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福岡のご当地スーパー「ダイキョーバリュー」に行列ができてしまう理由

あなたの身近にあるスーパーマーケットはどんなお店ですか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、行列のできるほど人気があるローカルなスーパーマーケットを紹介しています。

なぜ、私の地元のスーパーは、福岡のスーパー「ダイキョーバリュー」をマネしないのか?

私が日常的に車で移動する生活圏には、中堅スーパー1店舗と地元のチェーン店が5店舗あります。

田舎でありながら、買い物に困るということはなく、恵まれた環境だと言えます。

しかし、1店舗を除いては、繁盛しているとは言い難く、いつ潰れても不思議ではありません。

これらのお店に共通しているのは、品揃えの悪さです。

仕方のない部分もあるのですが、売れ残りや廃棄を恐れて、新商品はほとんど扱わず、定番品のみを並べています。

しかも、バリエーションはありません。

お客さまに選択肢がないのです。

選ぶ楽しさがないお店に行きたいとは思いません。

比較的お客さまの多い1店舗だけが、新商品の入荷も早く、品揃えも良い方です。

このお店のひとり勝ちだと言っても良いでしょう。

とは言え、地元の人がそれで満足しているわけではありません。

この地域では一番使えるお店だというだけのことです。

お店の少なかった20年前と比べれば、非常に便利になりました。

しかし、人の欲は“もっともっと”となり、テレビで観るようなお店を求めるようになります。

また、最近は食への探究心が強くなり、スーパーの惣菜や弁当にも、さらなる美味しさ・珍しさを求めています。

テレビで観る人気スーパーのそれは、とても魅力的です。理想的な姿です。

その中では、ご当地スーパーも紹介され、地元で大人気となり、スーパーなのに行列ができるようなお店も登場します。

その中のひとつが、福岡のスーパー「ダイキョーバリュー」です。

福岡に4店舗ある、ローカルスーパーです。

1978年創業で、当初から手づくり惣菜に力を入れてきました。

長年地域に根ざし、人びとに愛されてきたのです。

しかし、全国チェーンが進出し始めた頃から、客足が鈍くなり、危機感を持ちます。

そこで、大手に対抗すべく、日曜朝市を開催したり、より惣菜・弁当に力を注ぐようにしました。

常にお客さまを呼び込むには、美味しさの追求はもちろんですが、飽きさせない工夫が肝心です。

特に、食に関しては、「いつ行っても同じ」では、お客さまが他店に流れてしまいます。

引き留めるためには、頻繁に新商品を投入し、行く度に新しい商品を手に取ることができるようにする必要があります。

常に新しいものが並んでいれば、行くことが楽しくなります。

「ダイキョーバリュー」は、そこを目指し、日々商品開発に力を注いでいます。

その中心となっているのが、惣菜部部長の女性です。

4人の子どもを育てた経験を活かし、次々にユニークな新商品を生み出しています。

「最強ののり弁」をはじめとする、1000円超えのドカ弁シリーズ。

「カモネギ」「焼き鯖めんたいクリームチーズ」「豚角煮玉子」「厚切りベーコン」などの巨大具材が入った、ソフトボール大の「具バリバリおにぎり」。

醤油ダレに漬けた半熟玉子を、たくあん、とびっこ、ごま油、韓国海苔を混ぜ込んだご飯で包み、さらにその上に焼き海苔を巻いた「日本でいちばん危険なおにぎり」も大人気となっています。

また、「博多長浜あんかけチャーハン」「オムポーホットサンド」「あご出汁の美味しい鶏鍋」「うな玉丼」「どてコロ」「窯焼豚足」など、スーパーではあまり見掛けない商品がたくさん並んでいます。

その数、100種類以上。

さらに、マリトッツォの進化形で、おはぎに特製クリームを挟んだ「はぎトッツォ」は、爆発的に売れ、専門店まで誕生しました。

いま紹介した商品たちは、スーパー・コンビニの全国大会「お弁当・お惣菜大賞」で、2013年から12年連続受賞している、選ばれしものなのです。

2023年には、13品が受賞するという快挙も達成しています。

素晴らしいお店。楽しいお店。行きたくなるお店。

こんなお店が地元にあるなんて、何という羨ましさ。

そこで、私は思ってしまいます。

同じような田舎なのに、この違いは何なのか。

どうして、私の地元のスーパーは参考にしないのか。どうして、マネしないのか。

テレビを観ていないのか。情報集めをしていないのか。

ただの勉強不足? 手抜き?

お店が潰れても良いのでしょうか。

そのままマネしては、“パクリ”になってしまいますが、発想はマネしても良いのではないでしょうか。

こんなお店があるのは、生活者として、とても羨ましいことです。

こんなお店があれば、日々の暮らしが楽しくなります。

人びとが楽しくなれば、街に潤いが生まれます。活気が戻り、活性化にも繋がります。

生活の豊かさは、生きる糧にもなります。

スーパーが、そこに導いてくれるのです。

こんな素晴らしいことはありません。

集客で悩んでいるスーパーは、他店をマネすれば良いのです。

良いところをどんどん見習って、そのノウハウを自身のものにしましょう。

すると、オリジナルが生まれるようになり、地域に欠かせないお店になることができます。

image by: 1000 Words / Shutterstock.com

佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント)この著者の記事一覧

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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