40代の女性で会社員の1児の母です。最近自分がずっと職場で同じところで足踏みをしている間隔があります……そんな読者からのお悩みに答えるのは公認心理師の永藤かおるさん。永藤さんはメルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』の中で、気持ちに寄り添ってお返事しています。
ずっと足踏み
Question
40代女性。会社員で、1児の母です。
30代後半の出産なので、まだ子どもは未就学児です。
夫はあまり気が利くタイプではありませんが、家事も育児もとても協力的ですし、夫婦関係は良好です。
問題は、自分自身です。
職場は希望した業界ですし、それなりにいろいろなことを任せてもらえて、恵まれてきたと思います。
大手なので、産休や育休、時短勤務などもしっかり権利行使できました。
でも、今、自分がずっと同じところで足踏みをしている感覚があります。
出産前、いえ、30代半ばの結婚前と比べて、前に進んでいる感覚が全然ないのです。
結婚したことも、出産したことも、全く後悔してはいないし、むしろしてよかったと思っています。
子どもの成長は、本当に嬉しいし、幸せな気持ちになります。
子どもを見ていると、私自身も頑張らなきゃとやる気が湧いてきます。
夫も、「この人と結婚してよかったなあ」と日々思わせてもらえます。
でも、現実を見ると、キャリアの中断がまったくない同期の男性や、未婚もしくはお子さんのいない女性と自分を比較すると、みんなが高速道路に乗っているのに私だけ一般道に降りたような感じや、みんなとジェットコースターに乗っていたつもりが私だけ観覧車に乗っているような感じがしてしまって、心がざわざわするのです。
私はもう一度足踏みから走り出せるのでしょうか。
この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ
永藤さんより愛をこめて
毎日、お疲れ様です。
お子さんに恵まれて、パートナーに恵まれて、会社環境に恵まれて、それにあなたはとても感謝している。
でも「ざわざわする」自分や、「足踏みしていて進んでいない」自分もいるんですよね。
困りましたね。
なんだろう、不思議な気持ちがするのですが、あなたはお子さんやパートナーさん、そして取り巻く環境とかに対しては、目の前にいる人、あるものをしっかり見据えて、その大切さもわかっているのだけれど、こと御自身のことにおいては、バリバリに他者比較をしてしまっている。
同期と比べて、未婚の人と比べて、子どものいない人と比べて、自分のマイナス要因を探して、スピード比較をしている。
そこでざわざわしちゃっているのではないかしら?
お子さんを見るように、パートナーを見るように、御自身のことを見てみるのはいかがでしょう?
仕事をして、母という役割をして、妻という役割をして、マルチにタスクをこなしている自分。
仕事に対して貪欲な気持ちをもてている自分。
苦しい思いをきちんと整理して話せる自分。
子どももパートナーもきちんと愛せている自分。
そして、その中で、あなたにとって何が大事なのか、他人と比較するのではなく、自分の中で大切なものってなんなのか、ちょっと立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。
心の中にうかんでいるもの・ことを、徒然なるままに書き連ねてみるのもお勧めします。
そうすると、「ざわざわ」の正体、そして自分の正体が見えてくるかもしれないです。
ちょっとおいしいコーヒーとお菓子をお供に、15分だけでも時間を取って、自分を見つめることだけに集中する時間を過ごすと、本当に自分が走り出したいのか、それとも歩き出したいのか、ここにいたいのかが見えてくるかもしれないですよ。
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