MAG2 NEWS MENU

日本で今後「キツい仕事」に就職する人は増えるか?AI時代のキャリア大転換を人気コンサルが大胆予測!

「今後日本人は技能職に関心を持つと思いますか?」という質問が人気コンサルの永江一石さんのもとに届きました。永江さんはその質問に対し、自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で、日本でも今後「キツい仕事」を選ぶ人が増えていくのか、その背景にある社会構造やAI時代の働き方の変化について考察しています。

今後「キツい仕事」に就職を希望する人は増えるか

Question

永江さん、こんにちは。永江さんは今後「キツい仕事」を含む、いわゆるトレードジョブ(技能職)に対して日本人はもっと関心を持つとお考えでしょうか?

日本ではいわゆるホワイトカラー職神話が根強く、3Kだとか言いながら「キツい仕事」に対しての忌避感・軽視する風潮が強いと思います。

一方でそれら「キツい仕事」を含む、主にブルーカラー職におけるトレードジョブに対して、昨年アメリカで実施されたある企業の調査では、若い世代の多くがそっちの方でキャリアを築くことを望んでいるとの結果が出たようです。

台頭するAIの脅威への対抗、また形として仕事の結果が残るやりがい、何よりも稼げることなど、メリットに目を向けるとトレードジョブは魅力的に見えるようです。

私も最近会社都合で退職したので色々と考えた結果、手に職をつけて「キツい仕事」で経験を積むために、勉強しながらキャリアチェンジに臨んでいます。

建設業に就くベトナム人や、漁業に就くインドネシア人など、逞しく稼ぐ外国人を日本で目にすることも増えましたが、今色々と困窮していると言う日本人が増えるなかで、果たしてそんな「キツい仕事」に就こうとこれから考える人たちは増えるのかと、ふと疑問に思いました。

永江さんからの回答

結論から言いますと、技能職・ブルーカラーに転職する日本人は確実に増えていきます。けれど「やりがいを求めて」ではなく「AIに仕事を奪われてやむを得ず」という人が大半になるでしょう。一方、今この段階で先を読んで動いている人は間違いなく勝ち組になりますし、質問者さんもその一人です。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

初月無料で読む

アメリカでは既にホワイトカラーよりブルーカラーの億万長者が増えています。若い世代が技能職でキャリアを築く流れは本物で、日本ではあまり報道されていませんが現実に起きていることです。では、なぜ日本ではその流れがまだ来ていないのかというと、日本固有の歴史的な背景があり、少子化とも深く絡み合っているから。

詳しく説明しますと、まず日本の「ホワイトカラー神話」は高度成長期に生まれました。それ以前、農家では専業主婦という概念がほぼなく、祖母が孫を見て、子どもが弟妹の世話をするのは当たり前。江戸時代から農家に専業主婦はいなかったんです。

それが高度成長期に変化が起きました。工場や企業が増えてサラリーマン転職が急増し、「大学を出ていれば最初から管理職になれる」という構造ができた。そうなると「子どもには大学まで行かせたい」となるわけですが、大学まで行かせようとすると子どもは1~2人が精一杯で、そこから少子化が始まりました。

昔の日本は三人兄弟だと、長男は家を継ぐ、次男は地元の市役所、三男は自衛隊というのが典型的なパターンでした。それが少子化で一人っ子や二人兄弟が増えると、家を継がなくていい次男、三男が減る。自衛隊の志願者が減って、北海道のような大規模駐屯地ほど人手不足が深刻になっているのは、そういう構造的な背景があるわけです。

ただ、今の若い世代をよく見ると「ホワイトカラー志向」というより「楽でゆるい仕事志向」なんです。彼らが求めているのは「室内で9時5時、きちんと休みが取れる仕事」。介護職や理学療法士が人気なのも「エアコンの効いた室内で、親からも反対されない」というのが大きな理由で、仕事の中身を冷静に考えているわけではありません。

理学療法士は20万人以上いるので給料が安いのは当たり前で、診療報酬という天井があって患者さんから取れる金額が決まっているから、どれだけ需要が増えても給料は上がらないんです。自分の給料がどこから出るのかを考えずに「きれいに見える仕事」に流れた結果が、手取り18~20万で文句を言うという状況です。

そして、この「楽でゆるい仕事」こそが真っ先にAIに置き換えられていきます。AIが最初に奪ったのは、証券会社のトレーダーという高給職でした。15年ほど前からゴールドマンサックスでも野村証券でもAIが入り、自社トレーダーがどんどん消えていきました。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

初月無料で読む

次に来るのが一般事務・ウェブデザイン・経理です。ランディングページは今やAIで30分で作れますし、企画書40ページもあっという間です。領収書をスキャンすれば自動仕訳も当たり前になってきた。実際、わたしもClaudeでランディングページを作ったのですが、デザインもイラストもAIで30分で完成しました。

https://www.landerblue.co.jp/shopify/

経産省の試算では2040年に2500万人分の仕事が消えるとされていますが、逆説的に、AIが置き換えられない「手を動かす仕事」の価値がどんどん上がっていくわけです。

では何が残るかというと、建設・土木・漁業・介護などのブルーカラーと、外資系コンサルや高度営業職など「人対人」の仕事です。東京では腕のいい職人が年収2000万円近い人もいるし、地方でも600~700万はいきます。漁業も条件次第では年収500万円程度になるため、外国人労働者が増えて日本人が来なくなっているほどです。

また介護はロボットに完全代替するのが難しい仕事です。床ずれのケアや食事介助などの複合作業は非常に高価なロボットでないとできないから、人が必要なまま。わたしのリクルートの同期も定年後に介護職を始めたという人がいます。

先を読んで動いている人は既にいて、銀行員から家具職人に転身した人、M&A専門の会社を立ち上げた元銀行員など、好む好まざるにかかわらずシフトはもう始まっています。今この段階でキャリアチェンジに動いた質問者の判断は、データから見ても正しいです。

まとめると、最終的には大きく分けて「ブルーカラーや自営業へ自発的に移行できた人」「AIに置き換えられない人対人の仕事で活路を見つけた人」と、「動けずに低賃金に流れるか、それさえもできずに困窮していく人たち」の2種類ということ。日本人全体がブルーカラーに関心を持つのは確実ですが、そのきっかけは「やりがい」ではなく「AIに追い詰められてから」になる可能性が高い。だからこそ、今動いている人が強いのだと思います。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

永江 一石この著者の記事一覧

商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ 』

【著者】 永江 一石 【月額】 初月無料!月額330円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け