記録的な大雨により、各地で洪水被害が拡大している中国。南部地域では6月だけでも多くの死者が出るなど、事態は深刻度を増しています。今回、台湾出身の評論家・黄文雄さんが主宰するメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、詳しい被害状況を伝えるとともにその原因を考察する記事を紹介。さらに当局の「治水の失敗」が習近平政権を終焉に導きかねない理由を解説しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【中国】最近の中国で甚大な水害が発生する人的理由と高まる習近平への怨嗟
中国の洪水被害は「人災」か。人民たちの間で高まる習近平への怨嗟
● 洪水で流された中国洞庭湖堤防226メートル、決壊後79時間で復旧
中国南部の各地で洪水被害が相次いでいます。湖南省では、中国で2番目に大きい淡水湖の堤防が決壊してしまいました。以下、報道を一部引用します。
5日午後5時48分ごろ、湖南省岳陽市華容県洞庭湖の堤防の一部が豪雨で決壊した。当初崩壊した堤防の長さは約10メートルだったが、同日午後9時ごろ、100メートルに拡大した。
砂と砂利5万トンとトラック18台が決壊を防ぐために動員されたが、6日12時基準で崩壊範囲は約226メートルに拡大した。深さ5メートルで47.64平方キロメートルの面積が水に浸かった。
幸いに当局が近隣住民7,680人を緊急避難させ、人命被害はなかった。当時、タジキスタンを国賓訪問中の習近平国家主席は、堤防決壊の知らせを聞き、住民の生命と財産保護に万全を尽くすように指示した。
● 洪水で流された中国洞庭湖堤防226メートル、決壊後79時間で復旧
同時期に、「広東省の梅州では21日までに複数の地区であわせて47人の死亡が確認されたほか、福建省でも8人が死亡した」。
● 中国南部 大雨で50人以上が死亡 土砂災害や浸水など被害相次ぐ
先月から暴雨が続き、被害も急増している。中国で最も大きなダムである三峡ダムが放流量を調整しているが、川沿いに位置した安徽省、湖北省、湖南省は水中都市になった。
● あっという間に駐車場に流された人々…中国長江、氾濫の危機に
江西、貴州、広東、福建の各省と広西チワン族自治区で数日にわたって激しい雨が続き、当局によると土砂崩れなどで9人が死亡し17人が行方不明になっている。
● 中国の水害対策、厳しさ増す 洪水シーズン入りで習主席が警告
日本や韓国でもゲリラ豪雨や集中豪雨による河川の氾濫がよく起こるようになっています。その原因は地球温暖化だとも言われています。
● 韓国南西部地域、夜中に激しい雨…完州では住民10人余りが孤立、1人が連絡途絶
● 10日 広く梅雨空が戻る 激しい雨や雷雨も 土砂災害や河川の氾濫など厳重警戒を
ただ、中国の場合、このところ毎年のように各地で大きな洪水が発生し、多数の死者を出しています。その被害規模は日本の比ではありません。
湖の堤防が決壊したニュースについては、そもそも中国のインフラ整備が悪い可能性もあります。
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