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Luup監査役に元警視総監、電動キックボードが浮き彫りにした警察のモラルハザード

トラブルが続出している電動キックボード「Luup」が元警視総監を新たに監査役に迎えたことで「天下りではないか」と批判が巻き起こっています。Luupが法改正のためのロビイング活動に積極的だったこともあり、なんらかの利権があったのでは?との疑いの目を向けられていたなか、メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では、この事例を引き合いに、警察とマスコミの構造的な問題にメスを入れます。警察と検察の組織構造の違いから始まり、警察の天下り問題、さらには交通事故に関わる薬害に至るまで、警察が国民を欺いている実態について深掘りします。

※本記事のタイトル・見出し・図版類はMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:292回 警察モラルハザード

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警察はテレビに批判されないからやりたい放題

警察と検察の最大の違いは、一般的に検察官は司法試験に受かっているので、やめても弁護士になれる。

警察は、上に逆らわずに勤め上げれば、それなりの天下り先が用意されるが、上に逆らって途中でやめると、ただの失業者になってしまう。

だから、上に逆らいにくい組織になっている。

それはそれで問題なのだが、最後まで勤め上げた際の天下り先がどんどんひどくなっている。

前にも問題にしたように、前の警察庁長官(例の中村格)は、クレジットカードが使えず、現金取引しかしないコスモス薬品の顧問になっただけでなく、週刊新潮のスクープでは工藤会の元幹部が経営している会社の顧問にもなったそうだ。

さらに今週の文春オンラインでは、元警視総監の樋口建史氏が電動キックボードの最大手Luup社の監査役についたことが問題視されている。

この電動キックボードは本当に危ない。

運転する側には、邪魔でしかたないし、歩行者も相当危険な目にあっている。

実は、2023年の7月に道路交通法が改正されて、最高時速20キロメートル以下などの基準を満たせば、免許なしでも走行可能になった。ヘルメットも努力義務になった。そのおかげでユーザー数が大幅に伸びた。

当初から、電動キックボードにあまりに甘い規制に、なんらかの利権が動いていると噂されていたが、ここまで露骨にやるということは、警察が完全に大衆をなめているからだろう。

実際、本来、推定無罪の容疑者は警察が逮捕したとたんに実名報道に切り替えられるが、それを人権を無視して大々的に取り扱うテレビマスコミは警察の情報がないと番組が作れないので、警察の言いなりになっている。

公益通報をした人を逮捕した鹿児島県警本部長も、ほとんどマスコミは扱わなかった。斎藤県知事とはえらい違いだ。

しょっちゅう電動キックボードの危険性を訴えるテレビマスコミも、この天下りについてはだんまりを決め込んでいる。

どうせどんな汚い天下りをしても、テレビは警察を批判しないのを知っているから、警察はやり放題だ。

以前、最大手パチスロメーカーのアルゼに警視総監が顧問就任したことがあったが、これもほとんど知られていない。

パチンコと言えば、三店方式というやり方で、パチンコ店は景品しか出さないから、ゲームセンターと同じという理屈だが、それを景品交換所で買ってもらって、公然とギャンブルがまかり通ってしまっている。

それによって、パチンコ依存症の人が少なく見積もって、200万人、多く見積もれば500万人いて、多くの人間の人生を狂わせ、大量の自殺を出している。

この3店方式を考え付いたのも警察の人間だ。

警察の許認可とか、取り締まりがからむ業種には天下りを禁止しないと、それで甘い汁を吸って儲ける人間と、それで苦しめられる、あるいは殺される人間が出てくる。

警察でももちろん真面目に働いている人間はいるが、とくに幹部クラスにはモラルのない人間がいっぱいいる。

市民の治安が脅かされている現在、政治が警察をしっかりさせなければならないが、どの党も、いくらでも拡大解釈が可能な公職選挙法の実際の運営を警察が仕切っているので、怖がって、警察批判をしないのが恐ろしい。

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アメリカの警察庁との違い

さて、尊敬する医師の岡本卓さんがJAMAの最新の論文を送ってくれた。

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2824668

JAMAというのはアメリカ医学会雑誌で、もっとも権威ある医学雑誌の一つだ。

それによると15万人の対人事故を起こした高齢者を調べてみると、事故前に80%の人が運転障害薬を飲んでいたということだ。

残念ながら、アメリカでも、薬のせいだという認識がないために、事故を起こした人のほとんどが薬をやめていなかった。

しかし、これらの薬が危険であるということには十分なエビデンスがあると米国道路交通安全局によって強調されていたのだ。

アメリカでは、警察庁の交通課にあたるところが薬の危険性を強調しているが、日本では警察庁の長官がコスモス薬品に天下るような国だから、警察はまったく薬の危険を問題にしない状態が続いている。

本当は薬のせいである交通事故を年齢のせいにして、無理矢理、事故とは関係のない認知機能を強制的に調べさせる法律を作って、そこでも利権が発生している。

警察は、いくら要介護高齢者が増えても、自分たちの利権のために、高齢や認知機能のせいで事故が起こると嘘をつき続けている。

我々が子どものころは嘘つきは泥棒の始まりと言われたが、警察が嘘つきの権化なのだから、泥棒とか闇バイトが増えても仕方がない。

そして正義の味方づらをするマスコミも、自分たちの年収1500万円を守るために、薬のせいである交通事故を、歳のせいであるとして、薬の害を隠蔽し続けている。

そして、医者たちも薬のせいであることさえ疑わない。

少なくとも、アメリカのほうが高齢者の薬の処方は日本よりはるかに少ない。

それなのに、日本ではそれが腐ったマスコミと警察のために問題にされず、年齢のせいにされて、高齢者はどんどんヨボヨボにされ、騙されて免許を返すと6年後の要介護は2.2倍に増えるのだ。

外国では、高齢者の事故が薬害であることがスタンダードになっていることは知っておいて損はない。

それを警察官僚の天下り先確保やテレビ局社員の年収1500万円確保のために年齢のせいにされているのが日本なのだ。

相変わらず同情するふりをして、年金の少ない高齢者の特集をモーニングショーでやっていた。

今回のコメンテーターにはインチキ弁護士が入っていなかったが、それにしても、こういう苦しんでいる高齢者に生活保護という手段があることを伝えるのが公共放送の使命だと思うが、そういう発想はなさそうだ。

政治が悪いせいにしたいのだろうが、日本の福祉はちゃんと利用法を知っていれば、それほど悪くない。

ところがこうやって公共放送が使い方を教えないほうがよほど問題だ。

ただ、この問題をYouTubeで取り上げたら、ものすごい反響があったが、そんなに甘いものでないというお叱りのメッセージをいただいた。

田舎だとバッシングがひどいのだという。

これも田舎の役場の人間が平気で情報漏洩をするから、生活保護を受けているとすぐにバレるからだそうだ。

ただ、そういう情報漏洩は明らかに法律違反なのだから、告発できなければいけない。

それを警察が捕まえないということでは究極的には警察の犯罪ともいえる。

生活保護は国民の権利なのだから、そういうバッシングも捕まえる法律を作ってほしいのだが、警察がこんなにひどい国なのがよほど問題だ。

ヘイトスピーチより性質が悪い。

こんなことだから、国民が貯蓄に回って、いつまでも景気がよくならないのだ。

ちなみに年金が8万円しかない人は、約5万円生活保護をもらうことができるのだが、生活保護の人は貯金が禁止なので、まるまる消費が5万円増える。

消費が足りない国だという自覚をもっともってほしい。

だいたい東京のテレビ局というのは、お金持ちのボンボンの集まりだ。(つづく)

 

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