日経平均は反発。76.18円高の37546.85円(出来高概算7億8401万株)で前場の取引を終えている。
前日2日の米国株式市場は小幅に上昇。ダウ平均は35.41ドル高の42305.48ドル、ナスダックは128.84ポイント高の19242.61で取引を終了した。米中貿易摩擦の悪化懸念やトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを発表したことが嫌気された。5月ISM製造業景況指数が低下、予想を下回ったことを受けて下げ幅を拡大する場面があったが、ナスダックは半導体銘柄の上昇に支えられその後はプラス圏で推移。トランプ大統領と中国の習近平国家主席が週内にも電話会談を行う可能性があると伝わるとダウ平均もプラス圏に浮上し、取引を終えた。
米株式市場の動向を横目に、6月3日の日経平均は127.64円高の37598.31円と3日ぶり反発して取引を開始した。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が1.57%上昇と、東京市場で半導体関連株の株価支援要因となった。また、ダウ平均が一時400ドル安となった後に下げ渋り、小幅ながら上昇に転じて取引を終えたことも安心感となった。さらに、日経平均は昨日までの続落で900円を超す下げとなったことから、押し目待ちの買いも入りやすかった。ただ、米関税政策を巡る不透明感が引き続き強く、積極的な買いを見送る向きもある。
個別では、ディスコやアドバンテスト、レーザーテックなどの半導体関連株のほか、三菱重工業、IHI、任天堂、ソニーグループ、ソフトバンクグループ、三菱電機などが上昇した。ほか、今期の2ケタ営業増益・増配見通しを好感した伊藤園が急騰、ジャパンディスプレイ、ソシオネクスト、JMDCなどが値上がり率上位となった。
一方、三井住友や三菱UFJなどの金融株、三菱商事や伊藤忠商事など一部の商社株が軟調に推移。また、リクルートHD、フジクラ、トヨタ自動車、日立、サンリオなどが下落した。そのほか、5月の松屋銀座店の売上高は一段と減収率が拡大した松屋が下落、日本ヒューム、JCRファーマ、日本通信などが値下がり率上位となった。
業種別では、鉱業、機械、パルプ・紙などが上昇した一方で、電気・ガス業、不動産業、卸売業などが下落した。
後場の日経平均はプラス圏を維持できるか注目したい。前引けにかけて上げ幅を縮小する動きを見せており、手掛かり材料に乏しい中で買い進む動きは想定しにくい。そのほか、日米関税交渉を担当する赤澤亮正経済再生担当大臣が5日に訪米し、ワシントンで5回目の協議に臨む方向で調整していることがわかったようだ。日本側は、6月中旬に予定される日米首脳会談を視野に合意への道筋をつけたい考えであるが、材料待ちの相場展開が今しばらく続きそうだ。