日経平均は小幅続伸。16.47円高の37519.80円(出来高概算9億8964万株)で前場の取引を終えている。
前週末9日の米国株式市場でダウ平均は119.07ドル安の41249.38ドル、ナスダックは0.78ポイント高の17928.92で取引を終了。英国との通商協定合意を受け、さらなる協議進展期待から寄り付き後、上昇。トランプ大統領が対中関税80%へ引き下げを示唆したことは好感材料となったものの、報道官が無条件での引下げはないことを明らかにすると、相場は売りに転じた。対中通商協議を控え、不透明感がくすぶりダウは終盤にかけ下げ幅を拡大。一方、ハイテクは底堅くナスダックはかろうじてプラス圏を維持し、まちまちで終了した。
米株式市場の動向を横目に、5月12日の日経平均は前営業日比193.95円高の37697.28円と3営業日続伸でスタートした。米中協議の進展を受けて予想通り安心感が広がる格好となる一方で、上値追いの勢いは乏しい。引き続き国内では決算ピークが続くことから、様子見姿勢を継続する向きもある。
個別では、ディスコやアドバンテスト、レーザーテックなどの半導体関連株や川崎汽船、商船三井などの海運株が堅調に推移、ソニーグループ、トヨタ自動車、フジクラ、IHI、ファーストリテ、などが上昇した。ほか、DOE採用に伴い今期大幅増配計画となったアネスト岩田が急騰、クレスコ、三十三フィナンシャルグループ、高速などが値上がり率上位となった。
一方、米国での薬価引き下げを懸念して武田薬や中外製薬などの医薬品株が軟調。また、任天堂、日立、パナHD、リクルートHD、NTTデータなどが下落した。そのほか、第4四半期は市場予想下振れ着地で出尽くし感が先行したディーエヌエーが大幅安、ゲオホールディングス、コーセー、クオールホールディングスなどが値下がり率上位となった。
業種別では、倉庫・運輸関連業、石油・石炭製品業、海運業などが上昇した一方で、医薬品、鉄鋼、サービス業などが下落した。
後場の日経平均株価は、上値の重い展開が継続するか。戻り待ちの売りに押されるなか、今週企業決算発表のピークを迎えるため、様子見ムードが広がろう。また、医薬品関連の軟調推移が本日は相場の重石となりそうだ。ただ、外部環境の改善によって国内の投資家心理も改善が進む状況下で、大型株物色が強まれば日経平均やTOPIXの一段高も期待できる。日経平均は上向きに転じた25日移動平均線との乖離率もいまだ小さく、好業績や株主還元策の拡大などを発表した銘柄を中心に動向を見守っておきたい。