販促ツールが多岐にわたる現代、何をどう活用するかに頭を悩ませる企業も多いのかもしれません。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんのご支援先でも、もちろんその悩みは尽きず、広告運用の基礎設計を見直したそうです。その詳細を、堀部さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で紹介しています。
年商200億企業の広告宣伝費に関する2つのルール
食べログ
SNS
Google
ぐるなび
ポスティング
販促ツールはどんどん多岐に渡り、武器は増えども、どう活用するか?
これの難易度は片手間でやるには高まってしまいました。
理想的には販促なんてしなくとも、常連様が多く、そこからの口コミで新規様も増えて繁盛している形。
これだとより原価にもコストをかけられよい好循環が回っていきます。
しかしいきなり繁盛店!なんて少数派。多くが集客に苦しみ試行錯誤をし、積み重ねていき人気店にしていく訳です。
今日はちょうど年商200億超のご支援先にて広告運用の基礎設計を見直したので今日はそこをベースに見ていきます。
■一つ目のルール:損益分岐点は初月から突破
・既に認知のあるブランド
・勝てる立地での出店
この場合だと初月から爆発するので、損益分岐点とかよりもオペレーション。どこまで下限品質を高められるか。
ここに注力すると思います。しかしそうでない場合もありますよね。
攻めた立地での展開だったり、攻めた業態での展開だったり。
もしくは初週で「やばい初速遅い」という時。
こんな時でも徐々に売上を上げるではなく、必ず損益分岐点を超す運営に慣れていきつつちゃんと利益を出す構造にする。
ここを基本ルールにしています。
売上低くても徐々にという声もありますが、損益分岐点を下回る中で最適化すると結果苦しみます。
低い売上で最適化すると、仕組み自体を毎回変化させる必要が出ます。
そうなると人は変化を嫌いやすいので古参バイトさんの離脱にも。
だからこそちゃんと利益を出せる忙しさをキープした上で最適化を考え続ける。これは大事にしたい部分です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■差額対策を行う
目標集客組数を決めない。
意外とこの企業さんが多いのですが、これは決めておいた方が良いです。
必要組数=(目標売上-想定売上)÷組単価
計算としてはこれだけです。
例えばこんな感じ。
目標売上:6,000,000円
想定売上:5,000,000円
↓
差額対策:1,000,000円
組単価 :5,000円
↓
必要組数:200組=1,000,000円÷5,000円
このように「やばい!」という時こそ、具体的に「追加努力」としてやるべき事をまとめています。
この組数を獲得するために、色んな施策を矢継ぎ早に仕掛ける訳ですね。
■販促の原則ルール
上記であれば「200組」が必要。
じゃあどう仕掛けていくか?ですが、販促なんて公式は本来シンプルなもんです。
組数=アプローチ数×来店率
このたった二つの掛け算なだけ。
これが媒体によって色んな横文字になったり、アプローチ数を分解するから細かくなるだけ。
・何人にアプローチしたの?
・そのうち何%が動いてくれたの?
たったこれだけを抑えれば良い訳です。
■媒体別の来店率について
来店率がわかればアプローチ数はでますよね。
仮に全ての来店率が1%なら、200組=20,000アプローチ×1%
このようにどうやって2万人にアプローチするか?だけを注力すれば良い訳で。
じゃあそもそも来店率は何%で集客の計画を組み立てれば良いのかです。
ざっくりですが、
食べログ :0.5-1.0%
ポスティング:0.8-1.5%
Google :0.3-0.6%
ぐるなび :1.0-1.5%
大体こんなイメージです。SNSは投稿に対する来店率が条件にてバラバラ過ぎるので一旦除きます。
これにて何がもっとも効率的で何が最も利益に繋がるのか。
これの選択をし続ける訳です。その詳細が次の内容です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■二つ目のルール:長期的な利益確保
LTV×30%>CPO
これがこのご支援先の絶対的にルール。成り立たないなら売上を取れてもやりません。
LTV:顧客生涯価値=組単価×年間平均来店回数×平均継続年数×粗利
CPO:顧客獲得コスト=販促費÷来店組数
例えばこちらのある業態のLTVはこちら。
33,500円=20,000円×2.5回×1年×67%
平均的にご新規様を獲得すると、粗利ベースで33,500円になる訳です。
それの30%。言い換えれば「コストの3倍粗利出して」ですね。
10,050円=33,500円×30%
組単価20,000円なのに、顧客獲得コストが10,050円!?
全く儲からないじゃないか! となりますが、その通りです、1回目じゃ儲かりません。
1年をかけて儲かる形にし、そのお客様が2年目にも来てくださるなら良い高い粗利確保になっていく訳です。
ある程度キャッシュフローが安定しないと出来ない戦略ではありますよね。
過去こんなケースもありました。
別のご支援先でこちらは年商180億の会社さん。ケータリングに新規参入され、初月売上は40万円。2ヶ月目売上も80万円。
それに対して毎月のリスティングが100万円。短期的に見ればどえらい赤字です。
しかし。結局初年度で売上は1.8億円となり、営業利益も3,000万円を確保されました。
理由は上記と同じロジック。LTVが75,000円だったんです。
そのため30%の22,500円まではCPOに突っ込んで良い! と決めたので、初月からリスティング100万突っ込んだ訳です。
集客=商圏人口×業態想起率×認知率×来店率
こう見ると自社で動かしやすいのは認知率の部分です。
これが、
LTV×30%>CPO
この範囲内でいけば初手としてはアクセルを踏みやすいですよね。
■費用対効果が良いの罠
この時にやりがちなのがCPOがめちゃくちゃ良いんです! という費用対効果を見る罠です。
確かに費用対効果を見るのは大事。
しかし一つ目のルール覚えてますかーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年3月9日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com