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楽天モバイル 新卒美人社員の“パパ活営業”に「親が泣くぞ」「見上げた度胸」世論二分。努力・根性・ドブ板に試される日本

楽天の新卒女性社員が、実名&顔出しで「楽天モバイルの回線契約」を呼びかけるSNSアカウントが注目されている。この社員のアカウントには、下心丸出しのおじさんユーザーからリプライが殺到し「まるでパパ活」の批判も。一方で「ドブ板営業の強さ」を高評価する声も決して少なくない。

楽天「新卒女子」の“パパ活もどき営業”が物議

圏内でさえあれば固定回線の代替も担える「データ使い放題の安価な高速回線」が好評を博する一方、移動中の電車内や地下にある店舗、郊外など「肝心な場所で繋がらない」とのクレームも多かった「楽天モバイル」が反転攻勢を強めている。

楽天グループが先月14日に発表した第1四半期決算の連結最終損益は423億円の赤字。依然として苦境は続くが、グループ全体の“足を引っ張る”楽天モバイルのNon-GAAP営業損失は730億円と前年同期比で259億円も改善した。

楽天モバイルは今月中にも、ビルなどの障害物に強い電波帯域「プラチナバンド」の商用運用開始を予定しており、単月黒字化は目前との見方も。

そんな今、ネットで物議を醸しているのが、楽天モバイルの「新卒女性社員による“体を張った”契約獲得営業」だ。

「楽天の新卒社員たちがSNS上で顔出し&実名で回線契約を呼びかけていたところ、特定の若い女性社員らに大量の“おぢ”が群がってしまったため、『まるでパパ活じゃないか』『これストーカー対策は大丈夫なの?』など懸念の声が多くあがっています」(ネットメディア編集デスク)

ある新卒女性社員のXアカウントには、中高年男性と思しきユーザーたちから「か、かわいい…😍」「友達に…なってくれますか😉」「(彼女の姿勢に)学ばないと…😤」など、よからぬ“下心”を感じさせるリプライが殺到。絵文字満載のおじさん構文を見かねたネット民から、

《何を学ぶんだよ。これパンツ脱いでるだろ》

《新卒女子に群がるおっさん連中キモすぎて草》

《パパ活かよ。おぢを捕まえて複数回線契約させればノルマクリア?》

《枕営業モバイルかな?》

《結構な有名大学を卒業させたのにこれじゃ親もやりきれんよ》

《いやいや顔出し&実名はマジ危ないって…》

といった批判があがる事態となっている。

楽天の社風や新卒社員の“根性”に称賛の声も

ただ、その一方で、楽天の泥臭い社風や、新卒社員たちの“猪突猛進ぶり”を高く評価する声も意外なほど多いという。そのような“称賛の声”の主たちが、みんな家でパンツを脱いでいるとは思いたくないが――

「このご時世ですから『ブラック企業』の批判一辺倒かと思いきや、意外なほど楽天に対して好意的な意見も見られますね。“おぢ”の下心とは別に、新卒社員たちの度胸・根性や、会社へのロイヤルティ(忠誠度)の高さに素直に感心してしまった、との声が少なくありません」(前同)

ネットをみると、たしかに、

《有名企業なのにドブ板営業できるって偉いし強いと思うよ》

《最初に楽天で鍛えられてれば転職は引く手あまただろうな》

《あの楽天の社風に合わせられる新卒社員達だ。面構えが違う》

《何が凄いって、新卒の意識を短期間でここまで引き上げる楽天の教育力が凄いんだわ》

《頭がいいだけの引きこもりより、結局こういう“行動力お化け”が結果を出すんよ》

といった称賛が多数見つかる。

とはいえ、自分の実名や写真に加え、学歴、趣味など詳細なプロフィールをネットに晒しながらの“回線獲得キャンペーン”は、若者にとって「TikTokで新入社員を踊らせる会社」以上にしんどい気がする。楽天グループの今後の新卒採用に悪影響をおよぼす恐れもあるのではないか?

だが、都内某上場企業の人事担当者は次のように指摘する。

「逆かもしれませんよ。楽天グループの社風をこうやってSNS上で正直に伝えておくことで、今後、不向きな学生が応募してこなくなるなら、それは採用プロセスの効率化につながりますから。それに楽天さんのような規模の企業では、新卒採用は“多産多死”が基本。大半が辞めてしまうことを見越していますし、生き残ったごく一部が“生え抜きのソルジャー”なり“楽天プロパー社員”に成長してくれればそれでいい、という考え方なのではないでしょうか」(人事担当者)

同じ「IT企業」とはいえ、日本の楽天は、米国のアマゾンやアルファベット(グーグル)などとはまったく別カテゴリの会社、ということか。

今どきの新卒社員は、三木谷会長だって「利用」する!?

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が、もともと部下に対して「はい」か「イエス」しか認めないパワースタイルの経営者というのは、日本のIT界隈では有名な笑い(?)話。

最近はそんな三木谷氏自身が、楽天モバイルの契約数増加のため、トップ営業を率先して行っているようだ。SNSでの情報発信はもちろん、経営者仲間や自身を担当する美容師、タクシー運転手にまで“ドブ板営業”をかけていると報じられている。

【関連】楽天、黒字へ三木谷氏自ら「どぶ板営業」 タクシーでもPR – 日本経済新聞

トップが「口だけ」なら下の人間も安心してサボれそうなものだが、三木谷氏自身に「やってみせ」を実践されてしまったら、新卒社員に拒否権などあるわけもない。中には、そんな三木谷氏に心酔する若者が出るのも無理からぬところか。先の人事担当者の分析。

「もちろん新卒社員に拒否権はないと思いますが(笑)、だからと言って彼らが三木谷さんに“心酔”しているかというと、それはちょっと違う気もしています。いまの楽天さんで頑張れるような新卒は、生来の鋼メンタルにくわえ、『楽天という企業ブランドを最大限に利用してやろう』という意識が非常に強いのではないかと思います。つまり、最初から転職大前提のキャリア観です。彼らデジタルネイティブはもともとネットでの顔出しに抵抗感が少ない世代。実名を晒せば当然、批判を浴びる機会は増えますが、それ以上に味方になってくれる人も多数現れるという法則を実感として理解している。SNSの声は、プラスの意見だけありがたくいただいて、マイナスの意見なんて無視してしまえばいい。そんなふうに、アテンション・エコノミーの時代には自分自身の名前を売ってこそナンボだという、したたかな考えを持っているのではないでしょうか」(人事担当者)

そうやって筋金入りの“楽天ソルジャー”に成長できたとして、その新卒社員はその後もずっと“ソルジャー”としてのキャリアを歩んでいくのだろうか。転職先には困らないとはいえ、なかなかにハードな生き方に思えるが――

「個人的には、案外、今回の“楽天新卒組”の中から、将来自分で起業して大成功する社長が出てくるのでは、と思っています。よほどの天才でもないかぎり、仕事の能力や効率化には限界があります。結局そういう理詰めの部分は、みんな似たり寄ったりの横並びになりがちなんですよね。そうなると、一周回ってものをいうのは結局生命力、狩りの能力、ドブ板営業力。ネットでぶつくさ文句を言っている人よりも、よほど将来有望な気がするんですよ」(前同)

ネットで賛否が渦巻く楽天“新卒問題”、読者はどうお考えだろうか。記者個人としてはそれでも、どうしても楽天で働きたいとは思えない。

楽天カードや楽天モバイルは便利に使わせてもらっているが、仕事として友人や親戚に楽天カードや楽天モバイルの契約をお願いして回るのは何だか生理的に嫌なのだ。そんなふうに感じてしまう時点で、ひょっとすると時代に取り残されているのだろうか?

【関連】幻の駄菓子屋ゲーセン『ばっちゃん』は本当に実在したのか?1プレイ20円、マリオではなくマサオ…昭和の小学生を魅了した尼崎の社交場

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image by: Guillaume Paumier, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

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