会議で上司や役員が少しの説明だけで本質を見抜き、的確な判断を下す姿に憧れた経験がある方も多いかもしれません。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんは、今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』に送られてきた、自分もそうなりたいのにどうすればいいかわからないと悩む社会人の方からの質問に丁寧に答えています。
一を聞いて十を理解するようになるためには、どういうトレーニングが必要でしょうか。できる役員、上司はこれができていると思います。
Question

メーカーの経営企画にいます。社会人9年、今の会社は5年です。一を聞いて十を理解するようになるためには、どういうトレーニングが必要でしょうか。むかしからこうなりたいと思っているのですが、できる役員、上司はこれができていると思います。いつも頭のよさに感心しています。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。「一を聞いて十を理解する」というのは魅力的な言葉ですが、実際は無理です。「三を聞いて一を理解する」くらいが現実的なターゲットになるかと思います。
ただ、それも、普段から感度を高め、情報収集をしていないとむずかしいです。
「三を聞いて一を理解する」を「聞く」と「理解する」に分けて考えてみましょう。
聞くには、相手の言うことをそのまま受けとめ、自分のこれまでの知識・経験に照らし合わせてどこの何を話しているのかを把握することが必要です。
理解するには、その受けとめた内容を人に説明できるようなレベルまでかみ砕いて理解することが必要です。「人に説明できる」ように理解することが大切で、ただ聞いてわかった気になってもいざ説明しようとすると全くできないことがよくあります。
「人に説明できる」まで理解するには、聞きながらそのまま受けとめ、腑に落ちることが鍵になります。腑に落ちなければ、なるべくその場で聞き返します。別の説明をしてもらいます。そうすると、「なるほど、
そういうことか」と合点がいきます。
そうなれば、自分の言葉で説明できるようになり、あるていど以上理解できた、と言えるようになります。
では、どうすればこのようになれるのでしょうか。
お勧めは、普段から問題意識を持ってどういうことに対しても関心を持ち、情報収集し、自分の意見を持つことです。それがあれば、人ごとではなく、当事者意識を持って話を聞くことができます。
もう一つは、普段から好奇心に基づいて行動することです。自分の目で見て、触れるときは触り、食べられるときは食べ、できることをし続けていきます。好奇心に基づいて行動していると、エネルギーレベルも高まりますし、好循環が起こりやすくなります。
そうやっていると、徐々に「一を聞いて十を理解する」ことが本当にできるようになります。
ただ、大切なことは決してあせらないこと。あせると理解力が一気に落ちるからですね。余計なことを考えず、全神経を集中して聞いていれば、自然にできるようになっていきます。
役員、上司にも決して負けないようになりますので、安心してください。
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