前日10日の米国株式市場は堅調に推移。対中通商協議の行方を睨むなか、協議の進展期待を受けた買いに加え長期金利の低下も支援して相場は終日底堅く推移した。終盤にかけて、商務長官が協議を巡り「順調に進行している」とし、本日中にも終了することを期待していると言及すると、楽観的見方が一段と強まって終了した。米株式市場の動向を横目に、11日の日経平均は219.59円高の38431.10円と4日続伸して取引を開始した。ただ、朝方の買い一巡後は戻り待ちの売りなどが出て指数は次第に上げ幅を縮小。その後は38400円付近でもみ合う展開となった。米半導体関連銘柄の上昇が東京市場でも半導体関連株のポジティブ要因となったほか、円相場や米長期金利が落ち着いた動きだったことも安心感を誘った。ただ、心理的節目の3万8500円近辺では利益確定売りや戻り待ちの売りが広がった。また、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて開かれると見られる日米首脳会談の動向、今晩には米国で5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されることから様子見姿勢も強かった。
大引けの日経平均は前日比209.68円高の38421.19円となった。東証プライム市場の売買高は16億1983万株、売買代金は4兆483億円だった。業種別では、パルプ・紙、金属製品、サービス業が上昇した一方で、その他製品、保険業、非鉄金属が下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は70%、対して値下がり銘柄は26%となっている。
個別では、レーザーテックやディスコ、アドバンテストなど半導体関連株が堅調に推移した。また、ソフトバンクグループ、ディー・エヌ・エー、信越化学、リクルートHD、日立などが上昇した。そのほか、5月既存店が11カ月ぶりに2ケタ成長となった物語コーポレーションが大幅高、SUMCO、メディアドゥ、日本マイクロニクスなどが値上がり率上位となった。
一方、三菱UFJFGや三井住友FGなどの金融株のほか、トヨタ自動車、ソニーグループ、東京海上HD、川崎重工業、任天堂、三菱重工業、IHI、フジクラ、古河電工、などが下落した。ほか、経営統合の一環となる割当増資実施による希薄化を懸念された日野自動車が大幅安、ポールトゥウィンホールディングス、グローバルリンク、三井E&Sなどが値下がり率上位となった。