JR線に書かれた「キハ」とは?鉄道ファンには当たり前の記号でも知らぬ者にとって“新しい知識”は新鮮

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生きづらさを抱える人たちの支援に取り組むジャーナリストで宮城県出身の引地達也さんが、毎年3.11前後の時期に代々木のカフェヌックで「気仙沼線写真展」を開催しています。引地さんは自身のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』の中で、今年も3月22日まで開催されている写真展の展示内容を紹介しながら、かつて故郷の近くを走っていた気仙沼線の車両について思いを馳せています。

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気仙沼線の車両-鉄の塊に命を宿す、それぞれの意味

第589号でお伝えした東日本大震災の風化を防止しようと始まり、そして続いている「気仙沼線写真展」(東京・代々木のカフェヌックで3月22日まで開催)は、今回、テーマを「車両」にすることで、震災と鉄道の結びつき、鉄道ファンの想いが重なり、私にとっては、豊かで新たな世界が展開されている。

展示では、撮影者の工藤久雄さんの「車両」に関する解説を紹介しており、その中で車両に表示される「キハ」の説明がある。

鉄道ファンには当たり前のこの記号は、知らない人にとって「何か」を知るのは新鮮。

説明によると、この車両形式の表示の「キ」は気動車を、「ハ」は普通車を意味するとのこと。

「キハ48形の車両の形式は運転台が車両の片方にあり(両端に運転台がある形式もあります)、扉は片開きとなっています(両開きの形式もあります)」と示されると、鉄の塊を名前で呼びたくなってくる。

車両の色も知れば知るほど面白い。

都内で毎日、電車で通勤する私は東急線と相鉄線に乗車して勤務する大学に向かうのだが、東急線は基本であるシルバーの車体に赤いラインのものもあれば、ピンクの水玉を施したものや、深いグリーンでレトロ調を演出したものもある。

相鉄線では深い青色がシンボルカラーで車体だけではなく社内も深い青色で統一された雰囲気には高級感が漂う。

そんな日常でもある電車のカラー。

東日本大震災までには、クリームとグリーンの車両が気仙沼の海岸沿いを走っていたことを想像してみる。

気仙沼駅にて気仙沼線のディーゼルカー。Yamaguchi Yoshiaki from Japan, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

気仙沼駅にて気仙沼線のディーゼルカー。Yamaguchi Yoshiaki from Japan, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

「カラーリングは『東北地域本社色』と呼ばれるクリーム色に二色の緑色のラインが走るもので、宮城県北部の他に、只見線でもこの色の車両が走っていました」(工藤さんの説明)。

また基本車両に組み込まれる車両の中には、淡いグリーンのものがあり、窓下の黄色は「最上川のもたらす豊かな恵み」を表す山形県の新庄駅から余目駅を結ぶ陸羽西線用のアクセントカラーとのことで、話は東北に広がる。

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