前日28日の米国株式市場は反落。ダウ平均は244.95ドル安の42098.70ドル、ナスダックは98.22ポイント安の19100.94で取引を終了した。ダウ、ナスダックは寄り付き後揃って小幅に上昇。しかし前日の大幅高の反動に加え、引け後のエヌビディアの決算発表を控え様子見姿勢が強まり、ダウはじり安、ナスダックは前日の終値近辺でのもみ合いが続いた。取引時間中に公表された5月開催分のFOMC議事要旨では、関税の影響を見極めるまで政策金利変更には慎重な姿勢が改めて示されたが相場の反応は限定的だった。
米株式市場の動向を横目に、29日の日経平均は324.57円高の38046.97円と反発して取引を開始した。昨日の米株式市場で主要指数が下落したが、取引終了後に発表された米エヌビディアの決算を受け、同社株が時間外取引で上昇。ダウ平均先物も時間外取引で大幅高となっていることが東京市場の株価支援要因となった。また、米国の裁判所がトランプ米大統領の発動した関税を違法だとして差し止める判断を下したことが好感され外為市場で円安・ドル高方向に振れたことが東京市場で輸出株などの株価の支えとなった。
大引けの日経平均は前日比710.58円高(+1.88%)の38432.98円となった。東証プライム市場の売買高は18億6979万株。売買代金は4兆7521億円。業種別では、非鉄金属、輸送用機器、保険、サービス、電気機器などが上昇した一方、陸運、海運、パルプ・紙の3セクターが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は68.5%、対して値下がり銘柄は26.8%となっている。
日経平均採用銘柄では、ディスコやアドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、レーザーテック、東京エレクトロンなどの半導体関連株が総じて上昇したほか、フジクラ、住友電工、古河電工など電線株も買われた。また、川崎重工業、トヨタ自動車、任天堂、ソニーグループ、リクルートHD、日立などが上昇した。個別では、政府が大規模下水道更新工事を30年度までに完了目標と伝わり物色が向かった日本ヒュームが大幅高、楽天銀行、SBIホールディングス、テイカなどが値上がり率上位となった。
一方、JR東やJR東海などの陸運株がやや軟調。また、第一三共、ソシオネクスト、ベイカレント、ニチレイ、資生堂などが下落した。個別では、高利回り銘柄として配当権利落ちの影響強まったタマホームが大幅安、ビーウィズ、ライク、パルグループHDなどが値下がり率上位となった。