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なぜ、小さな会社を譲り受ける際には「社長に注意が必要」なのか?

前回の記事で会社を売るとしたらどのくらいになるのかの目安を記した無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』。今回は著者の現役税理士・今村仁さんが、その値段をさらに高くするための裏技を教えてくれています。

会社を高く売る為の裏技

最低限コレだけは!

会社を高く売る為の裏技としては、会社にある「書類の整理」があります。

第三者への承継を決断したら、常に譲り受け側の立場に立って日々の仕事や経営をしていくことが大切です。

自分が譲り受け側であれば、「こんなグチャグチャな帳簿を渡されたら怒るだろうなぁ」と思うのであれば、当然に第三者がみてもわかるように事前に整理をしておくべきでしょう。

更に譲り受け側の視点に立って、「こういう資料を事前に準備しておいてもらうと助かるなぁ」と思えるようなものがあれば、やはり対応してあげることが賢明です。

事前準備資料の中でも、下記5つは最低限必要な資料となるので参考にして下さい。

・会社登記簿謄本

・決算書及び税務申告書一式3期分

・直近の試算表

・主要人員の経歴書

・社内規定(就業規則、給与賞与規程、退職金規程)

無いものは無いでOK?

「会社登記簿謄本」や「決算書及び税務申告書」が存在しない会社はあり得ませんが、社内規定である「就業規則」や「退職金規定」が存在しない会社はあります。

ではこの場合、スモールの第三者承継において、新たに就業規則や退職金規定を作成する必要があるのしょうか。

答えは、ノーです。

無いものは無いで問題ないのですが、そのことをきちんと譲り受け側にお伝えしておく必要があります(法律上必要なものが整備されていないケースは問題ですがこの論点はここでは割愛します)。

譲り受け側の立場に立てば、引き継いだ後に、退職金をいつにどれくらい準備しておかないといけないのかなどを把握したいがために、これらの資料を要求するのです。

「暗黙知」を「形式知」へ

小さな会社の場合、社長が営業を行い、入金や請求書発行など経理の一部も行い、更に商品開発まで行っているケースはよくあります。

承継後は、従業員はそのまま継続となることが多いですが、社長は1ヶ月から1年以内には実質的な退職となることが多いです。

つまり、社長は、承継後は最終的にはいなくなるのです。

よく譲り受け側の方とお話ししていると、「社長がいなくても回る会社ですか」と聞かれます。

小さな会社でそういう会社は少ないですが、近づけることは出来ます。

要は、譲り受け側の要望は、社長がもっている「暗黙知」をきちんと譲り受け後に承継出来るのかということが心配なのです。

であれば、社長の「暗黙知」を「形式知」に置き換える作業として、「メモ書き(マニュアル)」を作成していくことをお勧めします。

小さな会社でここまで出来ている会社は、現在非常に少ないので、譲り受け側に好印象となり、結果的に良い条件で引き継いでもらえる可能性が高まるでしょう。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 マネーコンシェルジュ税理士法人 【発行周期】 週刊

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