近くの空き地が緑化されると「気分の落ち込みが少なくなる」という研究結果

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日本でも都会での緑化に力を入れている地域は多いと思いますが、そんな環境整備による精神衛生への影響はあるのでしょうか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、その研究結果を紹介しています。

緑化と精神衛生

◎要約:『近隣の緑化を含む環境整備で、その地域で精神衛生が改善する可能性がある』

今回は近隣の空地を緑化することによる精神衛生への効果を調べた研究をご紹介します。

Effect of Greening Vacant Land on Mental Health of Community-Dwelling Adults
A Cluster Randomized Trial
空地緑化の精神衛生に関する効果

アメリカのフィラデルフィア(ペンシルベニア州)における研究で、一般地域に居住する442人の参加者(平均44.6歳、59.7%が女性)が対象となりました。

近隣の空地においてごみの除去や植物を植える等の緑化を行い、精神衛生に関して経過を観察しました。

結果として、以下の内容が示されました。

・緑化のない場合と比較して、気分の落ち込みと無価値観を感じる割合が低下していました(落ち込みに関して-41.5%、無価値観に関して-50.9%)。

・貧困ラインを下回る地域の居住者では、特に落ち込みの改善が大きくなっていました(落ち込みに関して-68.7%)。

直接に居住環境が変わらなくても、近隣の緑化が精神衛生の改善に有効である可能性を感じる内容でした。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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