M&Aでかかった税金は節税できない?税理士が王道の抜け道を伝授

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M&Aが成立した際にかかる税金。買収後の経営に節税効果を生みだす王道の方法を無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』。著者の現役税理士・今村仁さんが紹介しています。

【王道】『役員退職金』を使って、売手も買手もハッピー節税!

■一般的な株式譲渡の税金

一般的な株式譲渡でM&Aが成立した場合の売り手と買い手の税金は、下記となります。

売り手株主個人→譲渡対価×約20%(株式譲渡所得課税)

買い手法人→原則無税

買い手は無税ではあるのですが、大金となる譲渡対価を支払ったにも関わらず、株式譲渡においては一切経費になりません。

一切経費にならないとは、M&A時に仲介業者等に支払った「成功報酬ですら経費にならず」、譲渡対価と共に「資産計上」となるということです。

この資産計上したものは、買収後に減価償却なども計上出来ません。

つまり、買収後の経営において「節税効果が一切無い」ということになります。

■役員退職金を使った売り手節税

例えば、時価純資産6,000万円の会社に営業権を4,000万円として、トータル6,000万円+4,000万円=1億円にて、会社を株式譲渡で売却したとします。

(1)
売り手株主個人の税金は、1億円×約20%=約2,000万円となります。

しかし時価純資産6,000万円のうち3,000万円を、売手社長を中心とした家族役員に退職金として支給後、譲渡対価をその分下げて1億円-3,000万円=7,000万円で売却した場合の税金はどうなるでしょうか。

(2)
社長含む家族役員退職金3,000万円→無税(厳密には勤続年数等による)

譲渡対価7,000万円→7,000万円×約20%=約1,400万円

(1)ー(2)=2,000万円-1,400万円=600万円の売り手節税となります。

■役員退職金を使った買い手節税

買収前に役員退職金を支給するスキームを行っても、買い手が実質負担する金額は1億円で変わりません。

しかし、税務会計上は、買収会社の費用項目に「役員退職金3,000万円」が計上されます。

役員退職金が法人税法上の損金算入限度額を超えていないとすると、「3,000万円×実効税率30%=900万円」の節税効果が買い手に産まれます。

つまり、M&Aでは「王道」の節税対策といえる「役員退職金スキーム」を使うと、売り手も買い手もハッピー節税となりますので、覚えておいて下さい。

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【著者】 マネーコンシェルジュ税理士法人 【発行周期】 週刊

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