デメリットがありながらも、メリットも多いと言われる「高級飲食業態」ですが、そこへ参入するためには何が“必要”なのでしょうか。そんな疑問に答えるのは外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。堀部さんは、自身が発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、支援先の企業が高級業態へ参入した際に導入した「安定感のある取り組み」を紹介しています。一体どんな取り組みだったのでしょうか?
居酒屋から高級業態立ち上げで営業利益率18.3%を達成できた理由
属人性は高い。多店舗展開はし辛い。
しかし成功すれば、
- 単店での利益率が高い
- 働く人の幅が広がる
- 全社の料理品質が高まる
- 会社のイメージにも良い
などもあって高級業態へ参入をされるところも。今日はその中で安定感ありつつ、再現性高く出来ている取り組みの特徴。
この辺りをまとめてみました!
■初期投資のイメージ
基本的にはミシュランなどの実績のある建築家の方にお願いすることが多いです。
投資額としてはやはり高まっており、
工事代金→坪130万円くらい
設計士→総額の10-15%手数料
こんな感じですね。
最近だと坪数は20坪くらいで、カウンター10数席と個室1つ2つキャパ。
これで工事代金は2,600万円。これに設計手数料300万円くらい。
それ以外に、
厨房機器→250万くらい
器代→300万くらい
その他調理器具や細々したもの
なので3,500-4,000万くらいで1店舗を作るようなイメージです。
もちろんこだわるともっとかかりますが、気持ちこんなものかなと思います。
■採用はどうするのか?
めちゃくちゃ質問される事が多いのですが、主に三つの経路です。
- 有名店の3番手くらいの方ヘッドハンティング
- indeedでの募集
- 内部からの抜擢
一つ目はもちろん属人的。
二つ目に関しては
「店主、料理長として腕を試したい人」
「トップとして力を発揮したい人」
みたいな切り口での訴求。
三つ目に関しては言わずもがなですね。
ただもちろん居酒屋などのように3ヶ月後にオープンが決まったのでそこから採用を急ぐ!では難しいです。
特にすぐには辞められないポジションなので半年前くらいから準備しだすのが大切です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■PLシミュレーション
料理人の力を発揮しながらも属人性に凝り固まらないようにする。
そのポイントは、
- 原価の掛け方
- 劇場型の演出
この二つになってきます。
原価に関しては「シンプルに美味い食材力」を活かせるイメージです。
そのため原価率は35-40%のレンジで。ここの適正値はリピート率を見ながらですけ。
後者に関しては基本的にカウンター前調理で焼・揚などの加熱調理を「魅せる」店づくり。
ここをポイントにしていきます。
その結果PLとしてはこんな感じです。
売上 :6,000,000円
原価 :2,100,000円(35%)
人件費:1,500,000円(25%)
家賃 :300,000円(5%)
水光 :180,000円(3%)
減償 :360,000円(6%)
手数料:120,000円(2%)
消耗品:180,000円(3%)
その他:180,000円(3%)
営利 :1,140,000円(18%)
平月でざっくりこのような感じです。原価に関しては上述の通り。
人件費に関しては、
店主:400,000
二番手:300,000
若手:230,000
バイト:300,000(売上の5%程度)
上記に対して賞与積立金と法定福利費や旅費交通費を足したらざっくり25%です。
細かい金額は各々のあり方やスキルで変動するとして、基本的なルールはこんな感じです。
- 社員さんは3名
- アルバイトさんは売上の5%以内
- 人件費率は25%以内
ここを実現できないと固定費高い分全く利益は出なくなります。
とても重要なのがーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年2月24日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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