若い頃はお金も時間もストイックかつ未来志向で臨むべきですが、50歳以降になるとそれがすべてではないようです。今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、著者である土井英司さんがベストセラー作家による、注目の「後悔しない時間の使い方」について書かれた一冊を紹介しています。
【待望の続編】⇒『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』
柿内尚文・著 飛鳥新社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』に続く、アスコム常務取締役、柿内尚文さんによる注目作。
今回は、「後悔しない時間の使い方61のコツ」ということで、著者の体験と、時間について名著や有名人が語っていることなどをもとに、豊かな時間を過ごすコツをまとめています。
若い頃は、お金に関しても時間に関してもストイックかつ未来志向で臨むのが正解ですが、ある程度歳を取ると、それだけでは人生そのものが危うくなる。
本書によれば、「50歳の人の残り時間は体感でたったの15年」だそうですから、後悔しないように時間を使う必要があるでしょう。
では、どうすれば時間をうまく使えるようになるのか。
本書では、時間を4つに分けて考えることを推奨しています。
「幸福の時間」
「投資の時間」
「役割の時間」
「浪費の時間」
「幸福の時間」はやりたいこと、喜びを得られることをして幸せを感じる時間。「投資の時間」は目的のために努力している時間。「役割の時間」はやらなければいけないことをしている時間。「浪費の時間」は無意識に過ごしてしまうムダだと感じる時間です。
著者によると、時間が不足する原因の多くは「役割の時間」に時間をとられすぎていること。そして、「役割の時間」や「投資の時間」ばかりだと、息が詰まることもある。
だからこそ、お金を幸福のために使う「幸費」という考え方が重要なのだと、著者は説きます。
もちろん、これだけでは単なる心構え。本書では、こうした考え方に加え、時間管理の方法、集中力や実行力を上げる方法など、実践的な内容も書かれています。
最後に書かれた、「大の箱」「中の箱」「小の箱」メソッドは、地味ながら即効性のある内容だと思いました。
なかなか夢に対して動き出せない人は、読んでみるといいと思います。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
多忙は記憶を消していく
時間が不足する原因の多くは、「役割の時間」に時間をとられすぎていること
スペシャルな毎日よりもパーフェクトな1日を
時間のポートフォリオを円グラフにすると、自分がどういう時間を過ごしているかが「見える化」します
「やらないといけないこと」をまずは「やって楽しい」に変換できないか
お金を幸福のために使う「幸費」という考え方
「長続きしない幸せ」は、所得や資産、社会的地位など、地位財産による幸せで、周りの人と比較することで満足感を得るもの
セリグマンが解いた持続的な5つの幸福
1 楽しい、うれしい、感謝、充実感、感激
2 時間を忘れて没頭する
3 良好な人間関係
4 人生の目的や意義
5 何かを達成する、成し遂げる
感情の乱れは自分の時間を奪っていく
時間の「イミヘン」は人生の武器になる
プロローグをつくる4つの方法
・ガマンをプロローグ化する
・ストーリーをプロローグ化する
・リサーチをプロローグ化する
・時間の蓄積をプロローグ化する
どう締めるかで時間の価値が変わる刑事ドラマのエンディングで欠かせないシーンがあります。それは、犯人がなぜそんな犯罪をしたかを、主役の刑事がドラマの後半で説明(謎解き)をするシーンです。(中略)過ごした時間に対してこの「意味付け」を行うことを、僕は「時間のエピローグ化」と呼んでいます
選択基準を決める7つの視点
視点1 後悔しないかどうか
視点2 体験価値が高いかどうか
視点3 体と心の声に従っているか
視点4 幸福度が高いかどうか
視点5 投資価値があるかどうか
視点6 人に喜んでもらえるかどうか
視点7 心地よいかどうか
自分のスケジュールに「幸福の時間」を先に入れる
中盤に出てくる、時間の価値を高める「プロローグ化」の視点と4つの方法は、著者のクリエイティブセンスが光る内容で、ここだけ読んでも十分元が取れると思いました。
「プロローグ化」と「エピローグ化」。そしてその技法。
さすが累計1300万部を企画してきたカリスマ編集者ですね。
大変勉強になりました。
ぜひ、読んでみてください。
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