「採用したメンバーが活躍してくれません。何を見誤ったのでしょうか」そんなお悩みが世界的コンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのもとに届きました。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』の中で、その相談に真摯に答えています。
採用したメンバーが思いのほか活躍してくれません。何を見誤ったのでしょうか。
Question

ITサービスの会社で営業をしています。部下が6人で都内の中小企業相手の営業です。2人転職したので、補充しました。2ヶ月たちましたが、思いのほか活躍してくれません。最初の1ヶ月は同行営業をして基本をたたき込みましたし、ロールプレイングもかなりやりました。採用面接の際は成長意欲が強いと言っていたのに、全然違っていました。陰でかなり不平不満を漏らしているようです。元気そうな人材だったので期待したのですが、違っていたようです。何を見誤ったのでしょうか。どうすればいいでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。どこの会社でも同じ問題が起きています。採用面接の問題で、ろくに質問をしないで見た目や雰囲気で採用を決めていると、起きてしまいます。
本人は面接対策をし、練習もしてきていますので、過去こういうことをしてきましたと、よどみなく説明すると思います。ただ、これは信用できません。
営業でも、マーケティングでも、どのポジションでもいいのですが、採用スペックは皆さん、真剣に確認しますよね。ところが、履歴書、職務経歴書に書いてある内容に関しては、当然ながら本人が熟知し、練習もしてきています。
採用スペックに加えて、次の3点を必ず確認すれば期待はずれということがかなり減ります。
第一に、頭がそこそこによい、ということです。「地頭のよさ」ということをよく言われますが、なかなかむずかしいので、私はそこそこによければよいと考えています。別の言い方をすると、「話が通じる」人かどうかです。
学歴がよくても、社歴が素晴らしくても、話が通じない人っていませんか。そういう人は学歴、社歴を鼻にかけている点で終わっていますし、傲慢・頑固であることが多いです。上司として使いづらいですし、同僚を馬鹿にしたりしてチームワークを壊すので採用しないほうがいいです。
見分け方はそこまでむずかしくないです。普通に会話して「あれ?話が通じないぞ」と二度感じたらアウトですね。ご自身の理解力の問題かも、などと控えめに考える必要はありません。
第二に、成長意欲が非常に強いことです。「成長意欲を1から10でいうと何点くらいですか」と聞いてください。だいたいは7とか8とか言われますので、「7なんですね。どうして7なのか教えていただけますか」と3,4回深掘りしていけば、用意し練習した答えでないことを言わなければならなくなりますので、素の状況がわかります。
「7と言ってたけど、成長意欲があるとはとても言えないなあ」「7と言ってたけど、この人はすごい。絶対頑張りそうだなあ」というのが十分わかります。
面接官の最大の問題は、深掘りしないことです。皆、遠慮して通りいっぺんの質問で終わります。
質問を次々に続けていけば、誰でも本性が出ます。遠慮なく聞いてください。これは圧迫面接ではありませんので心配する必要はありません。やさしく、丁寧に質問を続けるだけです。
第三に、前向きであることです。これも「前向きかどうか、1から10でいうと何点くらいですか」という質問をし、深掘りをしていくとわかります。
採用に関して、よく迷う、悩む、判断がむずかしいと言いますが、決してそんなことはありません。上記の3要件すべてが問題なければ速攻で採用です。一つでも懸念があったら、絶対やめておいたほうがいいです。
結局、遠慮なく質問するか、だけですね。
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