bowyerという人を捜査していたところ、大谷選手の名前での銀行振込を発見。これがきっかけで水原さんのスポーツ賭博が明るみに。

ESPNが今週火曜に水原さんにインタビューしたところ、スポーツ賭博の借金が払えないほどに膨れ、大谷選手に助けをもとめたところ支払ってくれたと。「でも決して大谷選手は賭博はしていない、すべて私が独断で賭博した。本当にとんでもないことをして悪かった」というようなコメントをしてます。

しかし翌日水曜日にコメントは一転。実は「大谷さんは賭博や借金のことはまったく知らず、水原さんの借金を肩代わりもしていない」と水原さんがコメント。「え?じゃあ、誰が大谷さんの口座から送金をしたの?」という疑問が残ることになりまして捜査をしているそうです。

また、Bowyer側の弁護士も「Bowyerは大谷選手にあったこともなければ話したこともない。送金主が水原さんじゃなかったけども、お金さえ支払われれば良いので気にしてなかった」とコメントしてます。

それでなんやかんや明るみになり、ドジャースから水原さんは解雇され、「大きな窃盗にあった」と大谷選手の弁護士側が発表するなどし、今に至るという状況のようです。

水原一平氏の発言や行動には不審点が多い

ちなみにアメリカでスポーツ賭博は40州ほどで合法ですが、カリフォルニアでは違法。さらに、MLBは野球以外への賭博は許可しているけども野球はダメと規定してまして、通訳の水原さんは「野球には賭けていない。でもカリフォルニアで違法だとは知らなかった」とコメントしています。

なお、Bowyerとは2021年にサンディエゴのポーカー会場で出会い、その年の後半から信用取引でBowyerを通して賭博をしていたそうで、その頃ですでに100万ドルの借金に膨れ上がっていたとのことです。

以上が現時点(アメリカ時間3/20)で報じられている概要ですが、水原さんの発言にはいくつか疑問がありますね。

まず、ESPNとの火曜のインタビュー。仮に大谷選手が借金を肩代わりしてくれたことが正しかった場合、そんなことをペラペラとメディアのインタビューに喋ったのはなぜなのでしょうか?

誰が嘘をついているのか?水原インタビューの矛盾

“借金の肩代わり”をメディアに公開することでの大きな弊害は、「大谷選手は高額年俸でお金持ちだから、本当に困っていたら(あるいは困っているフリをしていたら)借金を助けてくれるかもしれない」という印象を、世間一般多くの人たちに与えてしまいかねない点です。

これは大谷選手が自ら公開しない限り、水原さんが話すようなことではないと思います。

それに、当時まだドジャース所属という身分だった水原さんが、スポーツ賭博をして借金をしていたという事実すら、ドジャースの許可なくメディアに話せるような内容ではないのでは?

ESPN側が先にその事実を掴み、水原さんにインタビューしたという流れであっても、「その件について今はコメントできません」などと対応するのが普通だと思います。

逆に、もし借金を肩代わりしてくれたこと自体が本当に嘘だった場合、そんなバレるような嘘をスポーツメディア大手中の大手であるESPNに話すでしょうか?絶対バレるのに?

日頃から通訳をする水原さんならメディアの影響、そして言葉選びの重要性を理解しているはず。そんな水原さんがペラペラ話したのだとしたら、いったい何が起こったのだろう?と思わずにいられません。

どういう経緯でインタビューを受けることになったのか?なども今後報じられていくのでしょうか?もう、考えれば考えるほどわけがわからず「はぁ?」ですよ。

水原さんのコメントの矛盾は今後の捜査次第で明らかになると思いますが、これちょっとかなりまずいのでは。FBI捜査なので時間はかかるようです。

水原氏が利用していた賭博アプリ「DraftKings」とは

ところで、英語の記事を読んでいたところ、捜査対象となっている違法賭博屋以外にも、「DraftKings」というスポーツ賭博も利用したという水原さんのコメントが伝えられてます。

このDraftKingsはスマホで手軽にスポーツ賭博できるので、アメリカではかなり多くの人が知る有名アプリです。

まだXがツイッターだった時代、よく広告で表示されてましたし、たしかテレビCMかウェブ広告でも一時期すごく見かけたことがあるのを覚えてます。

私はまったく賭博をしませんが、そんな私のスマホ広告でも見るほどだったので、とにかく大量に広告投入していた時期があったのではないかと思います。最近のXでは、中華系EコマースのTemuや他の安価で便利な商品取り扱うEコマースサイトの広告が大量に見られるようになり、DraftKingsは見なくなったなーという印象です。

今後の水原さんですが、いろいろ心配ですね。捜査次第かとは思いますが、アメリカは何かで失敗しても再起を図ろうとする人を応援する傾向にあるので、すべてが終わったら、また経験を生かしたお仕事で頑張れるといいなと思います。

だってこれほどの経験をできる日本人はそうそういないですから。

水原一平氏はアメリカでこそ再起できる(ただしビザ次第)

日本だと、一度大きなニュースになるほどの事件や疑惑があると、その後どんなに更生したりイメージを払拭しようとしても、再度表舞台に立つことはよほどのことがないと難しいですが、アメリカでは反省し(もし逮捕された場合は刑期終了後に)、再出発して頑張っていれば応援するよという人の方が多いです。

もちろんどういった事件かによりますが、今回のようにギャンブル依存が原因の1つとなっている場合は、依存を克服して、さらにはギャンブル反対や依存症になった人を応援するといった社会貢献活動をしつつ、地道に頑張ればまた道は開けていく、それがアメリカ。

そんな芸能人や有名人はアメリカでは数え切れないほどいますが、ギャンブル依存ではないですけど、株のインサイダー取引で刑務所にまで入ったマーサ・スチュワートさんは80歳を超えた今でも現役で主婦のカリスマ的存在として再度ビジネスを軌道に乗せています。マーサ・スチュワートさんに関してはNRF(全米小売業協会のカンファレンス)でも基調講演で登壇しているので、これも追々取り上げたいなと思っているところです。

なので、今回のニュースの当事者の方々は、今、本当に大変な思いをされているかと思いますが、それぞれができる限り良い方向にいけるよう進むといいなと思います。

あとふと思ったのですが、水原さんは日本生まれのアメリカ育ちという情報を見たのですが、今後の活動はビザ次第でもありますよね。米国市民権を持っていれば問題ないですけど、永住権だとどうなんだろう??ふむぅ。

(『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』』2024年3月20日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

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image by: Moto “Club4AG” Miwa from USA, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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