2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は7日続伸、円安推移などを材料に一時37000円台に迫る
・ドル・円は伸び悩み,上昇分を帳消し
・値上がり寄与トップはファーストリテ、同2位ダイキン
■日経平均は7日続伸、円安推移などを材料に一時37000円台に迫る
日経平均は7日続伸。前日比253.23円高(+0.69%)の36705.53円(出来高概算9億5000万株)で前場の取引を終えている。
1日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は83.60ドル高の40752.96ドル、ナスダックは264.40ポイント高の17710.74で取引を終了した。ソフトウエアメーカーのマイクロソフトやソーシャルテクノロジー会社のメタ・プラットフォームズなど主要ハイテク企業の好決算を好感した買いに、寄り付き後、上昇。その後も、対中貿易協議の可能性を期待した買いや、ウクライナとの資源協定提携が成長減速や地政学的リスク懸念を和らげ買い戻しが先行し、相場は終日堅調に推移し終了した。
米国株高を背景に東京市場は買い優勢で取引を開始。日経平均は寄付きから上げじりと拡大し、一時36976.51円と37000円台手前まで上昇した。前日の植田和男日本銀行総裁の記者会見で、年内利上げ見送り観測が強まったほか、2回目の日米通商協議でも為替は議論とならなかったことなどを受けて、為替は1ドル145円台半ばまで円安ドル高が進行。トヨタ自など自動車株の上昇などが指数押し上げ役となった。
日経平均採用銘柄では、大塚HDが8日続伸したほか、任天堂は7日続伸で連日の上場来高値更新。また、今期営業利益が前期比2.8倍になる見通しと発表したヤマトHDは年初来高値を更新した。11時に自社株取得枠を従来の300億円から700億円に拡大すると発表した丸紅もしっかり。このほか、住友ファーマ、ダイキン、ZOZO、オリンパス、コマツ、信越化などが買われた。
一方、年内利上げ見送り観測を受けて、りそなHD、みずほFG、しずおかFG、ふくおか、三菱UFJ、千葉銀行など銀行株が引き続き弱い。また、決算内容が嫌気されてセイコーエプソンも売り優勢となった。このほか、ディスコ、日本製鋼所、ルネサスエレクトロニクス、古河電工、太陽誘電などが下落した。
業種別では、その他製品、医薬品、輸送用機器、精密機器、海運などが上昇した一方、銀行、その他金融、パルプ・紙、非鉄金属、証券・商品先物などが下落した。
今晩の海外時間では4月の米雇用統計など重要な経済指標の発表を控えていることから、後場は様子見姿勢が強まり、日経平均は前場終値水準での小動きとなりそうだ。物色の対象は取引時間中の決算発表銘柄に集中するだろう。本日は12時台にJAL、13時台に伊藤忠、14時台に三菱商事、リコーリースなどが予定されている。
■ドル・円は伸び悩み,上昇分を帳消し
2日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。前日の日銀政策決定で政策が維持され、円売り安心感が広がり145円26銭から145円92銭まで上値を伸ばした。ただ、心理的節目の146円が意識されると、利益確定売りが強まり朝方の安値付近まで失速した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は145円26銭から145円92銭、ユーロ・円は164円09銭から164円63銭、ユーロ・ドルは1.1274ドルから1.1303ドル。
■後場のチェック銘柄
・カウリス、ウィルソン・ラーニング ワールドワイドの、2銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはファーストリテ、同2位ダイキン
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・3月失業率:2.5%(予想:2.4%、2月:2.4%)
・日・30 3月有効求人倍率:1.26倍(予想:1.25倍、2月:1.24倍)
・豪・3月小売売上高:前月比+0.3%(予想:+0.4%、2月+0.2%)
【要人発言】
・中国商務省
「米との通商協議の可能性を現在評価している」
・赤沢経済再生相
「日米関税協議は130分間、突っ込んだ話が出来た」
「日米関税協議、具体的な議論進めることが出来た」
「両国間の貿易拡大、非関税障壁、安保面の協力など具体的に議論」
「日米関税協議、閣僚間協議は5月中旬以降集中的に実施」
「為替や安全保障については議論にならなかった」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし