朝鮮戦争は、トランプの「国内問題」を解決する
「プーチンがっかり。トランプは本当に『反ロシア』に寝返ったのか?」で、「トランプは、敵に包囲されて動けない状態にある」と書きました。
敵とは、
- 野党民主党
大統領選で負けたので、当然反トランプ。 - 共和党の反ロシア派
共和党にも、「親ロシア」トランプを嫌う人が多い。 - マスコミ(CNN、ABC、ニューヨーク・タイムズ)
トランプは、これらを「フェイクニュースだ!」と批判している。 - 国際金融資本
彼らは「グローバリスト」なので、ナショナリスト・トランプが嫌い。 - アメリカ諜報機関
トランプ政権高官の電話を盗聴し、辞任に追いこむ(例、フリン大統領補佐官)。
「朝鮮戦争」を起こせば、これら国内の敵を一掃できる可能性が出てきます。
まず、「北朝鮮のようなクレイジーな国がアメリカを核攻撃できる能力を持つ」というのは、「本当の脅威」である。ですから、武力行使を決意すれば、民主党、共和党、マスコミ、諜報も反対できないでしょう。分裂しているアメリカが、一気にまとまる可能性が出てきます。
国際金融資本は、意見がわかれると思います。ソロスのような「金融系」は、戦争反対でしょう(ソロスは、イラク戦争にも一貫して反対していた)。軍産複合体系は、儲かるので賛成すると思います。
トランプとしては、戦争するにしても、犠牲者が大量に出る地上戦は避けたいことでしょう。核施設を空爆して破壊したいところですね。
戦争を抑止するファクター
とはいえ、アメリカの北朝鮮攻撃を思いとどまらせるファクターもあります。最大のファクターは、中国です。中国と北朝鮮は1961年、「中朝友好協力相互援助条約」を結んでいる。この条約、二条にこうあります。
いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて、それによって戦争状態に陥つたときは他方の締約国は、直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える。
つまり、アメリカが北朝鮮を攻めたら、中国は全力をあげて北朝鮮を守らなければならない。
「中国と戦争になるかもしれないよな…」というのは、結構な抑止力ですね。「武力行使」するにしても、アメリカと中国は話し合うことになるでしょう。アメリカは、1950年からの朝鮮戦争でも、中国が支援する北朝鮮に勝てなかった。その時代よりはるかに強力になった中国と「戦いたい」とは思わないはずです。
もう一つ、朝鮮戦争になれば、北朝鮮は韓国を攻撃するでしょう。韓国は火の海になる。そして、北朝鮮軍が韓国に南進すれば、アメリカも地上軍を投入せざるを得なくなる。トランプは、これを望まないでしょう。