JR線に書かれた「キハ」とは?鉄道ファンには当たり前の記号でも知らぬ者にとって“新しい知識”は新鮮

 

展示された特別列車の写真は、正面から撮影され、そこには「ふるさと」の看板がある。

解説は「元々キハ40、48形だった車両を水戸支社がお座敷列車に改造してキロ40、48形となり『漫遊』と名づけられましたが、後に仙台支社へ転属とされて『ふるさと』に愛称が変更され、のちに格下げされてキハ40、48形へと形式変更されました。撮影当時は車両に書かれているように『ふるさと』の頃のものです」とある。

車両にも履歴、歴史がある。さらに「この車両はジョイフルトレインと呼ばれる車両の一種で、車両前面上部の方向幕(行先などを表示する幕)に『団体』と書かれているように、団体臨時列車として運用されました」。

写真の煌々とライトを照らす雄姿は、修学旅行などの団体客を乗せて走っている誇りのようなものを感じてしまう。

そして、その中で楽しんでいる団体客の笑顔を想う。

「キハ」のような不思議な文字の配列はほかにもあり、「キロ」の「ロ」はグリーン車を意味し、元々は「イロハ」の順に1等車、2等車、3等車を意味していたものが、「イ」が廃止されて「ロハ」の順に1等車、2等車になったという。

「しかし2013年にJR九州の豪華列車として誕生した『ななつ星 in 九州』の客車77系には、マイネ、マイネフの形式が奢られ、『イ』が復活しました。続けて2017年に誕生したJR西日本の豪華列車『瑞風』でもキイテ、キサイネとして『イ』が奢られています」。

これはそれぞれ以下の意味があるという。

「マ:重量42.5~47.5tの車両を表す(まったく大きいのマ)」
「イネ:1等寝台車」
「フ:車掌室および手ブレーキ・車掌弁を有する客車(ブレーキのフ)」
「キ:気動車」
「サ:付随車(=モーター・運転台の無い中間車)(差し挟まってはしるのサ)」
「イ:1等車」
「テ:展望車」。

最後に気仙沼線で多用されたキハ40系は、いくつかのバリエーションがあったが、今は現役を引退し、タイ、ミャンマーへ活躍の場を移した車両も多いという。

 

※「気仙沼線写真展」は、東京・代々木のカフェヌックで3月22日(土)まで開催。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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