前日の米国株式市場は堅調に推移。中東情勢の悪化懸念が広がったが、連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン副議長が7月の利下げを支持する可能性を示唆すると早期利下げ期待に相場は上昇に転じた。イランが報復攻撃を開始したが、限定的な報復攻撃にとどまるとの情勢鎮静化への期待に買い戻しが加速、終盤にかけて上げ幅を拡大した。米株市場を横目に、本日の日経平均は425.09円高の38779.18円と4日ぶり反発して取引を開始。朝方の買い一巡後は上げ幅を縮小、その後は38800円付近でもみ合う展開となった。トランプ米大統領がイスラエルとイランについて「完全な停戦で合意した」と自身のSNSに投稿し、中東の地政学リスクが後退したことで投資家心理は上向いた。また、原油価格が急落し、企業のエネルギーコスト増加懸念も後退した。ただ、イランのアラグチ外相が「現時点では停戦や軍事行動の停止ついての合意は存在しない」とした上で「イスラエルが攻撃停止すれば停戦応じる。」とSNSを投稿しており、不透明感が拭えず買い進む動きは限定的だった。また、為替市場で円高ドル安方向に進んだことが東京市場で重石となった。
大引けの日経平均は前日比436.47円高の38790.56円となった。東証プライム市場の売買高は15億8002万株、売買代金は4兆2040億円だった。業種別では、非鉄金属、空運業、証券・商品先物取引業などが値上がり率上位、鉱業、石油・石炭製品、不動産業などが値下がり率上位に並んでいる。東証プライム市場の値上がり銘柄は64.1%、対して値下がり銘柄は31.2%となっている。
個別では、アドバンテや東エレクなどの一部の半導体関連株のほか、日本航空やANAホールディングスなどの空運株が堅調に推移。また、ファーストリテ、フジクラ、任天堂、三井住友FG、川崎重工業、ソフトバンクグループ、ソニーグループなどが上昇した。ほか、受注回復織り込み国内証券が格上げを行ったレーザーテックが急騰、リズム、セレス、テラスカイなどが値上がり率上位となった。
一方、INPEXや石油資源開発などの原油関連は軟調に推移。また、IHI、キオクシアホールディングス、サンリオ、サンリオ、トヨタ自動車、ルネサスエレクトロニクス、三井E&Sなどが下落した。ほか、シティインデックスイレブンスの保有比率がゼロとなった大平洋金属が大幅安、大幸薬品、アドバンスクリエイト、ミガロホールディングスなどが値下がり率上位となった。