業績ハイライト
中川祥太氏(以下、中川):株式会社キャスター代表取締役の中川です。2025年8月期第2四半期の決算説明を始めます。
業績ハイライトです。2024年8月期は稼働社数が1,192社からスタートし、現在1,413社を目指して順調に拡大しています。現在、足元では1,295社と順調に成長できており、目論見どおりに推移しています。
営業黒字化に向けては、2025年8月期末はおよそ1,000万円の営業利益を見込んでいますが、第2四半期において大型顧客の解約と、特に経理領域における単価の伸びが想定を少し下回ったことも影響し、現在は営業赤字となっています。
ただ、黒字化に向けた取り組みはこれまでと同じ内容で進行中と考えていただいてけっこうです。したがって、今のところ業績予想の変更予定はありません。
業績ハイライト
業績ハイライトの数字です。売上高は22億9,000万円、営業利益はマイナス2億7,300万円、稼働社数は1,295社、ARPUは28万6,000円で推移しています。
売上に関しては、稼働社数が伸びたおかげで、過去最高を更新しています。また、AIエージェントサービスや子会社LUVOからのAI関連による売上計上が連結され始めています。
利益に関しては、専門領域サービス向け人材獲得について特に経理領域に集中投資を行いましたが、現在まだアップセルの効果が追いついていない状況です。この利益圧迫により、現在の営業損失となっています。
ただ、合わせてコスト削減なども行っており、このコスト最適化の効果が見え始めています。このまま継続して、稼働率や原価・販管費の調整を実施していければと考えています。
四半期業績推移(売上高)
売上高の四半期業績推移です。第1四半期と比べると微減してしまいましたが、前年同期比では伸びています。大型顧客の解約の影響が一番大きいと考えています。
稼働社数の四半期推移
稼働社数の四半期推移です。目論見どおり、獲得効率を高めつつ、2四半期連続で稼働社数が過去最高を達成しています。この順調な流れで引き続き稼働社数は追いかけつつ、あとは単価などのアップセルをいかに追いつかせるかが論点になるかと思います。
四半期業績推移(営業利益)
営業利益の四半期業績推移です。先ほどお伝えした通り、事業成長に向けた人材投資については経理領域を中心に行ってきました。ただ、この立ち上がりが想定よりも少し遅れているため、あわせてコストコントロールを強化しながら、黒字化を目指した方向性の調整を始めています。
営業利益増減要因
営業利益の増減要因です。ご確認いただければと思います。
四半期業績概要(セグメント別 売上高)
四半期業績概要、セグメント別の売上高です。BPaaS事業は、低ロットサービスの稼働社数増加が非常に大きく貢献しています。その他事業は、グラムス社の連結化やLUVO社におけるAI関連の売上が計上され始め、どちらも伸びている状況です。
セグメント別業績概要(BPaaS事業)
BPaaS事業に関してもう少し深掘りします。スライドに記載のとおり、低ロットサービスが好調に推移する一方で、低ロットはどうしてもARPUが低くなり、顧客単価を押し下げる要因となっています。アップセルの強化と新規顧客獲得のアロケーションの調整を実施していくことで、この問題を解決しようと考えています。
アップセルの強化については、低い顧客単価からスタートし、それが少しずつ上がっていくサービスとなっているため、顧客単価をいかに早くお客さまの満足度とともに上げていけるかを考えながら取り組んでいます。
新規顧客獲得のアロケーションについてはなかなか伝わりにくいのですが、低ロットサービスは、ありがたいことに打ち出せば打ち出すほど買っていただける非常に人気のサービスです。しかし、これにリソースを割き過ぎると、最初は低い顧客単価からスタートするので、顧客単価がだんだん下がってしまいます。
そのため、低ロットサービスは非常に人気があるので引き続きしっかりと売っていきつつ、もっとバーティカルで専門性の高いサービスの提供を行うことで、売上獲得を強めていきたいと考えています。そのようなアロケーション調整を行っていくとご理解いただければと思います。
売上高については、今お話ししたとおりです。
セグメント利益については、期初にお伝えしたように、マネーフォワード社との連携強化を見据えた積極的な人材投資を行っています。そのため、特に経理領域への負担が増加している状況です。こちらについては、綿密にコミュニケーションを取っており、受注状況等を踏まえ、原価・販管費を段階的に調整する段階にきていると考えています。
セグメント別業績概要(その他事業)
その他事業の詳細です。派遣、紹介、グラムス社の事業等がここに含まれていますが、すべて順調に推移している状況です。LUVO社におけるAIエージェント関連の収益化も開始されており、まだ全体に影響を与えるほどの売上高ではありませんが、今後できる限り高い影響力を持てるように、積極的に攻勢をかけていこうと考えています。
その他セグメント利益などは、スライドに記載のとおりです。
KPIの状況
KPIの状況です。特に注目いただきたいのは、稼働社数が順調に大きく伸びている点です。ただ、大半は低ロットサービスの引き合いが中心的に伸びていると考えていただければと思います。
解約率は、本来はもう少しボラティリティが出るのですが、稼働社数の伸びに伴って比較的安定してコントロールできていると思います。
ARPUは低ロットサービスが伸びている影響で低下傾向に見えますが、先ほどお伝えしたように販売するサービス内容のアロケーションを少し調整しますので、それによって安定した推移に戻るだろうと考えています。
MRRは掛け算ですので割愛します。
KPIの状況
ユニットエコノミクスは適正水準を維持しています。特に問題点になっているようなところはありません。受注が想定ペースになかなか追いつかない範囲が出てきたため、LTV(ライフタイムバリュー)が悪化しているところもありますが、現時点では一時的なものと捉え、販売攻勢を強めています。
貸借対照表
貸借対照表です。現預金/総資産比率などはスライドに記載のとおりです。ご確認ください。
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローです。費用増によって、営業活動による営業キャッシュ・フローは前年同期を大きく下回っていますが、もともと想定していた流れです。あとは、いかにしっかりと四半期含めて回収していけるかが論点になると考えています。
2025年8月期 通期業績予想
2025年8月期の通期業績予想です。売上高の進捗率は45.5パーセントで、現時点では少し出遅れてしまっており、それをいかに挽回するかが現在の論点と考えています。
下期方針
下期方針です。コスト最適化とアライアンス強化を推進し、下期にかけては、先ほどお伝えしたような成長の遅れを挽回したいと思っています。
アライアンスについては、端的にマネーフォワード社との取り組みの中で「ここは非常に相性が良いよね」「ここは十分にお客さまのニーズに応えられているよね」といった解像度がより上がってきています。
アライアンス強化を中心としながらも、余計なコストがかかっている部分に関してはしっかりと削減し、全体を作っていければと考えています。
トピックス① (CASTER NEO 提供開始)
2025年8月期のトピックスです。1つ目は、AIエージェントの制作代行サービス「CASTER NEO」の提供を開始しました。
AIエージェントがどのようなものかについては、ここでは詳しくご説明しません。クライアントの中で、AIを十分に活用してビジネス課題を解決する場合、単純にAIを導入するだけでは解決につながりません。しっかりとワークフローの中に取り込み、特にすべての問題に対し、問題を伝えたらそれを解決できるような自走する仕組みを作る必要があります。
そのために我々がワークフローを引き、AIに対するチューニングも行うというサービスの提供を開始しました。我々としては、AI領域に対して第一歩目のサービスをしっかりと提供することが可能になったと考えています。
トピックス② (AIファースト経営)
トピックスの2点目は「AIファースト経営」への移行です。当社は、経営から実務に至るまでのすべての業務オペレーションにおいてAI駆動化を実装し、「AIファースト経営」へ移行することを宣言しました。
スライドに記載しているのは、あくまでも一部の例です。例えば、スライドのような資料を作るのに、今まではパワーポイントで人間がポチポチポチポチと一つひとつを作っていたと思います。しかし、現在はそれをマークダウンファイル形式でテキストをAIに渡し「このかたちに直して」と伝えれば、即時に直るといったことがすでに実践できるようになっています。
したがって我々としては、もう今後パワーポイントを人間がいじることはしません。マークダウンファイルをAIに作ってもらい、そしてAIに表示させることによってどんどんとアップデートを繰り返していくような状態に近づけることができればと思っています。
例えば、労務業務、法務業務のような社内問合せ業務も、すべてAIチャットボットで対応していきます。人間が対応する状況はゼロに近づけていこうと考えています。このような社内のAI活用事例もどんどんノウハウとして蓄積し、クライアント企業へAIソリューションとして提供開始していきたいと考えています。
先日、この資料のポイント解説をAIが行いました。私のデジタルクローンが話していますが、クローン自体もAIで作っており、服装などもすべてAIが作っています。話している音声もすべてAIが作っています。
この資料に関しても、まだ人間が扱っているところはありますが、ほぼすべてAIが作ることができるよう今調整をかけている状況です。もうどこからどこまで、人間が行っているのかわかりません。それぐらい、我々は「AIファースト」で考えて、経営・運営していくことを目指し、オペレーションを組んでいこうと考えています。
トピックス③ (マネーフォワードとの連携強化)
トピックスの3点目は、マネーフォワード社との連携強化です。協議しながら、いろいろと実行させていただいた中でいくつかご紹介します。
経理専門商材のPoCに関しては、「マネーフォワードクラウド」と一緒に新商材としてサービス提供を開始しています。ありがたいことに、かなり引き合いをいただいており、今後も引き続き強く推し進めていければと思っています。毎月、マネーフォワード社とステアリングコミッティを開催することで、連携を強化しています。
拡大に向け、経理専門の人材獲得を進めていました。もともと経理専門人材の獲得は難しいと言われていたのですが、我々は業務プロセスをかなり分割し、いろいろな方々にさまざまな領域で活躍していただけるように構築しました。そのため、獲得に向けて非常に順調に進んでおり、見通しも立っています。
トピックス④ (ベトナム子会社を設立)
トピックスの4点目です。2025年4月に、子会社のCASTER TECH VIETNAM CO., LTD.をベトナムにシステム開発拠点として設立しました。
もともと、子会社であるグラムス社の開発は大部分がベトナムにありました。キャスター社の社内システムやAIエージェント系の開発などをそちらに移していきたいとグラムス社と検討した結果、CASTER TECH VIETNAM CO., LTD.の設立にこぎ着けることができたとご理解いただければと思います。
トピックス⑤ (グラムス 『SASAGE.APP』本格的に提供開始)
トピックスの5点目です。グラムス社がEC運営の業務効率化支援のための独自AIを搭載したSaaSサービス「SASAGE.APP」を開始しました。非常に特殊なAI領域です。
先ほどからAIという言葉がよく出てきますが、グラムス社で取り扱っているのは、「Claude」や「ChatGPT」のような汎用AIと呼ばれるものではありません。スライド左側に記載した「ささげ業務」のような特殊領域に対して、非常に綿密にチューニングされたAIをSaaSで提供しています。
我々は、この技術を他の領域に転用している状況ですが、最もしっかりとチューニングされた領域のサービスとして「SASAGE.APP」を提供開始しました。今までもEC運営の業務効率化支援としていろいろな取引をしていますが、そのお客さまに対し、より高い価値のサービスとして提供していきたいと思っています。
トピックス⑥ (オンライン・オフラインイベントの参加)
トピックスの6点目です。オンライン・オフラインイベントへの参加です。新規の獲得チャネルとしてさまざまなイベントにも挑戦していますので、見かけた際にはぜひとも足を運んでいただいて、いろいろとご覧いただけたらと思います。
このようなブース設立やパース設計も、現在はかなりAI実装されていますので、我々としては誰も今まで挑戦したことがないものを今後も積極的にできればと思っています。
INDEX:WORK SPLIT
ここからの中期経営方針については、参考までにAIを用いて作成した資料を用意しました。まだ発表したばかりですので、非常にシンプルなものになっています。
中期経営計画を今後出していきますが、我々としては今このようなことに取り組んでいるという方向性を簡単にお話しできたらと思って用意しました。
スライドについて、少しご説明します。今回の資料は、内容よりも実際にどのような内容を作っているかが重要だと考えています。
スライドの横棒グラフの一番上に記載のとおり、このあと表示されるスライドのうち、レベル1(2ページから7ページ)は、AIが90パーセントを作って、人間が10パーセントとなっています。要するに、人間が少しだけ絡んで、AIがほとんど作っているものがレベル1です。
レベル2(8ページから15ページ)はAIが70パーセントを作って、人間が30パーセントです。レベル3(16ページから32ページ)はAIと人間が半分半分ぐらいで作っているものです。
使っているAIやAIエージェントと呼ばれるサービスも、それぞれのレベルで全部違うものを使っています。これを前提にスライドを見ていただきながら、お話を聞いていただけたらと思います。
中期経営方針
中期経営方針です。
世の中の変遷
ここから世の中が変革していくと、我々としては考えています。当たり前の話ですが、労働力がどんどん枯渇していきます。そして、AIが台頭していきます。
労働力の枯渇
それは、どのようなことでしょうか? 労働力の枯渇です。スライドの棒グラフは生産年齢人口の推移です。意外とみなさまご存じないのですが、毎年、政令指定都市が1個消えていくようなペースで人口が減っていきます。
まったく想像つかないと思いますが、グラフでは、前年からだいたい35万人減ると記載しています。当社が本社として構えている宮崎県宮崎市で25万人ほどですが、県の中の一番大きい市が丸ごと毎年消えていっています。これだけの人数がどんどん減っていきます。世界中の誰も、このような事態に直面したことがありません。日本だけがこの壁にぶち当たるような状況が予想されているのが現状です。
労働力の枯渇
もう誰も、影響を受けなくなることはありません。「大手企業は大丈夫」「中小企業は大丈夫」ということはありません。個人も含めて、あらゆるサービスが立ち行かなくなる可能性があります。したがって、旧来のビジネスモデルでは当たり前だったものがなくなると思います。
わかりやすいところで言うと、コンビニエンスストアは24時間営業していました。最近は、24時間営業しなくなっているところが非常に多くなっており、維持できなくなります。しかし、それがどのようなことなのか、まだ誰も想像がついていないのです。前提としてまったく見えていない状態だと理解いただけたらと思います。
AIの台頭
逆側のお話もします。AIがどんどん台頭してきています。現在は、業務を部分的にサポートしています。今はナレッジワーカーがそのようなAIを活用し、スライド右側の棒グラフのとおり、マニュアルな仕事をしているマニュアルワーカーたちの仕事がなくなるだろうと言われています。
AIの台頭
他の方も予想されているかもしれませんが、私の予想ではナレッジワーカーであってもほぼ関係ありません。
実際に、今私は毎日AIを使っています。例えば、おそらく弁護士業務や会計士業務のような専門領域はAIのほうが得意になる可能性が圧倒的に高いです。もちろん、それが正解だとは言いません。ただ、この領域はむしろAIのほうが得意になる可能性が高いと思っていただけたらと思います。
したがって、ナレッジワーカーであろうが、マニュアルワーカーであろうが、AIが台頭してくると、そこと正面からバトルすることになると思っていただけたらと思います。これが前提の環境です。
中期経営方針
このような中で、中期経営方針として我々は何を行うのかをあらためてご説明します。
ADVANTAGE:優位性
大前提として、我々は今まで圧倒的なポテンシャルの中で戦ってきました。なぜなら、フルリモートワークという、10年前まではほとんどの方が行っていなかったワークスタイルの可能性を最大限に引き出して社会に貢献してきました。そのポテンシャルが下地にあったのが当社です。
ADVANTAGE:優位性
その当時から「次世代型のワークフォースプロバイダ」として展開してきました。
ADVANTAGE:優位性
全国、全世界から採用ができます。当社は、47都道府県のみならず、世界中のあらゆる場所に住んでいる人が在籍しています。圧倒的な採用力があります。
INNOVATION:革新性
おかげさまで、10年間このような企業を経営してきましたが、リモートワークはかなり当たり前になってきました。我々としては、その下地を使って、次のステージに進む時が来たと考えています。
INNOVATION:革新性
AIにフルベットします。もう後ろを振り返る必要性はありません。我々はAIにすべてをかけて、経営を進めていくことが重要だと思っています。
INNOVATION:革新性
AIシフトではなく「AIファースト」です。仕事の概念自体を変えていきます。我々がリモートワークで会社を始めた時のように「そんなんじゃ仕事できないよ」「そんなことできるわけがない」と言われるようなことでも、すべて「AIファースト」で動かしていこうと考えています。
INNOVATION:革新性
繰り返しになりますが「AIファースト経営」とは、AIが経営から実務まで、ほぼすべての業務を網羅します。人間は何を行うのかについては、監督や戦略策定と今は書いていますが、これすらどうかわかりません。
ただ、我々は常に「AIが何ができるのか」「どこまでできるのか」を最前線で考えながら進んでいくことに専念します。したがって、おそらく人件費率は減っていきながら、生産性は劇的に向上することにトライしていくことになるかと思います。
ENCOUNTER WITH AI
では、AIと一緒にとはどのようなことでしょうか?
FUTURE:可能性
ここからはもう未来の話です。我々としてはわかりません。ただ、しっかりと挑戦していきながら、このようなことができるのではないかと考えています。
FUTURE:可能性
キャスターは未来を創造し、自ら叶えに行く会社です。リモートワークを作った時のように、我々は新しい世界をAIと共に作っていく、みなさまとともに作っていくことができればと思っています。
2025 NEW HORIZON
2025年、ここがスタート地点だと考えています。
人とAIを融合させ、「働く」の新たな地平を開拓します。
人とAIを融合させることです。そして「働く」という新しいかたちを作り、地平を開拓しようと考えています。
デジタルの世界では、AIも人間も変わらない。
我々は強く実感しています。フルリモートワークは、人とリアルで会うことはほとんどありません。デジタルの世界では、AIも人間も変わらずに働いて、変わらずに成果を出すことができます。
実際に、当社の中ではオペレーションをすでにAIが行っているところもありますが、従業員やクライアントすら気づいていません。気づきようがないのは、我々はすでに確認できています。
2030 SPEED UP
この状況に対し、2030年に向けてスピードアップできればと考えています。
世界で唯一無二の人とAIが融合したワークフォースプロバイダとして、市場との調和を模索し続ける。
現在、人とAIが融合したワークフォースプロバイダを実行できているベンダーは世界的にも存在しないと考えています。市場自体を創造し、拡大できるように、一気に進めていきたいと思っています。
世界の潮目に賭けるなら?
世界の潮目はちょうど今年だと思います。後世に歴史に残るかもしれないタイミングです。我々は、そこにフルベットしていきたいと考えています。
203X SHIFT UP
2030年以降はさらに速度を上げていく必要があります。
人とAIが融合した新しい価値を全世界に提供。
2030年以降には、もう人とAIが融合した状況は当たり前になっているかと思います。リモートワークが当たり前になったようにです。我々は、そこでいかにイニシアチブを取れるかを重要視して進めていきたいと思います。
私たちが実現したいこと
私たちが実現したいことです。もともと「リモートワークを当たり前にする」といって働き方を変えてきました。今までと同じことをするだけです。今までの前提を覆し、人々の人生に使える時間を増やしたいと思っています。
未来にこのような方法で我々が貢献できること、もしかすると人として貢献できる最後のタイミングかもしれません。しっかりと貢献していけたらと考えています。
Don’t think. Live.
我々はもう考えている暇はないと思っています。今、AIに対して世界が変わっていく中で生きながら、さまざまなことができればと考えています。
MISSION
ミッションは今までと変わらず「リモートワークを当たり前にする」としています。その人のBest Life(最も良い人生)をどうすれば作れるのかを考えながら、仕事を作っていければと考えています。
NOTICE
今の方針をもとに、中期経営計画を1年以内に発表しますので、こちらもあわせてお待ちいただければと思います。
INDEX:WORK SPLIT
今ご紹介した資料自体も、AIがほとんど作っています。どのような手順で作ったかなどは、別途公開しようかと思っています。現在は、先ほどのレベル3の絵の動きもほぼ動画のような状態で作ることができます。
その中で、人間が少しずつコミュニケーションを取りながら、キーワードを調整していくようになります。みなさまが想像されているよりもずっと、人間と協働しながらかなりレベルの高い仕事をこなせるのがAIの現状だと思っていただいて構いません。
THANK YOU !!
中期経営方針の内容は以上となります。ありがとうございます。
質疑応答:下期のARPU改善の背景について
「下期にARPUの改善を見込まれているとのことですが、その背景にある理由をもう少し詳しく知りたいです。例えば、何か価格改定や新しいサービスなどが予定されているのでしょうか?」というご質問です。
もともと当社のサービスは、年間単位でいえば、昨年よりも今年、今年よりも来年と、お客さまの単価が上がっていきます。経理領域への踏み込みをかなり強くしたのは今回が初めてのため、お客さまへのアップセルのアクションがやや遅れています。
しかし、これまでも上がってきていますし、今回も同様に上がっていくと見ていますので、お客さまの満足度を着実に高めながら、通常どおりのことをするだけだと考えています。したがって、価格改定や新しいサービスなどは予定していません。
質疑応答:営業キャッシュ・フロー赤字の要因と今後について
「営業キャッシュ・フローが赤字になっていた点が少し気になりました。コスト削減以外で何か進めていることや、打ち手があれば教えていただけないでしょうか?」というご質問です。
営業キャッシュ・フローがいったん赤字になった主な要因は、ARPUが思った以上に立ち上がらなかった点にあります。また、大型顧客の解約などもあり、タイミングが悪かった点もあります。そのため、契約したお客さまから新たに売上をいただく中で、これまでの分をしっかりと回収できるような状態にしていけると思います。
それ以外に大きな変更点はありませんが、ARPUがどうしても低下してしまう低ロットのサービスについては、アロケーションを一部変えています。これにより、営業キャッシュ・フローの赤字もさらに削減されると考えています。
質疑応答:集客の方法と営業人員について
「貴社の集客は、どのように行っていますか? 営業は何名くらいいますか?」というご質問です。
集客は、ほぼWebマーケティングのみとなっています。ご説明したように、直近ではオフラインの展示会なども行っていますが、あくまでトライアルの範囲ですので、メインの施策ではありません。営業は、全体で約15名です。
質疑応答:サービスの規模感と黒字化のタイミングについて
「LUVO社やグラムス社のAIサービスについて、収益面ではどのくらいの規模感なのでしょうか? また、これらのサービスが黒字化するタイミングについて教えてください」というご質問です。
収益面について、案件ごとにばらつきがあるため、合算でいくらというのはわかりません。ただ、1案件あたり月次で数百万円規模のものがいくつかある状況です。
黒字化しているかどうかについて、AIサービスは人手が必要なサービスではないため、提供しているサービスは、すでに黒字化しています。ただし、これ自体をしっかりと収益化させながら、いかにスケールさせていくかが課題です。さまざまなニーズが寄せられている中で、どのようなかたちでスケールできそうなのか、どのような方法であれば競争力を持って拡大できるのかを探っている状況です。
そのため、ある程度方向性が見えてきたら、先日の「CASTER NEO」のように、外部向けに公開していく流れになると考えています。
したがって、AIエージェントの業務受託の領域に関しては、すでに収益面での拡大可能性が十分にあるとご認識ください。我々としては、いかに競争力を確保していくかが論点となっています。
質疑応答:ベトナム子会社の人材確保と開発体制について
「ベトナムのシステム開発子会社の人材の獲得について教えてください。ベトナム人エンジニアは、これから募集するのですか? 開発に寄与し始めるのは、いつ頃を見込んでいますか?」というご質問です。
先ほど触れましたが、グラムス社の開発に関しては、もともとベトナムでも行っていた経緯があります。その人材を吸収してメンバーとしていますので、すでに一定人数を確保しています。
また、その下地があるため、拡大も比較的容易に進められている状況になっており、現時点で必要人数はすべて確保できています。さらに、拡大することについても、それほど難易度は高くないとご認識ください。
今期は、あくまで日本国内の開発からスライドしていますので、下手をすれば、ダブルコストの状態になります。そこまでコストがかかっているわけではありませんが、しっかりと稼働し始めるのは、来期からと見ていただければと思います。
質疑応答:次世代型ワークフォースプロバイダについて
「中期経営方針で述べられている次世代型ワークフォースプロバイダとは何ですか? もう少しかみ砕いて説明してください」
「ワークフォースプロバイダ」は、そのまま「労働力を供給するもの」という意味です。我々が「CASTER BIZ」というサービスで、本来展開したかったかたちです。
どのようなことかというと、サービスとしては一部で実現できていますが、基本的にお客さまが求めているのは、「必要な能力を、必要なタイミングで、必要な量だけ」です。しかし、人間のリソースをそのようにバラバラに分けることは、簡単にはできません。これは、当然のことです。
誰かがその場にいて、「この人にはどういうことができますか?」「この人は何時から何時までいますか?」「どのくらいの業務量を提供できますか?」といったことを、一人ひとりコンセンサスを取って、業務を提供していました。これが、基本的な労働の姿です。
ただし、AI を使ったことのある方ならご存じのとおり、チャットで質問すれば、なんでも答えてくれます。いつでも反応してくれますし、「何時から何時まで」「どの程度の量か」といった制限も、基本的にはありません。
実は人間も、構造さえうまく設計すれば、同じようにサービスを提供することができるのです。それを仮想的に再現したのが、我々の「CASTER BIZ」というサービスです。構造が同じですので、AIと組むことによって、サービスのデリバリー速度を大きく高めることができると考えています。
「次世代型ワークフォースプロバイダ」と銘打っていますが、AWSやインターネットの世界では、すでに当たり前になっていることです。必要な分のリソースを、必要な内容で取り出すことができます。今後10年から20年の間に、この状態が人的リソースに完全に置き替わると見ています。したがって、このかたちのスタンダードをしっかりと作りに行きます。
まだ誰も見たことがありませんが、それを我々は「次世代型ワークフォースプロバイダ」だと考えているとご理解ください。
質疑応答:株価低迷への経営陣の認識と今後の対応について
「上場以降株価が低迷し、投資家の期待に応えられていないと感じます。経営陣はこの状況をどう捉えていますか? 株価低迷の主な要因を、どのように分析していますか?」というご質問です。
ご指摘の内容は、まさにおっしゃるとおりです。経営陣一同、この状況をどのように乗り越えていくか、しっかりと受け止めながら考えていきたいと思っています。
要因としては、まず、業績がまだ落ち着いていない点があります。そして、それをどのように表現し、どのように投資家のみなさまとコミュニケーションを取っていくかというIRの部分も、まだ十分にできていないと認識しています。
我々は、この2点を真っ正面から強化していきます。その上で、例えばAIを活用して速度を上げたり、コミュニケーションの密度を高めたり、さまざまなことができるのではないかと考えています。
したがって、長期的には、しっかりと株価を戻していくというより、現在の株価にまったく満足していませんので、さらに上の水準を目指していきたいと思っています。
質疑応答:第2四半期の赤字拡大と通期見通しについて
「第2四半期での赤字拡大は想定外であり、通期での黒字化は厳しいのではと感じましたが、いかがでしょうか?」というご質問です。
第2四半期は、赤字の拡大というより、赤字があまり圧縮できていない状況です。先ほどご説明したとおり、要因は2つあります。1つは、大型顧客がこのタイミングで偶然抜けてしまい、その影響がやや大きかった点です。
もう1つは、経理系や小ロットの案件で、顧客数の拡大自体が想定以上に進んでいる一方、アップセルのリソースが追いつかず、顧客単価が低下してしまった点です。ここは、我々の予想よりもビハインドしてしまった部分になります。この点については、アップセルによる売上拡大を後追いで加速し、数字を回復できればと考えています。
したがって、現時点ではこの数字をしっかりと見ながら、今期の最終的な着地を見極めているとご理解ください。
質疑応答:解約率とAI化の関係について
「解約率が少し上昇していますが、なぜですか? 各企業でも業務のAI化が進んでおり、それが御社の解約につながることはありますか?」というご質問です。
解約理由について、お話を聞くなどしていますが、その中で「AIに移行したため解約します」といったケースは0件です。理由はシンプルです。社内でも、AIの活用を積極的に進めているものの、世の中全体ではそれほど進んでいません。
したがって、AIエージェントを業務で活用できている企業も、非常に限られています。もちろん、「活用している」と発表している企業も数多くありますが、実際に業務で活用できている企業は、まだ少数だと捉えていただいて構いません。
ご指摘のとおり、どの企業もAIの活用は急務だと考え進めていますが、簡単にいえば、行き詰まります。そのため、我々のAIエージェント構築業務についても、多くの引き合いをいただいています。AI活用は一筋縄ではないという点をご認識ください。
質疑応答:キャスターやLUVO社で売上計上しているAIエージェントについて
「キャスターやLUVO社で売上を計上しているAIエージェントは、具体的にどのようなものでしょうか?」というご質問です。
AIエージェントといっても、いろいろあるのですが、現在提供しているものについてご説明します。我々は、「AI駆動開発」「VibeCoding(バイブコーディング)」とも呼ばれる、「Cursor(カーソル)」や「Windsurf(ウィンドサーフ)」といったAIエディターを使って、AIによりコーディングを加速させたAIコーディング済のシステムを提供しています。
AIがシステムの中で、さまざまなかたちで動作しているため、これを現在では「AIエージェント」と呼ぶことが多くなっています。もともとは、「Dify(ディファイ)」と呼ばれるノーコードツールを用いて、お客さまのワークフローを自動化するサービスに特化する予定でした。
しかし、技術の進化が非常に速く、そのようなツールを使わなくても、コーディングされた状態で、非エンジニアでも提供できる下地が整ってきました。現在は、お客さまのワークフローをしっかりとコーディングしたシステムとして、提供する方向性にシフトしています。
それをAIエージェントとして稼働させられる状態で提供することを目指し、作っています。例えば、お客さまから「自社のオペレーションフローや経理フローはこうなっている」といったお話をいただくと、そこを1から10まで、ほぼすべてAIで処理できるような仕組みを、AIエージェントの下地として構築して提供します。
提供後も、「ここは精度を上げたい」「ここも対応できるようにしたい」といったかたちで継続的にチューニングしていくようなサービスを提供しているとご理解ください。
質疑応答:今後のAI業界のトレンドや需要の見通しについて
「今後のAI業界のトレンドや需要の見込みについて、どのような予測を立てていますか?」というご質問です。
予測というより、現在のAI業界は、まだスタートすらしていない段階で、ようやく業務領域に入り始めたところだと考えています。覚えていらっしゃる方もいるかと思いますが、2023年あたりにGPTが「GPTs」と呼ばれるようになり、技術が進化し始めました。
そこから徐々に進化し、RAGのような仕組みができ、チャットボット以外のこともできるようになってきました。特に、今年に入ってからは急速に進化しており、この進化自体が、「AIがAIを触る」ような状態になってきています。
この流れが止まることはなく、みなさまが思っているよりも早く、おそらく今年中には、現状で人間が作れるシステムのほぼすべてをAIで構築できるようになると考えています。
オペレーション業務に関しても、特にデジタル領域であれば、AIがしようと思えばすべて対応できるようになると見ています。その状態が実現した時、需要などに対して、人間はどのように対応していくのでしょうか? 進化のスピードがあまりにも速く、誰も追いついていないため、新しいものをキャッチすることが重要になると考えています。
このように、世界そのものがひっくり返ってしまうような状態になるのではないかというのが、私自身の見立てです。
質疑応答:経理領域特化とAIファースト経営について
「以前、経理領域の特化を打ち出されていましたが、KPMGジャパン社、マネーフォワード社との協業について、どのような結果になりましたか? 今後、「AIファースト経営」に移行するということでしたが、これまでの振り返りについて教えてください」というご質問です。
領域特化という認識も間違いではありませんが、経理領域の強化につながっていますので、方針自体に変化はないものとご認識ください。マネーフォワード社とのアライアンスに関しては、当初の想定からかたちが変わった部分や遅れている部分はありますが、直近ではしっかりと進んでいます。先方の協力があってこそですので、着実に拡大できる状況を作っていきたいと考えています。
「AIファースト経営」も、経理領域に最大限力を入れて取り組んでいますので、発表できる段階になれば、あらためてお知らせします。現在は、国内で他のプレイヤーが取り組んでいないような範囲にまでトライしている状況です。
一部受託のシステムといったかたちで提供しても意味がないと思っています。我々としては、技術を総合体として、どのようなかたちで市場に提供していくかを考えています。このあたりも、公開できる状態になれば、あらためてお伝えします。
振り返ると、この領域に特化してよかったなと感じています。AIを非常に深いところまで活用するきっかけになったということです。
質疑応答:黒字転換の見通しについて
「第1四半期決算時に、CACの効率化により、第3四半期から黒字転換するとの見通しを示されていましたが、現時点でその見立てに変更はありますか? もし変更があれば、その背景を教えてください」というご質問です。
現時点では、第3四半期からの黒字転換という見通しに変更はありません。ただし、冒頭でお伝えしたとおり、アップセルが追いついていない部分があります。つまり、タイミングが後ろにずれる可能性があるということです。
タイミングのずれは最終的に利益につながるため、この部分がどのようなかたちで影響するのか、鋭意計算を進めているところであり、結果次第だと捉えています。
我々はアップセルの強化に加え、広告費等のアロケーション調整による単価の回復も進めています。また、稼働率の調整やコスト削減などにも取り組み、利益率はこれまでよりも高く確保できている状況です。
しかし、最終的には立ち上がりの結果になりますので、第3四半期の黒字化という目標に向けて動いているとご理解ください。
質疑応答:マネーフォワード社と開発中の経理専用商材について
「スライド22ページのマネーフォワード社と開発に着手されている経理専用の新商材とは、具体的にどのようなものでしょうか?」というご質問です。
マネーフォワード社にはさまざまな種類の顧客がいます。詳細は控えますが、ざっくりといえば、エンタープライズ規模の企業から小規模の企業まで、また税理士事務所や会計士事務所を通じて間接的に利用しているお客さまもいます。
さまざまな顧客層とそのニーズへの対応がそれぞれ違うのが、マネーフォワード社の特徴です。そのような中で、我々が「CASTER BIZ」を提供しているお客さまと、マネーフォワード社のお客さまの一部がほぼ同じゾーンだという見立てが立ち始めました。
具体的にどのゾーンかは控えますが、そこに向けた新しいサービスを個別で作り、提供を開始しています。非常によい手応えを感じており、今後さらに引き合いが増えていくと考えています。
我々からというより、マネーフォワード社の決算の中で「今後、非常に有用である」となれば、一部開示されることもあるかと思います。我々としても、一助となれるように努め、先方によい結果が出るまでしっかりと取り組みを進めていきます。
質疑応答:自己資本比率の低下と財務体制について
「自己資本比率が、昨年と比べて20パーセント以上低下しているようですが、開示責任者やCFOを直近で変更されています。体制面や財務面に問題はないのでしょうか? 現在の財務状況について、CFOの見解をお聞かせください」というご質問です。
私から簡単にご説明し、その後CFOの森岡から補足します。
直近で変更はありましたが、森岡自身は非常に長い間、当社の取締役を務めていますので、今回の変更は、ファイナンス面の問題によるものではありません。管理面や人事面、採用におけるケイパビリティの強化が必要と判断したことが、大前提となっています。体制面の問題による変更ではなく、ネガティブな事象が起きているとは考えていません。
開示資料についても今回AIを活用して、大部分を作成するかたちにトライしており、今後はほとんどの部分が自動化されると見ています。そのため、詰まっているという認識は、私としては持っていません。
財務状況について、自己資本比率は注目しているところであり、強化が必要だと考えています。ただし、現時点では黒字化のめどが立っていることもあり、リバランスについては、足元の状況を見ながら、適切なタイミングで進めていく考えです。
森岡由布子氏:CFOの森岡です。私は、2016年からキャスターに在籍しており、事業を見てきました。今回、CFOとして交代しましたが、基本的には管理本部の責任者というかたちで参画しています。
数値面について、第1四半期、第2四半期の実績をご覧いただいたとおり、少し下がっているところがあると思います。ただし、先ほど中川からご説明したように、現在はアライアンスの強化や広告費のアロケーション調整を進めており、まずは売上・利益を成長軌道に戻していくことを目指しています。
人が替わり、ご不安な点もあるかと思いますが、少し長く在籍している立場として、しっかりと現状を見ながら、立て直していければと思っています。今後も、新しいメンバーとともに、立て直しに取り組んでいきますので、引き続きよろしくお願いします。
質疑応答:大規模顧客の契約終了について
中川:「大規模顧客との契約が終了した理由と、それが突然発生した理由について教えてください」というご質問です。
内容は把握しているのですが、端的にいえば、我々の事由ではありません。当該顧客の業績が厳しい状況になっていることが原因だと認識しています。企業の詳細については触れませんが、このようなことも流れとして起こり得ると考えています。我々にとって、継続的なマイナス要因につながることはないと捉えています。
中川氏からのご挨拶
今回、さまざまな発表をしました。今年は、本当に変わらなければならないと思っています。創業して11年目ですが、過去最大の挑戦をすることになるかと思いますので、今後もしっかりとお付き合いいただければ幸いです。本日はありがとうございました。