なぜ残業ゼロにならない?元マッキンゼー勤務のコンサルが教える仕事スピードアップ術「8つの工夫」

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よく「働きすぎ」と言われる日本人ですが、これは心身ともに悪影響を及ぼす「社会問題」の一つとも言えます。残業せずに仕事をこなすには、小さな仕事でも工夫一つで効率アップが可能です。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーにも勤めていた赤羽雄二さんが、ご自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』の中で、残業ゼロを実現するために「日頃からできる8つのチャレンジ」を伝授しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:残業ゼロを実現する仕事のしかた(『最速のリーダー』)その12

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ほとんどの仕事は数倍速くできる

私はコマツからマッキンゼーに転職したときの経験、マッキンゼーをやめて独立したときの経験、また長年にわたる大企業の経営改革やベンチャー支援の経験から、ほとんどの仕事は数倍速くできると考えています。

みんな、あまりにもムダが多いし、少しでもスピードアップしようという努力をほぼしていないからです。「早く家に帰りたいな」とか、「この仕事早く終わらないかな」と思うことは多々あっても、「じゃあ、今週、この仕事を1割早く終えるようにしよう」といった努力をしないのです。

多くの人が「山積みの仕事を何とか片付けよう」とか「もう木曜日になっちゃった。明日の夕方までに何とか終わらせなくちゃ」というところで止まっているようです。

したがって、会議や書類削減という会社・部門レベルの解決策もさることながら、個人として一人ひとりのスピードアップが劇的にできると考えています。

残業ゼロを目指すには、次の8項目に思いっきりチャレンジしていただければと思います。それでもどうしてもスピードアップしないという人はメールでご相談ください。すぐお返事します(akabaアットマークb-t-partners.comへどうぞ)。

8つのチャレンジはこちらです。普段、どのくらいやっておられるでしょうか。

  • チャレンジ1 日々加速……仕事を日々加速する
  • チャレンジ2 先手必勝……困難な仕事ほど、すぐに着手する
  • チャレンジ3 仕込み万端……普段から準備しておく、仕込んでおく
  • チャレンジ4 即断即決、即実行……ためらい、迷い、躊躇は時間のムダ
  • チャレンジ5 超高速PDCA……「瞬時に」「高速で」「何度も」改善し続ける
  • チャレンジ6 上司マネジメント……上司を巻き込み、活かしきる
  • チャレンジ7 他部門連携…… 普段から他部門のキーパーソンと話し、関係をつくっておく
  • チャレンジ8 好循環 ……2歩手前から種まきをし、好循環を生み出す

チャレンジ1:日々加速・・・仕事を日々加速する

すべての仕事はどんどん加速できます。慣れますし、何よりこれまでムダが多かった分、効率よく行うコツがつかめれば、時間短縮が可能になるでしょう。

1.単語登録:単語登録を200語ほどすると「自分はこんなに早くメールを書けたんだっけ?」と驚くほどになります。「グーグル日本語入力のほうが早い」と言う人がよくいますが、細かく単語登録したほうが的確に自分の思った通り、最小ストロークで書けるようになります。

短文も、よく使うURLも、よく使うメールアドレスも、会社住所も全部単語登録できますので、メールを書いたり、書類を作成したりするのが楽しくなります。

2.書類テンプレート作成書類を作成するごとにテンプレートを作成すると次から3分の2~2分の1の時間で作成できるようになります。テンプレートを作成する際には、書類の表紙や前書き、後書きなどはもちろん残しておきますし、パターンがあれば複数の文例を並べておきます。

3.文例フォルダの作成、活用:メールの文章で謝罪、依頼、変更通知など、また使いそうなものはすべてメールごと「文例フォルダ」に入れておきます。私はデスクトップに文例フォルダを置いています。再利用しそうなメールはデスクトップにドラッグアンドドロップしてコピーをつくり、ファイル名の最初に日付をつけて投げ込んでおきます。

ただ、Gmailの場合は、デスクトップ上にコピーをつくれませんので、パワーポイントかメモ帳で「文例ファイル」を一つつくり、そちらに文例を貼っておくとよいと思います。

4.ショートカットキー利用PC操作上のショートカットキー活用は絶対に必要ですが、他の方のPC操作を見ていると初歩的なものも使ってないことが多く、驚きます。残業ゼロも何も、プロとしても「顔を洗って出直してこい」のレベルです。

ウィンドウズの場合は、「コピー: Ctrl+C」あたりは常識でしょうが、「コピーして削除:Ctrl+X」になるとやや心許なく、「ブラウザを閉じる:Ctrl+W」を知らない人が多いようです。プレゼンのとき、一生懸命カーソルを右上のXマークまで数秒かけて持っていこうとするので、すぐわかります。

資料作成はパワーポイントやワードがよく使われており、書いてある行と別の行の順番を入れ替えることが多く発生します。ざっと書いたものを仕上げるためにです。これは「Shift+Alt+↑」あるいは「Shift+Alt+↓」で瞬時にでき、時間を大きく削減できます。文章を浮かんだまま書いて、その後、あっという間に編集できるからです。

5.あらゆるスピードアップの工夫これはもうきりがありません。大きいレベルから小さいレベルまでいろいろあります。0.5秒でも短くなりそうな工夫は全部しています。

毎日新しいものを見つけます。「この程度はいいや」という考えは完全に捨てて工夫し続けるのがポイントです。

  • 何でもすぐ相談できる相手を何人も見つけておく
  • 受け取った資料は数ページなら2、3秒で見て捨てる
  • 数十ページの資料でも、2、3分で見て適切なフォルダに保存する
  •  資料を瞬時に保存し、いつでも見つけられるようにするため、30~50のフォルダをつくっておく(私の場合、仕事柄、AI、ロボット、自動運転、ブロックチェーン、愛着障害、日本の問題など50以上に分けています)
  • 資料は、最初にアウトプットイメージをさっと作成する
  • 机の周りの文房具、資料はすべて瞬時に取り出せるようにする
  • 探し物がほぼゼロになるようにする
  • PCのブラインドタッチのミスを徐々に減らしていく
  • キーボード入力をさらにスピードアップする
  • 「海外出張に持っていくもの」「PC買い換え時にすること」などを1ページに書く
  •  スーツケースには、「ケーブル類」「薬」「ホッチキス・つめきり・くし」などと書いたファスナーつきの透明ビニール袋を10枚ほど入れておく
  • 用紙、トナー、インクカートリッジなどは必ず予備を十分に買っておく
  • プリンターに補充する用紙は瞬時に取り出せるように、包装紙を大きく破っておく

いかがでしょうか。こんな細かなことをと思わず、やり続け工夫し続けることで日に日に加速していきます。あと数十ありそうですが、このへんで止めておきます。

チャレンジ2:先手必勝・・・困難な仕事ほど、すぐに着手する

残業ゼロは簡単なことではありません。長年、仕事を続けていると困難な仕事が多くなります。どうしてもそういう仕事は後回しにしてしまいがちですが、後回しにすると必ず難しくなります。時間に追われ、人にも相談しづらく、プレッシャーも四方八方からかかってくるからです。

「先手必勝」と念仏のように唱え、一番難しい仕事に目をつぶって飛び込んでみるしかありません。何回かやっていると、だんだんと習い性になっていきます。そうなるまで、同期4、5人で仲間をつくり、「先手必勝会」をやってはいかがでしょうか。

週1回、始業前あるいは金曜18時などに集まって、「今週(来週)はこの残業削減について先手必勝するぞ!」と宣言し合うだけです。それだけでも大いに違います。

あとは、「こういう先手必勝をして残業削減の成果を上げました」というブログを書くことです。読書記録としてのブログを書いている人は多いと思います。その仲間ですね。人と言い合う、宣言する、というのが気持ちの弱さを補ってくれます。

先手必勝についてのブログを20~30記事も書いていると、必ず話を聞きたいとか、取材させてほしいという依頼が来ます。そうなるといよいよ後に引けなくなるので、先手必勝をもっとうまくやる方法を工夫したりして、好循環が始まります。

チャレンジ3:仕込み万端・・・普段から準備しておく、仕込んでおく

シェフや板前さんにとって仕込みが重要であるように、仕事の質もスピードも仕込みが鍵になります。仕事においての仕込みとは、次のようなものを指します。

  • 残業削減を始めるため、自分の過去2週間の時間の使い方を整理しておく
  • スピードアップすべき業務を洗い出すため、仕事の速い先輩を観察しておく
  • 企画書をつくることがわかっていたら、関連情報を先に集め始めておく
  • 新しい業務につくときに、経験のある先輩、同僚、友人から話を聞いておく
  • 出張前にはある程度の下調べをしておく
  • 重要なインタビュー時には、事前に関連情報に全部目を通しておく
  • 初めて仕事でエクセルやワードなどを使うなら、その前に少し触っておく 
  • 他部門との連携が必要なら、同期などに依頼して知識を増やしておく
  • イベントを担当するなら、2、3の該当場所を先に見ておく
  • 部下のコーチングを任されそうなら、関連図書を少し読んでおく

ちょっとしたことですが、少しでも頭出しをしておくのとそうでないのとでは、心の余裕が違い、初動が異なり、プレッシャーが違ってきます。

好循環になるか、悪循環になるか、この時点で決まると言ってもよいほどです。仕込みをするには、普段から何にでも好奇心と関心を持って見ておく必要があります。仕事だとか義務だとか思ってしまうと、そういったモードにはなりません。ハングリー精神や向上心が強いかどうかに大きく関係します。

チャレンジ4:即断即決、即実行・・・ためらい、迷い、躊躇は時間のムダ

上司の即断即決、即実行についてしばらく前にご説明しましたが、ここでも考え方はーーー。(『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2025年2月10日号より一部抜粋。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

 

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ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内26冊、海外28冊。合計131万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

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