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【刀剣乱舞】審神者さん注目!日本刀愛好家に聞く「はじめてのリアル刀」で気をつけるべきポイント

刀剣をイケメン戦士に擬人化したブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』が、ただいま人気急上昇中。その影響もあり、日本刀を取りあげた書籍が異例のヒットを記録したり、名刀を展示する美術館にはファンからの問い合わせが殺到するなど、ゲームの枠を飛び越えた“刀ブーム”が、只今絶賛到来中なんだそうな。

・・・そうなると、ゲームに夢中な審神者(さにわ:刀剣乱舞のプレイヤーのこと)のみなさんのなかには、“いつかはリアルに刀を愛でたい!”と熱望されている方も、当然いらっしゃるのではないだろうか?

というわけで今回は、日本刀にまつわる情報を日英2カ国語で発信するメルマガ『僕の日本刀日記』を14年以上に渡り配信、自らも15振りの日本刀をお持ちだという一鶴さんに、はじめて日本刀を購入・所持する際に気を付けるべき点などを、イロイロとお聞きしました。

刀剣類の所持は銃刀法で禁止されている

――まず、日本刀ってどこに行けば買えますか? ネットでも買えますか?

日本刀は刀屋さんに行けば買えますが、最近はネット上の刀屋さんも盛況ですし、ヤフオクでも買えます。

刀の通信販売は、それこそ戦前から存在しています。ちなみに、刀屋さんが出している通信販売用の冊子は、日本刀の勉強にもなって、初心者の方でも面白い内容だと思いますよ。

――日本刀って高価なイメージがあるんですが、実際のところどれぐらいの値段がしますか?

これはピンキリですね。

私が持っている太刀だと、試し切り用の刀が5万円、鎌倉時代の太刀が300万円でした。また今まで見たなかでは、実際の売り値が3000万円という太刀がありました。

――日本刀を買うには、資格が必要ですか? 無資格で持つと犯罪になったりしませんか?

資格は特に必要ありませんが、登録証が付いている刀を買う必要があります。

原則として、刀剣類の所持は銃刀法で禁止されています。ただ、美術品として価値のある刀であれば、“所持は”認められます。その価値を証明するのが、「銃砲刀剣類登録証」と呼ばれる登録証なんです。

この登録証を管理しているのが、実は教育委員会。ですから日本刀を買った際は、教育委員会に持ち主の名義が変わったことを連絡する必要があります。

でも、所持が認められたからといって、自由に持ち歩いて良いわけではなく、正当な理由なく持ち歩いてると、銃刀法違反で捕まります。その“正当な理由”というのも、現場にいた警察官が適宜判断するものなので、たとえ登録証があったとしても、捕まってしまう可能性は大いにあります。いずれにせよ、むやみに持ち歩いたり、ましてや人前で見せびらかしたり、振り回すようなことは、厳に慎みましょう。

日本刀の大敵は“サビ”!

――日本刀を買った後、自宅で保管しておく際に注意するべき点はありますか?

まず、登録証は絶対に失くさないようにしましょう。また見せる相手も、選んだほうが賢明です。日本刀を持っていることで、“危ない人”だと思われてしまうことも結構ありますので……。

保管に関してですが、最近の住宅ではなかなか良い場所がないのが現状です。常寸の太刀でも、鞘と柄を合わせて全長1m強と結構な長さがあるので、置き場所には困ると思います。ちなみに私は、ライフル用のガンケースに入れて保管しています。

また、刀の大敵はサビなので、高温多湿になる場所には絶対に置かないようにしましょう。夏場のエアコンの効いた室内から暑い屋外への持ち出し、冬場なら寒い屋外から暖かい室内に持って行く際も、刀身が結露してサビやすくなるので、気をつけてください。

もちろん小さいお子様がいるご家庭なら、さわって怪我をしないように最大限の注意を払ってください。ちょっと触れただけでも、指くらいはカンタンにふっ飛びます。

――日本刀のお手入れって大変なんですか? また維持には、どれぐらいお金がかかりますか?

私の場合、お手入れは半年に一回ぐらいです。手入れは意外とカンタンですし、また手入れ用の丁子油(サビ止め油)も、1000円ぐらいで買えます。日本刀を15降り持っている私でも、1000円で買った丁子油で1年はもちますから、手入れにかかるコストはほとんど気にならないレベルだと思います。

ただ、刀身を素手でさわったりして有機物が付着してしまうと、あっというまにサビてしまいます。サビを取るために研ぎに出すと、基本一寸(3cm)で1万円と結構な金額を取られてしまうので、日ごろの扱いにはよく注意してください。

――最後に、これから初めて日本刀を買おうと考えている方々に向けて、メッセージをお願いします。

日本人なんだから、日本のシンボルたる刀をみんな一振りくらいは持っていて欲しいというのが私の考えです。刀を持っていること自体は、車のように車検もないですし、税金も手間もかかりません。

でも、少々心配なのが、軽い気持ちで刀を扱わないか、ということです。

刀は結構重く金属バットくらいありますので、自分が思ったように取りまわすのは至難の業です。振り回した時に勢い余って自分の足を切ってしまったり、取り落としそうになった時に指を切ったりすることも考えられます。また、後ろに人がいるのに気付かずに振りかぶると、突き殺してしまうこともありえます。

あくまでも美術品、見て楽しむものとして、刀は所持が許されています。ですから「日本のシンボル」として「節度ある楽しみ方」のできる方でなければ、正直お勧めできませんね。

(まぐまぐ編集部/よっしぃ~)

information:
『僕の日本刀日記』
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