29日の米国市場は上昇。ダウ平均は300.03ドル高の40527.62ドル、ナスダックは95.19ポイント高の17461.32で取引を終了した。関税を巡る不透明感に寄り付き後はまちまち。その後もJOLT求人件数や消費者信頼感指数が予想以上に悪化したため成長減速を警戒した売りに伸び悩んだ。ベッセント財務長官が今後数週間で17か国との会合を予定しており、通商交渉が進展していることを明かにしたほか、商務長官がインタビューで最初の貿易協定を巡り相手国の首相、議会の承認待ちであることを明らかにし貿易摩擦への懸念が緩和し、買戻しが優勢となり、相場は上昇に転じた。終盤にかけ、トランプ大統領も国民の税負担を軽減すると減税策成立を公約し、上げ幅を拡大し終了。
堅調な米国株の動きを背景に、東京市場は買い優勢で取引を開始。足元の上昇ピッチの速さや日米協議などが意識されたほか、指数インパクトが大きいファーストリテが前日比2%超下落したことなども影響し日経平均は上値の重い展開となった。ただ、大引けにかけてじりじりと値を切り上げた結果、終値ベースでは3月28日以来となる36000円台乗せとなった。
大引けの日経平均は前日比205.39円高(+0.57%)の36045.38円となった。東証プライム市場の売買高は22億8183万株。売買代金は5兆4367億円。業種別では、その他製品、サービス、医薬品、銀行、保険などが上昇した一方、海運、石油・石炭、輸送用機器、パルプ・紙、陸運などが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は56.4%、対して値下がり銘柄は39.7%となっている。
日経平均採用銘柄では、25年3月期の連結最終損益を従来予想の160億円の黒字を236億円の黒字(前期は3149億円の赤字)に上方修正した住友ファーマがストップ高で比例配分。また、TOTO、日本電気、ソシオネクスト、三菱電機などが決算を材料に買われた。りそなHDは証券会社のポジティブなレポートが材料視されて上昇。このほか、ソニーグループ、荏原製作所、コンコルディアFGなどが買われた。後場入り後は、前期業績予想の上方修正を発表した住友化学が一段高。決算を材料に大塚HDも買われた。
一方、ニコンが、25年3月期営業利益予想を下方修正したことで売り優勢となったほか、キッコーマンも今期純利益が前期比で減益となり市場予想も下回ったことなどから売られた。また、マツダ、SUBARU、三菱自動車、トヨタ自動車など自動車関連はさえない。このほか、日立、ジェイテクト、大和証Gなどは売られた。後場入り後は、決算内容や減配予想などが嫌気されて商船三井が急落し、日本郵船、川崎汽船が連れ安となった。