18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続伸、朝方にプラス圏浮上後はじり高基調に
・ドル・円は軟調、ドル買い一服
・値上り寄与トップはファーストリテ、同2位は任天堂
■日経平均は続伸、朝方にプラス圏浮上後はじり高基調に
日経平均は続伸。255.06円高の38791.80円(出来高概算7億6088万株)で前場の取引を終えている。
前日17日の米国株式市場は反落。ダウ平均は299.29ドル安の42215.80ドル、ナスダックは180.12ポイント安の19521.09で取引を終了した。中東情勢の悪化懸念が再燃。中盤にかけて、トランプ大統領が国家安全保障チームとの会合を開催すると報じられると、イスラエル、イラン戦への軍の関与の可能性などが警戒されて原油高などに連れ売りに拍車がかかった。終盤にかけても中東緊迫化を警戒する売りが続き下げ幅を拡大した。
米株式市場の動向を横目に、18日の日経平均は172.58円安の38364.16円と3日ぶり反落して取引を開始した。昨日の米株式市場で主要指数が下落したことが東京市場の株価の重しとなった。また、日経平均は昨日までの続伸で700円を超す上げとなったことから、利益確定売りも出やすかった。ただ、朝方の売り一巡後は買い手優位の状況が続き、指数は早々にプラス圏に浮上、その後もじりじりと上げ幅を広げて高値で前場の取引を終了。外為市場で円安基調が続く中、東京市場の輸出株などの支えとなったほか、海外市場で米長期金利が低下したことも安心感となった。
個別では、アドバンテやレーザーテック、東エレクなどの一部の半導体関連株が堅調に推移。また、ファーストリテ、ソニーグループ、日立、リクルートHD、任天堂、キーエンス、トヨタ自動車、サンリオ、東京電力HDなどが上昇した。そのほか、高水準の自社株買い実施を発表した日清オイリオグループが急騰、アステリア、アドバンスクリエイト、YTLなどが値上がり率上位となった。
一方、日本郵船や川崎汽船などの海運株のほか、三菱UFJや三井住友などの銀行株が軟調に推移した。ディスコ、フジクラ、ソフトバンクグループ、三菱重工業、IHI、日本製鉄などが軟調に推移した。ほか、ミガロホールディングス、阿波銀行、ジェイ・エス・ビーなどが値下がり率上位となった。
業種別では、その他製品、パルプ・紙、証券・商品先物取引業が上昇した一方で、鉄鋼、海運業、銀行業が下落した。
後場の日経平均は上げ幅を広げる展開が続くか。日銀が追加利上げを急がないとの見方を示したことも買い安心感につながっている。また、直近上値抵抗帯として意識されていた38500円付近を上抜けたこともポジティブに捉えられる可能性もあろう。ただ、日本時間の明日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が予定されている。これらの内容を確認したいとして後場は積極的に買い進む動きが限定的となる可能性もありそうだ。
■ドル・円は軟調、ドル買い一服
18日午前の東京市場でドル・円は軟調地合いとなり、145円44銭から144円09銭まで値を下げた。中東情勢の不安定化による有事のドル買いは一服し、値を下げる展開に。ユーロ・ドルは1.15ドル付近に再浮上、ユーロ・円も167円付近に一時上昇した。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は145円09銭から145円44銭、ユーロ・円は166円76銭から167円05銭、ユーロ・ドルは1.1475ドルから1.1500ドル。
■後場のチェック銘柄
・インフォメティス、enishなど、8銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップはファーストリテ、同2位は任天堂
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・米・5月小売売上高:前月比-0.9%(予想―0.6%、4月:-0.1%←+0.1%)
・米・6月ニューヨーク連銀サービス業活動:-13.2(5月:-16.2)
・米・5月輸入物価指数:前月比0%(予想―0.2%、4月:+0.1%)
・米・5月輸出物価指数:前月比-0.9%(予想―0.2%、4月:+0.1%)
【要人発言】
・カーニー加首相
「第三国を経由した鉄鋼流入のリスクを検証」
「トランプ米大統領から51番目の州については言及されていない」
「鉄鋼のダンピングから自国産業を守るためのセーフガードを積極的に検討」
<国内>
・特になし
<海外>
・15:00 英・5月消費者物価指数(予想:前年比+3.3%、4月:+3.5%)