カリスマ稲盛和夫が教えてくれた「希望を与えるリーダーシップ」のとり方

San,Diego,,Ca,,Usa,-,July,9,,2022:,Kyocera,International
 

京セラやJAL再建で辣腕を振るったカリスマ経営者の故・稲盛和夫氏は、日本を代表する良きリーダーであったことは周知の事実ですが、なぜ、彼はそこまでリーダーシップをとることができたのでしょうか?無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、稲盛氏をよく知るお二人の対談から、稲盛氏の「希望の与え方」について語っています。

稲盛和夫の「希望を与えるリーダーシップ」

世のため人のため、善きことを思い、善きことを行う。この信念のもとに京セラを世界的優良企業に育て上げ、第二電電(現・KDDI)の創業や日本航空の再建を成功に導いた稲盛和夫さん。

その稲盛さんのリーダーとしてのあり方を、稲盛氏に長年仕えてきた大田嘉仁さんと、評伝の執筆を通じて稲盛氏の実像に迫ってきた北康利さんに語り合っていただきました。

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〈大田〉
稲盛さんと接してきて実感するのは、人に希望を与える力があることです。特命秘書を命じられた時、稲盛さんは躊躇する私に「二人で日本を変えよう」とおっしゃいました。稲盛さんはそういう、人を奮い立たせるような言葉を自然に言える人なんです。

〈北〉
非常に力のある言葉ですね。

〈大田〉
京セラがまだ零細企業でしかなかった時には、

「京都一、日本一、世界一のセラミックメーカーになるんだ」

と皆に説いて希望を与えました。第二電電、JAL、盛和塾でも同様に、こういう考え方をすれば絶対いい人生が送れると確信に満ちた言葉で導いていく。稲盛さんは、多くの人に希望、つまり生きる力を与えることができるリーダーだと思います。

なぜそのような力があるのかというと、強さと優しさ、プラス人間臭さというものを非常にバランスよく持っておられるからだと思うのです。

しかし、それは先天的なものではなく、希望を与えられる自分になろうと努力を重ねたことで養われたものだと私は思います。どんなに厳しい環境にあろうと、人を引っ張っていくためには夢や希望を与えなくてはならない。だから自分が辛くても明るく振る舞おう、相手の善いところを見つけてそれを伝えていこうと。

稲盛さんは、社員の心を一つにするためにコンパを頻繁に行ってきましたが、業績が悪い時は、いつもはあまり言わない冗談を言ったりして、明るく振る舞うんです。帰りがけに「きょうは楽しかったですね」と言うと、

「いや、しんどかった。皆を励まさないといかんかったからな。しかしそれが俺の役割なんだ」と。

〈北〉
そんなことがありましたか。

〈大田〉
盛和塾にあれだけ多くの人が集まったのも、稲盛さんが希望、エネルギーを与えてくれたからだと思うのです。

普通のコンサルタントならここがダメ、あそこがダメと言うところを、稲盛さんは「君は考え方をこう変えれば絶対成功する」と確信を持って言ってくれるので、この人を信じて頑張ろうと心が奮い立つんです。

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※『致知』2023年10月号「出逢いの人間学」より一部抜粋。

image by: JHVEPhoto / Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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